akinoshiroihana
2024-10-13 20:31:35
15825文字
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名刺置き場8

メモ:ゲッター以外が入ったらここにその旨書くこと




『やっぱりあなたの方が似合うわね』
そういってお前に返してやるのはアリかな、と竜馬がぼろぼろのマフラーを言う。何かそんな映画でも観たというのか
「いいや、もう私―――俺には若すぎるよ、もう青春美を誇れるではない老残の印がいくらも刻まれた」
そう言いつつ自らの目尻に指を這わせれば、まさかの感傷が溢れ出すのかと竜馬はびくりと反応したようだったのを、そのまま顔を横一直線に走った傷に沿ってすべらせた。
「神隼人は二度とあんなおめでたい色は纏わず、死なせてしまった『命さえ掛けられる深い信頼』の喪に服してる」
「にしちゃあ結構カワイイ色も着てたんじゃねえかよ」
そう喧嘩では諍いではない、気の置けない距離のじゃれ合いな風に桃色か肉色かブロッサムピンクかダスティローズのシャツの胸倉が掴まれる、じゃらりと重い音と共に。ああ、そちらも俺が外せというんだな
「ああこれはじゃあそうだな、色褪せ―――いや、色が溶けて流れちまったのさ、子供の体育の赤白帽みたいに」

言えば、お前のあれだけの赤が流れちまうならお前の足元はさぞかし真っ赤になっちまってただろうなあ、とつらそうに言うのが、相変わらずの竜馬だった。