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オンパロス男性組 プランツ・ドールパロ

・オンパロス男性黄金裔3人(アナイクスメイン)
・マルチエンディング式夢小説
・ネームレス主人公
・全5ルート
・メリバ要素多め
・なんでも許せる人向け



初めて彼と迎えた夜のように、此方を覗く彼と目が合った。2人で過ごしていた時は常にわたしのベッドで寝ていた彼だが、2人の観用少年プランツ・ドールが来てから、わたしに甘えて来なくなってしまった。少し寂しさもあったが、自分を兄と認識しているのか、2人に遠慮していることが多くなっていた彼が久々に自ら甘えに来たのだ。わたしは嬉しくて彼をベッドへ受け入れた。

「ふふっ。こうやって2人で眠るのは久し振りだね」

もぞもぞと定位置を決めていた彼がわたしを見て少し微笑む。それを見てわたしも彼に微笑み返した。

「おやすみ。また明日、たくさんお話しようね」

そう言ってわたしも彼も夢の中へと落ちていった。



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「それじゃあ行ってくるね!今日は早めに帰って来れると思うから、お留守番よろしくね」

玄関でわたしを見送る3人の少年プランツたちに声をかける。3人に見送られながら手を振ってドアを閉め、鍵をかける。そうしてわたしは最寄り駅を目指して歩く。通勤や通学時間帯のため、それなりの人達とすれ違いながら、見慣れた通勤ルートを歩いていく。目の前の信号が青になり、横断歩道を渡り始めると、わたしの横を小学生の男の子が並んで歩き始めた。そう、歩行者信号は青のはずだった。わたしと横を歩く小学生の元へ、車がスピードを落とさずに向かって来た。その車を認識して、わたしは咄嗟に横にいた小学生を突き飛ばしていた。何故だかは分からなかったが、この子を守らなければと脳が判断していた。それからわたしの身体は、強い衝撃と耳に響く悲鳴を聞いて全てがシャットダウンした。





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あれ、ここはどこ……?」

気付くと大きな川の畔に倒れていた。周りは霧に包まれていて誰もいない。ここに来るまでの記憶も曖昧で、思い出そうとすると頭痛がして何も思い出せそうにない。しかし目の前に流れるこの川を渡らなければならないと強く思ってしまう。近くに橋がないか見回すが、それらしいものはない。川の水深は浅いようでそのまま歩いて渡れないこともなく、それに川の向こうから懐かしい声がする。様々な声が混ざり合ってわたしの心をかき乱してくる。靴が濡れてしまうが、川へ1歩踏み出した。水飛沫が上がり靴と靴下が水を含んで重く感じる。しかし不思議と不快感はなく、1歩また1歩とわたしは川の中を歩いていく。もう少しで向こう岸へたどり着きそう、そう思った時、わたしの右手を誰かが掴んだ。

いけませんよ。そちらへ向かっては」

振り向くと青緑の髪色で左目が眼帯で隠された青年がわたしの手を掴んでいた。そしてそのまま元いた岸まで手を引いて連れ戻されてしまった。でも、わたしは彼を知っている気がする考えようとすると頭痛がわたしの思考を阻む。痛みに唸るわたしを見て、彼は一瞬だけ悲しげな視線を向けた気がしたが、すぐに無愛想な表情に戻ってしまった。

「いいですか、私の話を遮らずに聞いてください。貴女はここにいてはいけない人です。この道を真っ直ぐ、何か聞こえても、何が見えても、振り向かずに歩いてください。その道の果てで何があっても悲しまなくて良いのです。分かりましたね?以上、これにて終了、早く行ってください」

彼の言っている意味が分からない。しかし彼が指差す先には確かに道があって、霧が掛かっているが、果てしなく続いているようだ。わたしは彼を見た。知り合いなのかもしれないが、わたしは彼を全く思い出せない。でも何か彼に伝えないと絶対に後悔するという漠然とした思いがある。頭痛で思考がぐちゃぐちゃだが、わたしは無意識に口を開いていた。

「わたし、あなたのこと誰だか分からないの。でもあなたのことがとっても大切で大好きな気持ちでいっぱいで……。ごめんなさい、初対面なのに変なこと言って。でもあなたに伝えなきゃいけないことがある気がしてでも言葉がまとまらなくて

