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オンパロス男性組 プランツ・ドールパロ
・オンパロス男性黄金裔3人(アナイクスメイン)
・マルチエンディング式夢小説
・ネームレス主人公
・全5ルート
・メリバ要素多め
・なんでも許せる人向け
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わたしの手を誰かが優しく掴んでいた。寝惚けていたわたしは綺麗な金色の髪と瞳が流れ星のように煌めいて見えたが、すぐにそれは
観用少年
プランツ・ドール
のものだと気が付いた。
「
…
どうしたの?夜が怖くなっちゃった?」
此方をじっと見つめる目は、普段の彼からは想像ができない程、不安そうに揺れていた。
少年
プランツ
といえど、幼い子供と同じように夜の暗さに怯えることもあるのかもしれない。わたしは上半身を起こして彼を抱き上げ、自分のベッドへと寝かせた。
「実はわたしもちょっと寂しかったんだ。今日は一緒に寝ちゃおっか」
わたしが笑うと、彼も応えるように口角を少し上げた。人肌の温もりを感じながら目蓋を閉じ、夢の中へと誘われた。
□□□□□□
誰かがわたしの頬を撫でている気がする。でもその触れ方はなんだかこそばゆくて、でも何故だか悲しみも含んだような、不思議な感覚だった。ゆっくりと目を開けると、ぼんやりとした輪郭が見え、何度か瞬きをすると知らない男性の顔がはっきりと見えた。男性は目を開いて暫くわたしの顔を見つめていた。
「
……
だ、れ"
……
?」
今度はわたしが目を見開いた。自分の声だと思えないほど掠れていた。話そうとすると喉に棘が刺さるように痛みが襲ってきて、喉を押さえて咳き込む。男性は慣れた手付きでコップにミネラルウォーターを注ぎ、差し出してきた。それを受け取り、一気に喉に流し込む。
「あまり無理をするな。起きれるか?」
男性はわたしを介抱しながら起きるのを手伝ってくれた。しかし身体さえ自分のものではないような、まるで岩のように重くて怠い。
「久しく起き上がれていなかったんだ。辛いなら無理に動かなくていい」
この人は誰?なんでわたしの身体はこんな状態なの?昨日まで普通に生活していたのに
…
頭の中が混乱している。わたしの表情で察したのか、彼はわたしに問いかける。
「
…
まさか、記憶がないのか?」
自分の名前や今日の日付が分かるか聞かれたので、まだ喉の痛みがあるが、それぞれ答えた。名前は答えられたが、わたしの答えた日付を聞いて彼は眉を潜めた。
「その日付は3年前になるが
…
?」
「
…………
え?」
□□□□□□
彼の話を聞き、困惑していた頭の中が更に真っ白になった。わたしの記憶は、金髪の
少年
プランツ
と寄り添って眠ったところまでだが、それは3年前のことであるという。そしてその金髪の
少年
プランツ
は、わたしの目の前にいる、この体格のいい男性こそがその人形本人だと述べた。そして何よりも心を痛めたのが、わたしを選んでくれた
少年
プランツ
と白髪の
少年
プランツ
が、とある理由で枯れてしまっていたことだ。彼にその理由を聞いても「言えない」の一点張りで、何もわからないまま話は打ち切られてしまった。そして、わたしのこの身体の不調も、大切な
観用少年
プランツ・ドール
達が枯れてしまったことによる心労とストレスによるもので、廃人のような状態だったわたしの面倒を彼が見てくれていたそうだ。わたしがこうして自分の意思で話して動くことが久し振りだということは、先程の喉の痛みと身体の怠さからよく理解できた。
「本当にこの数年のことは覚えていないんだな?」
こくりと頷いた。精神的ショックによる記憶障害なのかもしれない。衝撃的な情報の暴力と、一緒に暮らしていた2人の
観用少年
プランツ・ドール
の結末を思うと涙が溢れてくる。止まらないそれに気付いた彼が、わたしの背中を撫でてあやす。体格に似合わず、その手付きはとても優しく温かい。わたしが落ち着いて泣き止むまで、彼はずっとわたしに寄り添っていた。記憶がない3年間、こうしてわたしの感情が乱れる度に傍にいてくれたのだろう。暫くの間、止まらない涙を拭い続けた。
「腹は空いてるか?」
少し気持ちが落ち着いてきた頃、彼が顔を覗いてきた。正直あまり食欲はない。だが自分の身体の病的な細さを見て、1口でも何かを食べるべきだと思った。そのままの気持ちを彼に伝えると、安心したかのように微笑み「少し待っていろ」と言い残し、キッチンへと向かっていった。改めて部屋を見るが、彼が常に掃除をしてくれていたのだろう。床や家具には塵1つ残ってないが、わたしの記憶にある配置が少し変わっている。何故2人は枯れてしまったのか、何故彼は成長した姿なのか
…
疑問がいろいろ残るが、彼が話す気がない限り、答えはわからないままだろう。考えているとキッチンの方からいい匂いが漂ってきた。暫くすると、トレイを持った彼が戻ってきた。そのトレイの上には卵雑炊が置かれている。
「食べられる分だけ食べればいい」
「これ、君が作ったの?」
「ああ」
驚いた。わたしが料理をしているのを見てるだけだった
観用少年
プランツ・ドール
が自ら料理をすることに。見た目も綺麗で、匂いも食欲をそそられる。わたしにトレイを渡してくれるのを待っていたが、彼はベッドの近くに座り、雑炊を小皿に分けて、レンゲで掬い息を吹きかけて冷ましてから、わたしの口元へ持ってきた。
「
…
ひ、1人で食べられるよ
…
?」
「
……
