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ちこまる
2025-10-01 17:09:48
25205文字
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【げむ譲 零獄利き小説】
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【テーマ】ドライブ
珍しいこともあるもんだ。
最近できた話題の本格的コーヒー専門店の予約争いに敗れ、第二候補にしていた男同士でも入りやすい大人カフェのサイトに飛ぶと予約は締め切りましたの文字。
こうなりゃいつもの予約なしで入れる会員限定バーに、と思ったがピンポイントで休業日だったらしい。
こんなポンコツな零さんは初めて見た。いつもが出来過ぎているからこういうところを見るとこの人も人間なんだなと当たり前のことを実感する。
無事完敗を収めた零さんはしょぼくれていたが、急にがばっと顔を上げて悔しすぎて凛々しくなった顔を見せつけてきた。
「先生!ドライブ行こう!ドライブ!」
「ガキみてぇな癇癪起こすなよ
…
」
「だってぇ」
「かわいくねぇ」
「折角久しぶりに被ったオフなんだぜ〜?どっか行きたいじゃん」
さっきまで凛々しかった顔はどこへいったのやら。唇を尖らせて拗ねる表情はまるで子供だ。
よく動く表情筋は見ていて飽きない。
いつだか十四が言っていた「かわいそうかわいい」とは、きっとこのことを言うのだろう。
たしかに、部屋に閉じこもってるにはもったいない晴天だ。たまにはドライブも悪くない。
ソファーから立ち上がりクローゼットから今日の気分でライダースを取り出す。
「先生
…
?」
「行くんだろ。ドライブ」
わかりやすく明るい表情になるから思わず笑ってしまった。
「ただし、あんたが運転な」
「お安い御用だ。そんじゃ、おいちゃんのとっておきドライブコースを案内しようかね」
ご機嫌なエンジン音を鳴らして走る車は、俺を知らない世界へと案内するのだった。
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