Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
mochita_rj
2024-11-16 17:15:13
24499文字
Public
TwitterのSS
Clear cache
SS2023年分
1Pに説明があるよ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
ピピピピピ!
目覚めを知らせるアラームが鳴り、ぼくは無理やりに目を開けた。冬らしい朝の冷え込みに、まだ薄暗い外の景色。まだまともに開かない目を擦りながら時計に手を伸ばすと、短針はいつもより30分早い時刻を示していた。それに、音が鳴っているのはこの時計じゃあない。あれ、なんでだっけ?とぱちりと瞬きを繰り返していると、横で「うぅ〜ん
…
」なんて寝ぼけた声が聞こえる。ああそうか。ならばこのアラームは仗助の携帯のものか、とぼくはすっかり目覚めた頭で枕元に置かれた紫色の携帯のアラームを止めた。
「おはよう。仗助」
「んん
…
露伴
…
」
犬みたいにくるくると寝癖がついた髪をかきわけ、額にキスを落とす。眠たげにとろけたブルーの瞳はぼくを捉えると、嬉しそうに細まって背中に腕が回ってきた。
「おいおい
…
さっきの目覚まし、きみがセットしたんだろ?起きないと意味無くなるぜ」
「まあ、うん
…
そうなんスけど」
甘えるように首に顔を埋めてくる仗助の髪から、ふわりと優しいシャンプーの香りが立ち込める。仗助から整髪料の香りが一切混じらない、純な石鹸の香りがする機会はあまりないから、思わず顔がにやけそうになる。風呂上がりに仗助がぼくの隣に座って来る時、仗助の髪をドライヤーで乾かす時、ベッドで仗助を
…
いや、これ以上はやめておこう。
「なにニヤニヤしてんスか?」
「え?いや、ふふ
…
なんでもないさ」
誤魔化すように指通りのいい髪を撫でていると、仗助はガバッと顔を上げて
「先生、先生」
なんて抜かしてぼくの目をじっと見つめる。こいつがわざとらしく「先生」と呼ぶのは、甘えたいけど素直に言えないからわかれよ、って訴える時のサイン。恋人はお互い口癖や性格が似てくるなんて言うが、ぼくの素直じゃないところまで律儀に似てくるとは困ったもんだよ、本当。
「わかった、わかったよ。きみが言いたい事は読まなくてもわかる。キスしてほしいんだろう」
「
…
!ろは、」
「でも1回だけだぜ、」
それ以上したらきみもぼくも止まれなくなってしまうから。言いかけたその言葉は、逆に朝っぱらからぼくらを燃え上がらせる要因ともなるうな気がしたから言わなかった。
「露伴、はやく
…
」
縋るように枕を掴む仗助の指を離し、代わりにぼくの手を握らせる。は、とまだ何もしていないのに荒くなっている仗助の息を頬に受けながら、ぼくはゆっくりと顔を傾けて唇を追いかけた。
「ん、む
…
露伴
…
」
「はっ
……
仗助」
目覚ましかけた意味、やっぱり無いかもな。熱くて柔らかい感触を堪能しながらくすりと笑う。顔の角度を変えながら仗助の指の間にぼくの指を滑らせている内に頭によぎるのは、たった数時間前の恋人の甘やかな肌と声。まずいな、1回きりって決めたはずなのに。年上らしく余裕な顔してリードしたいのに、仗助の唇に触れているだけで頭に上がってくる熱で沸騰しちまいそうだ。ちょっと前は仗助に嘘つきなんて言ってたが、今ではぼくの方が嘘つきかもしれない。ぼくの吐息で湿度をもった唇を舐め、やっぱり足りない、もう少しだけ、と言いかけた瞬間だった。
ピピピピピ!
聞き慣れたアラームが鳴り、ビクッと肩を跳ねて2人飛び上がる。音の主を探すと、今度はぼくがセットした時計の方だった。耳をすませば、鳥が鳴く声やら学生達が談笑しながらぼくの家の前を通って行く声が聞こえてくる。朝にも関わらず恋人特有に濃く湿ってしまった雰囲気を咎めるように、アラームはけたたましく鳴って止まない。自分でセットした癖に舌打ちして雰囲気壊しやがって、と時計を止めながら、ようやく唇を離して起き上がった。
「
…
そろそろ起きようか。健全な高校生はきちんと学校に行くべきだぜ」
「う
……
で、でも。もうちょっとだけ
…
」
「放課後また来ればいい。待ってるから」
駄々をこねる仗助をぎゅっと抱きしめてそう言うと、仗助はじっと黙り込んでぼくの肩にぽすんと顔を埋めた。しばらくそうしてから、「
…
おう、わかったよ」と納得したようにようやくぼくの体から離れていった。
「あ!やべ、髪セットする時間ねえ!」
慌てたように洗面台に向かっていく仗助の背中を追う。その姿にはさっきまでの甘えたがる様子は見えなかったから、しっかり“みんなの仗助くん”に戻れたようだ。パタパタと忙しなく朝の支度をしながらぼくの横を行き来する仗助から、ぶわりと彼が愛用しているワックスの香りが漂った。柔らかい石鹸の香りが消えるこの瞬間は、少しだけ寂しい気もする。だけど、少年の今からの時間は彼の友人達と家族に返さなければならない、そう自分に言い聞かせて。ぼくも独占欲なんてものがあったんだなァなんて笑いながら、行ってきまーす!と元気に出ていく仗助を見送ったのだった。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内