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ちこまる
2025-10-01 17:09:48
25205文字
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【げむ譲 零獄利き小説】
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【テーマ:10月18日/二日酔い】
10/18 二日酔い
十月十八日、土曜日。弁護士の仕事は概ねカレンダー通りであり、今日は休みだ。だが、俺のスマホは仕事があろうが無かろうが、毎朝決まった時刻にアラームが鳴るようにセットしてある。
普段なら枕元で充電しているはずの携帯端末は、脱ぎ散らかした服のポケットに入れっぱなしだったのか、手を伸ばしても届かない遠くの床で電子音を繰り返していた。
仕方無くベッドから抜け出し、フローリングの床に散らばった服を拾い集めながらスマホのアラームをようやく止めた時、背後のベッドで気の抜けた大欠伸が聞こえた。
「ふあぁ、休みの日だっていうのに随分早起きだなぁ。センセ」
好き勝手な方向へ跳ねた癖のある黒髪を掻きながら半身を起こした大柄な男
……
零さんの肩にくっきりと浮かび上がった蚯蚓脹れを見付けて、思わず顔を顰める。それは昨夜、俺自身が残した爪痕に他ならない。
酔っていたとは言え、久々の逢瀬に少々
……
かなり
……
羽目を外し過ぎた。あられもない嬌声を上げて、はしたない言葉で懇願して、自分に覆い被さった分厚い体に必死でしがみついた記憶がある。
俺は酔っても記憶は無くさないタイプだが、いっそ全部忘れちまった方がマシだと思った。
「れ、さん゛
……
んンッ」
名前を呼ぼうと発した声が酷く掠れていた事に驚く。そりゃそうか、昨夜あれだけ泣き喚いたんだから。
『もうイキたくない』
『止まってくれ、零さん』
『これ以上は無理だ、頼む、許して』
プライドをかなぐり捨てて何度も懇願したのに、制止の願いは聞き入れて貰えず、それどころか
『センセイは天邪鬼だからなァ。イキたくないって事は、もむとイかせてくれって事だろ?』
『へばるにはまだ早ぇんじゃねぇか?ほら、がんばれ♡がんばれ♡』
『わりぃな、おいちゃん歳のせいかちぃっとばかし遅漏気味でよ。もう少し付き合ってくれや』
なんて笑いながら行為を続行された。そのニヤケ面を思い出し、声が掠れてるのも構わず罵る言葉を浴びせ続けた。
「クソッ!好き放題ヤりやがって、このたぁけ!」
「おいおい、朝から元気だなぁ。おいちゃん、二日酔いだからよぉ。あんまり大っきい声で喋られると辛いぜ」
「ザル通り越して底なし沼なアンタが二日酔いなんかなるかよ!」
「いてて、頭に響くなァ〜。お喋りしてぇならもうちっと側に来て、小せぇ声で頼むわ」
「ちっ
……
」
二日酔いなんて絶対に嘘だと分かってたのに、頭を抱えて苦笑いを浮かべる詐欺師にまんまと騙された俺は、ベッドに戻って片膝で乗り上げた。まだまだ文句を言いたい事が沢山あったからだ。
服を着てないから胸倉を掴む訳にもいかず、零さんの肩に手を置く。近くで見たら、肩だけじゃなくて二の腕や背中にも爪痕が残っていた。
「零さ
……
んむっ!?」
お望み通り耳元に顔を寄せて、至近距離で文句を言う為に口を開いた。だが、声帯を震わせる直前に言葉の出口は塞がれ、罵る声は零さんの口に飲み込まれてしまった。
「ちょ、おい
……
んぅッ
……
、
……
このっ、バカッ!」
「へへっ、文句を言う口は塞いじまおうなァ」
「阿呆ッ
……
はっ、
……
舌、入れんじゃねぇ
……
んン゛ーッ!」
体がデカイと舌も比例してデカくなるらしい。無遠慮に捩じ込まれた長い舌に口腔内を蹂躙され、詰る言葉は唾液と共に飲み込まされた。
熾火が再び火種となって燃え上がるように、昨夜の余韻が燻ってたカラダはあっという間に熱を上げて、執拗な口付けが終わる頃には薄ら汗ばむ程だった。
いわゆる腰砕けの状態で、易々とベッドに引きずり込まれ
……
「せっかくの休日なんだ、有意義に過ごそうぜ?セーンセ♡」
気付いた時には俺の体はベッドに仰向けに押し倒されていて、尖った犬歯を覗かせて笑う零さんを見上げていた。
終
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