ちこまる
2025-10-01 17:09:48
25205文字
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【げむ譲 零獄利き小説】





【テーマ】二日酔い/ドライブ


「珍しいね、二日酔いだなんて」
「昼に汗かいたのに水飲むの忘れとった」
「あらら。可哀想に」

そこまで大きな声で話しているわけでもいないのに、枕に顔を埋める獄の頭はどくどくと鼓動が響くと同時に割れるように疼き起き上がることもできない。
少し早起きして海沿いまで出かけようという約束も果たせそうになく、痛みと申し訳無さで顔を歪める獄に零はストローを挿したコップを差し出す。

「経口補水液作ったから飲んどきな。レモンは入ってないからさ」
「あぁ、ありがとう」

塩味が強いはずのそれは軽い脱水症状にある今の獄には甘く感じられ、飲みにくさもなくすぐに飲み干した。それだけで頭痛が緩和するわけではないが体から失われた水分を取り戻したことで幾分か気分は好転する。

「もうちょっとしたらコーヒー淹れるよ。カフェイン摂ってさっさと悪いモン出しちまおうぜ」
「おう。……悪い、出かけようって言ったのに」
「ん?ぜ〜んぜん気にしなくていいぜ。ドライブはいつでもできるからな」

痛みを与えないようにゆっくりと額に貼り付いた前髪を掻き分けると獄の目元を覆い隠すと暗い視界と零の手の温かさに再び眠気が訪れる。

「昼頃には、ましになると思うから。そしたら夜にでも出かけるぞ」
「一日お家デートでもいいよ」
「久々に、あんたの車の助手席に座ってやる、から……
「お、それは魅力的だなぁ」

わかったよ、と見えはしないが零の声色から好感触であることを読み取った獄は安心して二度寝へと落ちていった。

獄の額から手を離すのが惜しく、そのまま『ナゴヤ ドライブデート 夜』と調べる零の体が無理な体勢により痺れ出すまでは、きっと後数分だ。