akinoshiroihana
2025-08-15 22:30:10
11438文字
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名刺置き場12




柴崎お爺ちゃんを流しながら打ったらまったりしすぎて火力が足りなかった




早乙女邸の前のいつものくさはらで、彼が座って風に身を任せていたもので
「はやと」
気持ち良さそうだな、と竜馬もその傍らに腰を下ろす
「そう見えたかい」
言った隼人は膝を抱えているのかと思いきや、そこに子兎を一羽抱いている。ふふ、と覚えず笑った竜馬は、どこにまず手を伸ばして撫でようかと楽しくも真面目に苦しんだのだか
「弁景のハヤブサがよ、」
怪我を手当てして山に返したのがな、午前中姿を見せてやっこさんを喜ばせてたと思ったら、

「弁慶が目を光らせつつ日光浴させてた新入りの兎をつかんで飛んでいっちまって」
こらやめろだめだ返せだめだ殺すなやめろ、その叫びは青い空に吸い込まれてしまったという
自分と同じだとか仲間だなんて思えってのが無理な話さっていうのはいわなかったよ、との隼人の頭を竜馬は迷わず撫でた。
「でももう一度俺達が気を取り直して表に出てきたとき」
隼は戻ってきて庭先で子兎の内蔵を啄んでいたのだという。ここも自分の家だと思っているから。そう教えたものがいたから。
「それで弁慶は」
「怖い顔して鳥を追っ払って、兎の墓を作りに行ったよ、おれは家からまた出てきたこいつをここでお守りしてる」
隼と自分自身に腹を立てた弁慶に「隼」人は。

首がなくなり深緑の内蔵がころんと落ちて、ほかはぺらぺらの毛皮になっていたのは長い耳だけ黒い、赤目のきれいな白兎だったという、
「お前さんは生きてやりなよ」
びすびすと動く鼻先に隼人がいとも簡単に唇を寄せてやるので、竜馬は連れ合いを失ったばかりだかその悲しみは伝わらない愛らしい黒目で茶色の毛玉に、何とも悔しそうにも残念そうな顔になった。


「ムツゴロウ王国はどうするんだろうなこういう状況」
「ん?」
「北海道に動物の王国を作ったらしい作家。おやじ―――父さんがこっそり読む麻雀雑誌に出てた」
「へえ。武蔵だったら何か知ってたかな」
「どうだろうな」
兎がきゅっと鳴くのか、音を立てるのか
……なあ」
「うん」
「本気で怒ってる奴にばつの悪い思いをするの、久しぶりだった」
「え」

この山の麓の暮らしと、気持ちどころか心があるのかもわからねえ蛇トカゲの相手でも、
忘れてたんだこういう気持ち
何やら腹の底がひゅっとするようなことを言われた気がするのに、
一等いい位置では茶色い兎が目を細め隼人の鼻先をもぐもぐするだけ

8/21 バニーの日