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DRRV11037
2024-05-09 11:07:11
11486文字
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金を喰らう魔物
楸谷徹の過去を描いた短い話です。DRRV本編のネタバレはありませんので、お気軽にどうぞ。
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そうは問屋が下ろさなかった。
翌日、本当に翌日のことだった。
ベッドに潜り込んで惰眠を貪っていると、ママが自室に入ってくる音で目が覚めた。
僕はゆったり身を起こした。
そこで、ママが本を抱えていることに気付いて凍りついた。
せっかく綺麗に片付いた学習机に、新しい参考書がどっさり置かれる。やめてと叫びたくなるほどのゾッとするような量だ。
「今日からは大学受験ね」
だい、がく、
──知ってはいた。よく知っていたけど、考えたくなくて見ないようにしていた話だった。
「ママ、あずさちゃんにはこの大学行ってほしいの。」
ママがタイトルを指し示した分厚い本の赤色は、ぎらぎら病的に眩しかった。
「貴方の将来は弁護士よ。真面目なあずさちゃんならきっと向いてるわ」
弁護士、って何をする仕事だっけ。ママが言うなら僕は弁護士になるのだろうけど、もしかして試験が難しかったりするのか?
「南高の授業スピードに合わせてたら、Fランクの大学にしか行けなくなっちゃう。あずさちゃんは高校落ちちゃったんだから、早いうちから誰よりも努力しなきゃ。」
手際よく本棚に参考書が詰められていく。段々、高校受験のときと同じような最悪の光景に戻っていく。心臓がドクドク速くなって、僕は浅く荒い呼吸を繰り返していた。
「ママが良い塾を選んでおいたから。入塾テストは1週間後よ」
ママは突然、僕の両手を掴んだ。
「ねぇ。今日約束しようね。もう二度とパパとママを悲しませたりしませんって。パパとママのこと好きなら、次こそ合格できるよね。」
僕の両手はいつまでも小さく細く、ママの両手はいつまでも僕を包み込んで繋ぎ止めている。
「
……
それとも、嫌いなの?」
強く強く、呪うように握りしめられる。
「ねぇ。なんで何も言わないの。
…
また裏切るの?」
息が止まりそうなほど、冷たかった。僕は悲鳴のような声で誓った。
「そんなことは、絶対にしません!今まで駄目な子供で申し訳ございませんでした!次こそは、次こそは絶対、絶対
…
」
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