冷たくわたしを突き放すように話していた彼は、律儀にわたしの言葉を待ってくれている。でもやはりその右目は悲しみを帯びている気がしてしまう。

「そうわたし、あなたに出逢えてよかったと思ったんだ。ありがとうって、嬉しかったんだって、……っ!!」

結局最後まで何を伝えたいのか、言葉がまとまらなかった。でも彼はわたしの言葉の途中で、わたしを抱き締めてきた。華奢な身体だと思っていたが、その身体からは想像できないほど強く抱き締められた。

……ええ、言葉はもう不要です。分かっています。それだけで十分です。……さぁ、行ってください」

身体を離すと彼はわたしの背中を押した。ああ、もう振り返ってはいけない。どうしようもなく悲しさが溢れ出す。でもわたしは彼が示してくれたこの道をひたすらに進むしかできなかった。





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行きましたか」

男は彼女の姿が見えなくなるまで見つめていた。そう、これで良かったのだ。優しい彼女を守るためならこの結末も悪くないと判断した。

「先程から煩わしいですね。道連れにしたいなら彼女の魂でなくても良いのでは?」

向こう岸に声をかける。そこには何もない。

「人間と同等の魂になるには、私の未熟な魂だけでは足りませんでしたからね。2人も喜んで協力してくれました、彼女を助けるためならと。これは私達3人から、真摯に愛情を注いでくれた貴女への祝福です。……どうか、健やかに」

男は彼女の進んだ道にもう一度だけ顔を向け、対岸へと踏み出した。





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目覚めるとわたしはたくさんの管や機械に繋がれていた。頭はぼんやりとしているし、身体中が痛くて動けない。意識がはっきりしてきたのは目覚めてから数日後のことだった。わたしは事故に遭い、意識不明で病院に運び込まれ、生死の境を彷徨っていたそうだ。その時に頭を強く打ったのか、一時的な記憶喪失のような状態であると説明をされた。確かに何か大切なものを忘れているようなでもそれが何か、思い出せない。リハビリをしているときも、食事や自由な時間がある時も、自分の記憶に靄がかかっているかのようで、過去の記憶を思い出せずに日々を過ごしていた。
日々のリハビリを頑張った甲斐もあり、想定よりも早めに退院ができるまでに身体機能も回復していた。ずっとお世話になった病院の自動ドアを通り外に出ると、わたしの顔を見て見知らぬ親子が駆け寄ってきた。小学校低学年ほどの男の子と、その母親と思われる人物はわたしの名前を聞き、涙を浮かべた。

「あの事故のとき、貴女がこの子を庇ってくださったんです。ずっとお礼をしたかったのですが、親族でもない赤の他人が面会をするのはご迷惑と思い。ですが、やっとお礼が言えます。本当にありがとうございました!」

母親は深々と頭を下げた。事故に遭う前のわたしは、どうしてこの子を庇ったのだろうか。わたしが見つめていることに気付き、男の子は母親の足の後ろに隠れていたが、母親の隣に並んではにかむように微笑んで小さな声でお礼を言ってきた。そう、わたしはこの子と彼が似ていると思った。この男の子の背丈が彼と同じくらいで───彼って、誰
その時、風が木の葉を揺らすように、わたしの頭の中の記憶がひとつひとつ、音を立てた。わたしはそのまま駆け出した。家にいるあの子達のことを何故忘れてしまっていたのか。夢の中で会った青年の姿が、何故彼に似ていたのか。彼の言葉の意味が全て分かるわけではない。だが、嫌な予感がずっと胸に燻っている。息を切らし、帰り慣れたアパートのドアの鍵を急いで開け、中を見てわたしは立ち尽くした。3人はわたしの帰りを待ってくれていた。枯れているわけではない、ただ、彼等の中にあったはずのものがなくなって『本物の人形』になってしまっていた。わたしは彼等の前で膝から崩れ落ちた。

「これが君の言っていた道の果て?悲しまなくていいってわたしの幸せは、君達がいなきゃ意味がなかったのにッ!」

わたしは幸せそうに微笑んで動かなくなった彼等を力無く抱き締めた。

命をあげるEND