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嘗て北の島国のとある伯爵は、食事と料理に重きを置かれない事に定評のある国の伯爵は、カード遊びの時間を食事ごときに削られてはたまらんと、片手で済ませることのできる食事を発明したという。薄く切ったパンの間に肉を挟んで持って参れと、その名をサンドウィッチ伯爵といった
―――まあ、俗説である。
「病院の流動食だよ」
鼻からチューブで突っ込むやつだから味の保証はない、だがそうだな、遠からず市販の栄養食品として改良品が出て来るらしいぜ
―――
言われた相手は既にそこにいなかった。わかりやすい不味さではないが、粘膜を刺激しないことにでも配慮したのだろうか、半ば体液に寄せたような味わいは心理的に猛烈な拒否反応が出た竜馬であったらしい。
ゲッターのパイロットとして以外にも多忙で食事時間を軽視し、食堂ではなく弁当、弁当から食べながら作業が続行できる握り飯、そこから手を汚さずに済むから袋パンへと移行し、しかし学生時代に図書室の書籍に飲み食いによる微細な油染みを付けて紙虫を湧かせる手合いを静かに憎悪するくちであった彼はやがて、スリムな250ml缶のコーヒー缶に行き着き、不摂生を咎められたと思ったところだった。
食堂での「逢瀬」が絶えてなくなった彼の、魔法瓶の中の液状の昼メシを奪ってざまーみろと悪餓鬼みたいに笑って連れて行こうとした竜馬の計画はかくてここに派手に頓挫した。
「その内旨くなるんじゃねえかなチーズ味とかフルーツとか」
「
…チョコレートとか?」
「あと四五年あれば頑張るんじゃねえか、〇塚製薬」
「そんな待てっかよバカヤロウ」
口直しさせろ、と竜馬は半ば涙目で、戦友の胸倉をつかみ引き寄せた
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