「ミルクは1日3回、温めて飲ませる
…本当に食事はこれだけでいいんだ。
少年って不思議
…」
アパートに帰ってきて、お店から買ってきたものを開封する。あの時のことはあまり覚えていないけど、契約書の写しや領収書を見て金額に絶句した。しかしよく見ると、どうやらあの店主の少女はオマケをしてくれたみたいで、かなりの額が値引きされていた。しかし、毎回あの価格で買っていたらわたしの生活が破綻してしまう
…。次回もミルクを買うときは価格交渉をしようと心に決めつつ、この子のためにミルクを作り始める。作り方は簡単だったので、あっという間に飲みやすい温度のミルクが完成した。来客用のカップにミルクを注ぎ、彼の前に差し出す。
「初めて作ったから味は自信ないんだけど、飲んでくれるかな
…」
わたしの言葉を聞いてから、彼は目の前のカップに視線を戻した。くんくんと匂いを嗅いで、その小さな手でカップを持ち、ちろりとミルクを舐めた。彼の目が輝き、カップを傾けてこくこくと小さな音をたてながらミルクを全て飲み干した。そして、わたしの方に顔を向けて、小さく、本当に小さくだったが、にこりと微笑みかけて来た。そのギャップにわたしは再び心奪われてしまった。
「っか、可愛い~!!」
先程まで心配していた金額のことなど全て吹き飛んでしまう程、それはわたしの心を満たした。この子が微笑みかけてくれるなら、わたしはどんなに辛くても頑張れると思った。
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