さもゆ
2024-12-06 15:27:25
17771文字
Public BF
 

【BF腐】ツイログ2

1~7…A英。
8…シンと肩幅おじさん。
9…あっしゅ誕生日祝い。
10…英ちゃんとコングとボーンズ。
11…ピザのちょこっとした続き。
12…A英。

2020.12.26 たまごのお粥pixiv投稿作品


眠れない英ちゃんの59丁目A英。

おやすみベイベー




「アッシュどうしよう、眠れないんだよ」
「眠れないなら眠らなきゃいーんじゃないか?」
「青天の霹靂だなそれ。いや、いま夜だから、夜空の……バイク音」
「何を言ってるんだ」
 いや日本語のことわざだよ、と答えながら身を起こす。隣のベッドでは先ほどシーツに包まったばかりのアッシュ、つまり深夜帰りの同居人が眠たげに横たわって僕を見ていた。その顔は、馬鹿なこと言ってないでさっさと寝ろよオニイチャン、俺眠いんだよ、と言っている。僕は華麗にその無言の提示を無視した。
「眠れるまでちょっとつき合ってよ」
 かなり酷なことを言っているという自覚がある。だって彼はさっきまで、外で心身を削るようなことをしてきたはずだ。
 それで帰ってきて先に休んでいる人間にそんなことを言われたら、もうとんでもなく嫌な気持ちになるだろう。「ごめん」何か言われる前に先んじて謝ると、眠たげな瞼を下ろしかけているアッシュがちょっと瞼を上げて、そして億劫そうな手もベッドから持ち上げた。
「おいで英二」
 お、と思う。
 掠れた低い声で、まるで宥めるように言われた。
 オニイチャン的立場が逆転した、と思った。逆転された。僕はその引っくり返った足場に立つのは初めてで、恐る恐るベッドから出て床に足を下ろす。おずおず彼のベッドへ近寄った。
「よしよし、もっとだ」
 とアッシュが言うので、彼が広げたシーツの中へ潜り込む。そこでようやく気づいた。この野郎、寝惚けてやがる。寝起きも悪ければ寝入りも悪いとは知らなかった。「おい、アッシュ……」こんなことして、きみ朝一で悲鳴上げる羽目になっても知らないぜ、言おうとした。
 アッシュは高い体温で僕を閉じ込めると、むりゃりむにゃり、口を開いて言った。
「じゃ、俺が眠るまで、背中叩いといてよ……
 ぎゅん。
 オニイチャン的立場がまた裏返って表になる音がする。
「し、仕方ないなー……
 まんざらでもない気持ちで、ぬくい背中を軽く叩きやる。ぽん、ぽん。……すう、すう。
「おやすみ二秒じゃないか……
 聞こえてきた寝息に愕然としつつも、手はそのまま睡眠導入剤として動かし続けた。とりあえず、僕が眠れるまで。

 翌朝は、もちろん、珍しく先に起きたアッシュの悲鳴で叩き起された。だから言ったのに!(言ってはいない)