以前もそう言って皿をひっくり返していたが?」
彼が眉を寄せたのを見て、わたしは何も言えなくなってしまった。大人しく差し出されたレンゲを口に含む。丁度食べやすい温度になった雑炊は味もわたし好みに作られていた。
「美味しい」
「
……
そうか」
3年前はわたしが作ったミルクを飲んでいた彼が、今はわたしに料理を振る舞ってくれている。不思議な感覚だったが、誰かの手料理を食べたのは本当に久し振りのことで、身体の奥底が温かくなり、また感情が溢れ出そうになりながらも彼が差し出すレンゲを口に含み続けた。
□□□□□□
ふと気付くと、わたしの周りには大切な家族の
観用少年
プランツ・ドール
達がいた。皆、わたしに微笑みかけるが、その顔は見ている此方の心が痛むような、悲哀を帯びたそんな笑みだ。そしてわたしの元から青緑の髪と白髪の
観用少年
プランツ・ドール
が手を繋ぎあって離れていく。追いかけようとするが足が鉛のように重くて前に進めない。待って、どこに行くの、離れないで、様々な言葉を叫んでも2人はわたしの元へ戻ろうとしない。何度も叫んだ。何度も何度も、何度も何度も何度も何度も。
「行かないでッ!!」
自分の叫び声で目が覚めた。目の前に見慣れた天井が見えて、段々と冷静になる。ああ、なんだ夢かと思うが、身体は震えて涙が目から伝っている。うまく動かない身体に鞭を打ち、なんとか起き上がる。わたしのベッドの横の床で寝ていたはずの彼がいなくなっていた。辺りを見回すとベランダに続く窓が開いていて、カーテンが夜風に靡いている。転ばないようベッドから降り窓へ向かうと、確かに彼はベランダにいた。わたしに気付いたのか彼が此方を振り返った。月明かりに照らされた彼の髪が流れ星のように煌めいていて、そして彼の黄金の瞳もわたしと同じように涙が滲んでいるように見えた。
「どうした。眠れないのか」
潤んだ目を隠すように彼は月を見上げた。大きい背中は何かを1人で背負い込んでいるように弱々しく、わたしはもう一度彼に問いかけた。
「ねぇ、やっぱりわたしはあの子達が枯れた理由が知りたい。それに1人で抱え込んでるでしょ。わたし達、2人しかいない家族だから、隠し事とかしてほしくないよ」
亡くなった母がそうだったように。唯一の家族であったわたしには弱音も泣き言も言わずに逝ってしまったことがとても悲しかった。母の優しさが、未だにわたしの心の重りとなって残っている。だからこそ家族として一緒に暮らしてきた彼に話してほしかった。彼は月を見たまま動かない。彼の返答があるまでわたしも同じ月を見た。彼が何に悩んで、何を恐れて、わたしに打ち明けられないのか、それが整理できるまで待っていた。そして彼は覚悟を決めたように此方を振り返った。
□□□□□□
わたしは彼の話を遮らず、聞いていた。わたしの記憶がない3年の間に起こったことを包み隠さずに全て話してくれた。ある時、愛されるだけの存在である
観用少年
プランツ・ドール
だった彼の中で小さな欲求が芽生えた。それはわたしと同じ食事をしてみたいというもので、わたしが料理をしていると、よく覗きに来ていたことを思い出して納得した。それからわたしが仕事で居ない時や、2人の
少年
プランツ
の目を盗んでは冷蔵庫にある料理や調味料を少しずつ食べていたという。彼の中の欲求は満たされていたが、それは彼の身体を変質させるには十分で、気付けば身体は成長し、
大人
へと変質していた。わたしの愛情だけでなく、一緒に暮らしてきた
少年
プランツ
との交流も愛情の糧にしていた彼等は、1人の成長にショックを受け、2人はそのまま枯れてしまったのだ。家族のように暮らしてきた2人を失ったわたしの精神的ダメージも大きく、塞ぎ込むようになり日常生活を送ることもままならなくなっていたが、彼がずっとわたしを介抱してくれていたそうだ。
「
…
それが俺の知る全てだ」
「
……
ううん、まだ言えてないことがあるよね?」
彼の顔を見る。目を伏せたまま浮かない横顔は、まだ彼が何かを隠しているように見えた。暫く沈黙が続いたが、諦めたのは彼の方だった。
「
……
俺に、失望したか?」
何故彼がそんなことを言ったのか、少し考えて理解できた。彼は責任を感じているのだ。ほんの小さな欲求が、わたしたちの関係の全てを壊してしまうと彼は思っていなかった。全ての原因は自分にあると思い、わたしに真実を話すのを躊躇していたのだ。なんだか目の前にいる大柄な彼が、怯える子猫のように見えてたまらなくなってしまい、わたしは彼を抱き締めた。
「ううん、全然。君ってとっても優しい子だったんだね。大丈夫、何があってもわたしは君を見捨てたりしないよ。だから隠し事はもうしないで。わたしも君には隠し事はしないから」
わたしの言葉を聞いて彼の強張っていた身体から力が抜けた。自分が原因で兄弟のように共に過ごした
観用少年
プランツ・ドール
を枯らすことになり、更にわたしの精神も壊してしまったのだ。彼は終わりのない後悔とずっと戦っていたのだろう。彼はわたしにゆっくりと腕を回し、肩に顔を埋めた。たぶんわたしも彼も、お互いがいないともう生きていけない精神状態なのだ。これは芳しくない関係なのもわかっている。でも、そうでなければわたし達は壊れてしまう、だからこの関係を続けていくしかない。彼の中の後悔が、いつ晴れるのかはわからない。それでもわたしは、彼と残された2人きりの家族として生きていきたいと彼を強く抱き締め返した。
相互依存END
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