『庭が荒れているようなので』
と午後の歓談の席からヒュンケルは出て行った。
昨日までにピカピカに磨き上げ掃き清めてあったのにという師
―――第二の養父の嘆きに、『御近所にチェストナットの林があったでしょう、枯葉が冬じゅう無尽蔵に飛んでくるんだ』でもあそこまで戦火が来なかったのはいいことかもしれない、そう返して。
「まだあの人のおしゃべりのいなし方を思い出せていないというか」
いや多分あの頃も、いなせなくなると森での一人での鍛錬などと称して逃げ出していたんだな
彼を追うべく大勇者を一人置いてきぼりにした非情な半魔も庭に出て来てみれば、青年は箒を手に、冬の整いつつもうす赤く白い枯れた庭に立つ。なんだ来てしまったのか、そう本気で残念そうな言葉で半魔を迎えて。
「嫌いなんじゃない蟠りのせいでも、だがヒトの声自体聞いているのが堪らなくなることがある」
つまりオレもか、外しておいてやろうか?
いや、いい、お前には先生避けになってもらおう
実のところあの人が割烹着と三角巾装備で追いかけて来る可能性を恐れていたんだ
ふん
鼻で笑ったのか、そんな声を一つ返してラーハルトは掃除道具を取りに行った
*
「おやここに生えてたバランがすっかりやられたな、鹿にでも食われたか」
「
……」
「バランはユリ科植物ですからねえ」
「「!!」」
あきらめぬ 思い 勇気
●「掃除」
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