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Hizuki
2018-04-22 23:04:57
30628文字
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FF14
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黒き竜の果て
【FF14】エス光。3.3~4.0のニーズニャンIF話。いつも以上に捏造設定山盛り仕様。本当に何でも許せる方向け。注意書きをご覧のうえでどうぞ。
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冒険者が姿を消した、という話は瞬く間にエオルゼア四国同盟に知れ渡った。
拠点内だけではなくその周囲まで捜索範囲を広げるも何一つ情報は見つからなかった。
「一体彼女はどこに
…
」
「彼女の身に何かが起きた、ということか?」
元々彼女は冒険者という立場。
光の加護を持ち、各地の蛮神と互角に渡り合ってきた存在。
そんな彼女の消息が掴めないということが私達の不安を煽る。
臨時の作戦卓に広げられた地図にはいくつも印が付けられている。
そこは既に調査を終えた場所の証。
「
…
みなさまにお伝えしなければならないことがあります」
リンクパールの着信を受け席を外していたカヌ・エ様が静かに告げた。
視線はそちらに集中する。
「黒衣森で彼女を見かけたという報告が入りました」
報告に場が沸いた。
「ですが
…
」
「何か問題が?」
「確かに彼女の姿だというのですが、違和感があるというのです」
人々の顔に疑問の色が浮かぶ。
「見かけた隊士の話によれば、生気が感じられないと
…
」
「どういうことだ
…
?」
疑問はますます深まるばかりだった。
消息不明の彼女と同時期に現れた彼女であって彼女でないもの。
それが繋がっていないとは思えなかった。
何も証拠がないとはいえ手がかりの一つには違いない。
「
…
何にしても情報が少なすぎます。準備を整えながら、彼女を探しましょう」
いや、こういう時だからこそしっかりしなければならない。
現状帝国側に目立った動きもない。
アラミゴ奪還のための準備を整え、彼女が戻ってきたらすぐにでも動き出せるように。
有益な情報が得られないまま、時間だけが過ぎていく。
彼女が転送魔法を使えることを考慮に入れ、ギラバニアだけではなく、エオルゼア各国まで捜査範囲を広げていた。
同盟軍の中にも焦りの色が見え始め、それは次第に伝播していく。
目の前には帝国からの奪還まであと一歩に迫った、アラミゴ王宮の姿。
帝国にさらわれてしまったクルルさんのことも気にかかる。
そんな時に一体彼女はどこに。
いや、こういう時こそしっかりしなくては。
口をついて出た溜め息を振り払うように頭を振った。
「
…
アルフィノ殿、少しいいだろうか」
「どうしました、アイメリク卿?」
突然自分の名を呼ばれて振り返ると、アイメリク卿の姿があった。
さっきの自分の様子を見られていたかもしれないということは思考の隅に追いやった。
「
…
何か新たな方法が見つかったといった情報はあるだろうか」
周囲を見回し、自分達以外に人気がないことを確認すると、私にそう問いかけた。
「エスティニアン殿の件で、ということですね?残念ながら私の方には何も
…
」
問いの主語を補って聞き返すと、アイメリク卿は静かに頷く。
彼女や私は竜詩戦争の終結から竜に宿った魂を人間の身体に戻す方法を探し続けていた。
皇都を襲撃したニーズヘッグを彼女が討ち取ったことで竜詩戦争は終結を迎えた。
しかし、邪竜と同化していた時間が長すぎたせいで、エスティニアン殿のエーテルとニーズヘッグのエーテルが混じり、人間の身体に戻ることは叶わなかった。
そして邪竜の影に引き寄せられ、竜の身に宿ることで命を繋いだのだった。
「ふむ
…
」
「何かあったのですか?」
新たな土地に行けば何かヒントでも見つかるかと現地の古文書を読んでみたり、地道に聞き込みをしたりしてみたものの、これといったものはない。
見つかっていれば当然情報共有をしている。
その話に触れてくるということは何かがあった、ということなのか。
「
…
エスティニアンの身体を持ち出した、と報告が来ている」
「何だって!?」
思わず声が大きくなる。
辛うじて竜の眼を引き剥がした元の身体だけは無事に戻った。
当時の取り決めで、エスティニアン殿の人間の身体はアイメリク卿の命でイシュガルドの管理下に置かれることになった。
そのことを知っているのはアイメリク卿や彼女、自分、そして暁と神殿騎士団のごく一部のみ。
「しかし、そのための手続きは彼女にしか
…
まさか!」
「彼女の協力者が彼女の手紙と共に例の書類を持って、神殿騎士団本部を訪ねてきたそうだ」
アイメリク卿の表情が緩む。
姿を消していたのはそのためだったのかと。
恐らく冒険者である彼女が一番その方法に近いだろうということ、また方法が見つかった時に彼女こそがその場に立ち会うべきという理由で、持ち出すための書類を彼女に託していた。
書類は万が一話を聞きつけた者が悪用しようとしてもできないようにするための保険だった。
「ということは
…
エスティニアン殿は
…
」
「この騒ぎで知らせる機会を逃していたのだが、2日ほど前に目覚めたそうだ。無事人間の身体に戻り、状態も安定していると」
「よかった
…
」
「今日一般病棟に移ったそうで、もう数日様子を見て問題がなければ退院できるとのことだ」
