DRRV11037
2024-05-09 11:07:11
11486文字
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金を喰らう魔物

楸谷徹の過去を描いた短い話です。DRRV本編のネタバレはありませんので、お気軽にどうぞ。


僕が冷泉北に合格できていたら。

クロード学院の特待生だったら。

超高校級の学生に選ばれたなら。

父も母も喜んでくれたはず。

僕を褒めてくれたはずだ。

ああ、そうだ。

僕は、愛されるに足る能力がない。

努力すれば、愛が手に入るはずなのに。

それなのに、足りない……

手が届かない。



愛されるに足る力が欲しい。

全部、全部欲しい!僕は愛に飢えている。お腹が空いている!愛情なら何だって腹に流し込みたい。ちやほやされていい気になりたい。誰も僕を怒らない世界で生きたい。怖くないところに居たい。愛情に囲まれて安心して暮らしたい!





ぐら、と目眩を感じる。

皮膚がぞわぞわと粟立つ感覚。

冷たいまま、ぼこぼこ沸騰しているみたいな気持ち悪い感覚に内臓を侵される。

世界が現実感を失う。