河童の皿箱
2025-04-02 09:15:59
11966文字
Public 旧作
 

赤気

娑楽斎とランブラのお話。



「よかったああああああぁぁぁぁぁぁ……

「なあ? そんな心配せんでも良かったじゃろ?」

「見るなのタブーっていうだろ綺麗な人だし、微妙に浮世離れしてるしで鶴みてぇにどっか飛んでっちまうかと思っちまったんだよ!」

「あっはっはっは! まぁ、えーらい別嬪さんじゃし気持ちはわからんでもないがの。しっかし愉快愉快、こがな乱れゆうおんしは貴重じゃ、貴重」

「娑楽斎殿、そもそもおゆき殿やわたくしめのように、人間以外にも割と会ってるのでは?」

「妖怪と妖精は違……とにかく、それとこれとは別、種族の違いとかじゃねぇんだよ。仕事でーとか、付き合いでーとか、ファンサでーとかはあるけど、互いに興味本位だけで大真面目に絵を描くなんて初めてだったしめちゃくちゃ楽しいし……なあワゴン、お前だって燐が急にいなくなったら寂しいだろ?」

……そりゃ寂しいのう」

「そーいうことだっつの」

「人は別れを惜しみますなぁ。わたくしにはどうにもさっぱり」

「妖怪ぶってるとモフるぞこんにゃろう」

「そうじゃぞ、お燐。おんしもどっか行かんでくれや。せっかく会えたがじゃ」

「はいはい。全く、手のかかるご主人でございますにゃあ」