ろきのや
2025-04-02 19:37:20
29863文字
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アズキャ生存if 二人目のニンゲン(未完)

未完長編アズキャ生存ifな話 何でも許せる人向け。 様々な捏造
2人目に落ちてきたニンゲン君(オリキャラ)がすっげぇでしゃばる。
チャットAIに欲望ぶつけて推敲手伝ってもらってたら盛り上がってしまったのでここに供養。
https://poipiku.com/9119/11644918.html



キャラは疲労感が体を重くする中、水音の響く暗闇を抜ける。
すると突然、入口で待ち構えていたモンスターたちがこぞってキャラを取り囲み、キャラは目を丸くした。

「キャラ!ボールが嫌いだったらそう言ってよ!ごめんね!」

そう声をかけるのはあの時ボール遊びをしていたモンスターだった。あれからずっと気にしていたようだ。

「心配しなくてもお前の居場所はあるぞ!」

と的外れながらキャラを励まそうとする者。

「私たちはキャラの事大好きよ!」

好意を伝える声。キャラを支えようというモンスター達の思いがキャラにぶつけられ、キャラは面食らい、言葉を返す事もできない。

勿論モンスターたちの言葉はキャラの葛藤や苦悩を理解したものではなかった。それでも、その愛に溢れた様子に、キャラの中で張り詰めていたものがほんの少し緩むような感覚を覚えた。

キャラひとりのために、彼らはわざわざここに集まり、戻ってくるのを待っていた。

「もう大丈夫だよ。僕ら、仲直りしたんだ。ねぇ、キャラ?」

ダミアンがここぞとばかりに割り込んで、キャラの肩に腕を回してきた。鬱陶しくて苛立ったが、みんながいる手前突き飛ばす事も憚られ、キャラは「そうだな」と適当に返事した。

モンスターたちは「よかったね!」と素直に喜び、歓声を上げた。「やっと仲直りできたんだね」「これからは一緒に遊ぼうね」彼らは笑顔で取り囲み、二人の和解を疑う事はなかった。

大人しく肩を回されているキャラに、ダミアンは「彼らの前ではいい子でいたいんだね」と小さく呟くと、キャラは軽く舌打ちした。

それ以上抗議する気力は無かった。

──もうそろそろ帰らなくては。そう思い、みんなに別れを告げようと口を開こうとした瞬間、手足に痺れが走り、じわじわと感覚が薄れ、力が抜けていく。
頭痛と共に目眩がして、世界の輪郭がぼやけた。発しようとした言葉は詰まり、声にならない。

もはや力が入らなくなり、キャラの膝がガクンと折れた。
肩を組んでいたダミアンがその変化に気付いて「おっと」とキャラを支え、傾いたキャラの体がダミアンの腕に預けられた。

睡眠不足、先程までの緊張、そしてモンスターたちを見てほっとした結果、今までの疲労が一気に押し寄せた。キャラは心身共に限界だった。意識が遠のき、静かな寝息が小さく漏れていた。

モンスター達は一瞬慌てふためいたが、支えたダミアンがキャラの寝息を確認し、穏やかに言った。

「疲れてたみたい。眠ってるだけだよ」

モンスターたちはほっとして「よかった」「びっくりした」と口々に呟く。

ダミアンがキャラを抱き抱えて「僕が責任持って連れて帰るから安心して」と呼びかければ、「ダミアンがいるなら大丈夫か」「お願いね」と穏やかに見送られた。

素直なモンスターたちの見送りを背に、ダミアンは腕の中で眠るキャラの重みに、何か満たされるものを感じていた。

獲物が手に入ったかのような充足感だろうか。

その無防備な姿に、ダミアンは口元に笑みを浮かべながら、キャラを家へと運んでいった。

────

家に帰り着いた時、ダミアンの腕に抱えられたキャラの姿はぐったりとしていた。

ダミアンが「ただいま」と玄関で呼びかけると、キッチンから出迎えにきたトリエルは、キャラを見た瞬間驚きで目を丸くし、急いで駆け寄ると震える手でキャラの額に触れた。
後から出て来たアズゴアが「一体どうしたんだい」とキャラを心配そうに見下ろしている。

「ここに来るまでに倒れてしまって。疲れが溜まってたみたい」

ダミアンが穏やかに説明し、キャラの寝息を確認した両親はほっと胸を撫で下ろした。

「忙しいとは言ってたけど……よっぽど大変だったのね」

労わるようにキャラの頬を撫でて、トリエルの優しい眼差しがピリッと厳しさを滲ませた。

「後でガスター博士にはしっかり話をする必要がありそうね」

「すまないね……もっと早く呼び戻せばよかった」

アズゴアも申し訳なさそうに首を掻いていたが、トリエルの表情はダミアンに向けてすぐに柔らかいものに変わった。

「ダミアン。この子を無事に連れて帰って来てくれて本当にありがとう……あなたも疲れたでしょう?」

「ありがとうダミアン。感謝するよ」

感謝を口にするトリエルとアズゴアに、ダミアンは柔らかく微笑む。

「キャラは僕にとっても特別だから、このくらい当たり前だよ」

その時、帰宅の気配に駆けつけたアズリエルが、ダミアンの腕の中のキャラに気付き、目を見開いた。

「キャラ!?」

アズリエルはキャラとダミアンを交互に見て困惑し、また何かキャラにあったのかと不安が襲った。

「大丈夫。眠ってるだけだよ」

ダミアンが駆け寄るアズリエルにキャラの体を預ける。
アズリエルの大きな手がキャラの体を包み込み、その冷え切った体に胸が締め付けられた。

……助けてくれたんだね。ありがとうダミアン」

アズリエルの瞳にはダミアンに対する複雑な感情が浮かんでいたが、今はただキャラをここに連れ帰って来てくれた事に感謝した。

「さ、ダミアンも着替えてらっしゃい。お腹すいたでしょう」

トリエルは明るく声をかけ、場の空気を和らげようとしていた。

アズリエルはキャラを連れ、キャラの部屋に向かった。
両親とダミアンの会話が背後で遠ざかり、アズリエルは不安を感じながらキャラを力強く抱きしめた。

キャラをベッドに眠らせながら、アズリエルは暫くその様子を見守っていた。
キャラの顔は青白いまま、握った手は冷たかった。規則的な寝息だけがキャラが無事である事を証明していた。

アズリエルの胸に不安と疑念がよぎる。
ダミアンはあんなトラブルがあったのに、キャラに会いに行ったのだろうか。それともたまたまキャラを見つけただけ?
キャラが起きたら話したい事がたくさんある。どうしてこうなったのか、何があったのか、ちゃんと聞きたい。

しばらくすると、扉の向こうからダミアンの声が響いた。

「キャラが心配なのは分かるけど、夕飯にしよう。きっと暫くは起きないよ」

ダミアンの呼びかけに一瞬躊躇したが、アズリエルは「分かった」と呟き部屋を後にした。

ダミアンは出て来たアズリエルに微笑む。

「君ってやっぱり過保護なんだね」

アズリエルは目を伏せ、「そうかも」と呟いた。