浅羽ネム
2024-01-28 21:21:37
12269文字
Public ウルトラマンブレーザー
 

禁じられた遊戯

ヒルマジュンに囁く声は神の導きかそれとも悪魔の誘惑か。
非公式ウルトラマンブレーザー二次創作小説「禁じられた遊戯」
父と子、ふたつの思いがぶつかり合う。
【要注意】ここに出るメフィラスはあの外星人とは別個体です。「二代目」なので結構格は低いです。あとマンダリン草に捏造設定あり。きっとタロウ世界のマンダリン草とはまた違う習性なんだよ!
なお19話と20話の間の時期、11月中旬の出来事として書いています。


「自由、私の苦手な言葉です!」
 メフィラスがエミに掴まれていない左手を振り上げる。
 その頃のSKaRD指揮所(通称CP)。ヤスノブとテルアキが驚きの声を上げた。
!?美多摩市の数十箇所で熱源が急上昇してる?」
「ここはゲント隊長たちがいる辺りじゃないのか?」
 喫茶店。目の前で店員が急にメフィラスの手を掴み出したことに驚いたジュンは、後ろからガラスが割れるような音と父親の声が聞こえたため振り向こうとした。しかし振り向くよりも早く地下から突然【何か】が飛び出し、先端の棘に脚を刺された。
「え
 たちまち気を失い、倒れ込むジュン。
「ジュン!!!!!」
完全に動きが戻った時にゲントが初めてできた行動は息子の名前を叫ぶことだった。動けないジュンの体に手を伸ばそうとするが、その【何か】がジュンを縛り上げ、メフィラスに渡してしまう。よく見るとその【何か】は緑色で、植物の蔓のような形をしている。
「やれやれ、どうやらこのゲームは私の負けのようですね。」
 左手でエミを突き飛ばしたメフィラスは右手でジュンを掴んで笑い出した。
「ターゲットを1人選んで相手の望みを叶えてあげると誘い出すと皆案外自分の星を差し出してくれるものなのですが【この生物】はそうはいかなかったようです。」
「生物って。」
不快と言いたげな表情をするエミに向かってメフィラスはさらに言葉を続ける。
「ゲームは負けですがそれはそれとしてこの星は頂きます。原生生物皆平等に【思考なき人形】になってもらい、私はその上位存在となるのです。」
「勝敗関係なく侵略はするつもりなの?何て卑怯な!」
 隠し持っていた電磁拳銃を構えるエミの前にメフィラスはぐったりしたジュンを突き出して笑う。
「ヒキョウ?あの苦味はとても美味しいものですがああそれはラッキョウでしたね。」
 メフィラスが左手を上げると地下から無数の蔓が飛び出してゲントとエミに襲い掛かる。そしてその蔓に繋がっている巨大な赤い物体が姿を現した。店はあっという間に崩れていく。
「美多摩市の喫茶店地下から巨大生物現出!アースガロンの出動を要請します!」
 店の外に停車していたモッピーから異変を確認したアンリの通信が飛ぶ。ゲントとエミが向かってくる蔓を撃っている間にメフィラスが異様な姿に変わっていき、寄り集まる蔓の向こう側へ消えていく。
「ゲント隊長!」
 エミが上司、いや息子を囚われた父親を気遣う中ゲントは無言のままなおも蔓に向かって発砲を続けている。