キューピッド、アモール、プットにスケドーニ
自我が明確になり這いずることをやめて、「にんげんのこ」との認識と呼び方が行き渡る前には、そんな呼び方が地底では用いられもした。彼の「父」はそう言ったのだという。そういう種族の、いまだとてもやわらかくあやうい幼獣か幼虫として、存在を認められていたのだと。
「それに『魔王様』の支配下では生物の食物連鎖が断ち切られて各種の魔物がひしめいていたから、弱い者は隣人が巣穴に鼻を突っ込んで食ってしまうという『当たり前』が発生しなかったらしい
父バルトスが一度抱き上げた赤ん坊をそのまま自分たちの塒に連れて帰ったのは、「人間」としての記憶を微かに持っていて、そこに残せば高い確率で死ぬおれが生き延びる唯一の選択肢で、「裏技」と理解した上でのことだったと。
クピードー、エロース、天使の「幼体」
この辺りでは見ないから、さしずめ天界から降って来た魔物、そんな風な勘違いを仲間たちがしてひっきりなしに覗きに来ることもあったという。
ただのガラス片のはずが天然ガラスかつまりは隕石かと
そのどこも白く銀色の赤ん坊の瞳が、モルダバイトのいろをしていたので
ならば長じれば武器を持つことも覚えやもしれんと魔王様は笑ったそうだ。
そう聞き半魔はふんと天井を仰ぎ、苦々しい顔をしたつもりらしいところから耐え切れなくなったように笑う
なるほど、はだか同然の癖に人を死ぬような目に遭わせるやつにはなったものだ と。
●『キューピッド』
書いといてなんですが、ヒュンは紫目がイイナア派です
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