胸をほっと撫で下ろした。
またあの人に会えるのだということがただ嬉しい。
「ですが、神殿騎士団本部を訪れたのが彼女自身ではないというのが気になります。協力者というのは
…
」
「そこは心配ない。彼女のリテイナーだそうだ。アンドゥルーが確認している」
「そうでしたか」
リテイナーは冒険者達の荷物を預かる者。
更にアンドゥルー卿が確認しているというのなら、問題はない。
「何より、問題は一体どうやって彼を戻したのかということだ」
神殿騎士団の総長としての声音に戻った。
その疑問はもっともなこと。
「全てをさらいきれていないとはいえ、幻想図書館の禁書庫にもそれらしい方法はありませんでしたし、ヤンサやアジムステップでも何も
…
」
当たってきた情報を思い出してみるも、解決できそうなものは何もなかった。
烈士庵に滞在している時に見せてもらった古書にも、彼女経由で取り寄せてもらったアウラ族の古代書にも何も載っていなかった。
そんな中、ある一つの可能性に至り、勢いよく頭を上げた。
「
…
何か思い当たることでも?」
「
…
帝国の魔導技術!」
他に何かあるとすれば、もうこれしかない。
古代アラグの遺物の可能性もないとは言えない。
それよりも近くに拠点があり、解放軍の密偵もいる帝国の技術の方が何倍も現実的だ。
「帝国の?」
「ガレアン人は先天的に魔法の才を持ちません。その分魔導アーマーといった機械科学が発達しています」
「なるほど」
「もし、帝国側にそういった技術があるとすれば
…
きっと彼女はそれを使ったのでしょう」
彼女が言っていたことを思い出す。
『彼を助けられるのなら、手段は選ばない』と。
そして敵国の技術を得ようとするならば、相応の対価が必要になる。
「ということは、彼女は技術提供の交換条件として帝国に捕らえられている、と?」
「恐らく。蛮神を倒し、帝国の行く先々をも阻んできました。
…
こういっては何ですが、そんな彼女を研究したいと思う輩もいるでしょう」
「それならば、彼女がエスティニアンをアンドゥルー達に託して技術者らしき男とその場をすぐに去ったということにも納得がいく」
「手元に置いておけば憂いはない、か」
彼女が成してきたことは当然帝国側にも知れ渡っているはずだ。
技術提供で貴重な研究素材が手に入るのならと研究者が首を縦に振る可能性は十分にある。
「各国盟主とも話を共有しましょう。エスティニアン殿のことも」
「
…
そうだな。これはイシュガルドの問題だ。私から話そう」
もう隠しておけることではない。
アイメリク卿の同意を得て、翌日の会合で全てを話すことにした。
「つまり、彼女は竜に宿った蒼の竜騎士を助けるために、技術提供を求めて単身で帝国に乗り込んだ、と」
「その可能性が非常に高い、ということです」
メルウィブ提督が話をそうまとめた。
アイメリク卿から語られた戦争終結の裏側、親友と彼女のことを聞いた各国の盟主は各々何かを考えているようだった。
しばしの間沈黙が流れる。
「混乱を避けるためにと公表は避けていたことが、かえって混乱を招くことになってしまい、申し訳なく思っています」
乗り込んだのは彼女自身の意思で。
きっとそれは助けられるという見込みがあったから。
彼女の顔つきが変わったのは、アジムステップから戻ってきた頃だったか。
もうその時には心を決めていたのかもしれない。
誰にも迷惑をかけまいと単独で行ったのは分かっている。
けれど、せめて一言相談してくれてもよかったのにと思わずにはいられない。
「冒険者には何度も危機を救ってもらってきた!ならばその危機を我々が救わずしてどうする!」
「ええ、ラウバーン局長の仰る通りです」
「表に出せぬ事情などどこにでもある。アイメリク卿、気に病む必要はない」
そして我々の次の一手を宣言したのはラウバーン局長だった。
言に従うようにこの場にいる全員が頷く。
アラミゴの奪還まであと一歩。
そこを詰めるのに彼女の力が不可欠なことは誰もが理解している。
「
…
感謝します」
「捕らえられている場所に見当はついています。あとは
…
」
場が和らいだのも束の間、一斉に全員のリンクパールが着信を知らせた。
飛び込んできたのは耳を疑うような情報。
「彼女が蛮神の力を使っている
…
!?」
各地で、それも同時に。
ザナラーンにはイフリート、ラノシアにはタイタンやリヴァイアサンというように、各地で顕現した蛮神の力を振るっていると。
「何だって!?」
「あの偽者が蛮神の力を得たとでも
…
!?」
一瞬で動揺が走る。
目標は定まったというのに、ここに来て新たな問題が生じるとは予想していなかった。
蛮神を倒してきた彼女がその力に頼るなんてことはあり得ない。
消息を絶って以降見かけるようになった彼女の偽者に間違いないだろう。
蛮神の力を、ということはあの偽者は超える力を持ち、蛮神を制して力を得たということ。
「光の加護を持つ者を中心に冒険者ギルドの有志達が対処に向かっているとのことです
…
」
「超える力を持つクローンということか
…
」
放置しておいたら被害は恐ろしいことになる。
一体どうやって偽者を作り出しているというのかという問題もある。
思わず歯を食いしばった。
あともう少しだというのに。
「
…
まずはそちらの対処を優先しましょう」
全員が顔を見合わせて頷く。
とにかく今は目の前の問題に集中しなくては。
きっとそれが彼女を取り戻すことに繋がっていると信じて。
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