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enoki181
2023-04-14 00:27:15
74597文字
Public
リプレイ
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【CoC】ロトカ・ヴォルテラの愛堕討ち(柑爾×巴)【リプレイ】
PL:黝さん、エノキ(KP兼任)
シナリオ
https://booth.pm/ja/items/3563200
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金雀枝 柑爾:「戻る前、どっか寄ってくか」
様子を探りつつ声を掛ける。
誰もいない空間に話しかけていた先程を思うと、大人しい今もヒヤヒヤとくる。
死体ひとつでああも脆くなるのだと、想像できていなかったのだ。
コイツは一般人だ。街中でよく顔を合わせ、厄介事に巻き込まれるんで、同じ側の人間のように思っちまった。
目を離せば簡単に手からすり抜けていくのだと知り、今、どうしたらいいかわからない。
鈴鹿 巴:若さんの言葉に俺は小さく頷いた。
先程までの明るさは何処へやら、少しだけしょんぼりした顔を隠そうともしないで若さんの後を歩いていた。だけど流石に若さんもそれに気づいたみたいで、立ち止まってそう提案してくれる。
正直、心がしんどい。
あんなに頑張ってたのに、人気者になりたいって
……
いや、なんかわかんないけど後半は何故か俺が人気者になってほしいみたいなことも書いてあったけど。
あんなの見たらなんで死ぬんだよってあの現場を見てしまって、俺はショックと何とも言えないぐちゃぐちゃな気持ちになった。
こんなことになるならあいつの家に行かなければよかった。そう思うほどに、あの現場を見てしまったことを俺は後悔している。
今まで共に頑張ってきた十羅矢をこんなところで失ってしまうなんて。
なんで、こんな
……
俺ってなにもできないんだろう?友達も、助けられないなんて。
やだな、俺、こんなこと考えたくないのに
……
そう思ったら、ちょっとだけ若さんと【2人きりになれる場所】に行きたくなった。
こんなこと忘れなきゃ公演になんて到底出られない。それがわかってるから、俺は若さんを見上げる。
「ちょっとだけ、2人きりになりたい
……
」
若さんの袖をちょんと摘んで視線を落としてそう言った。
金雀枝 柑爾:思い浮かぶ場所はひとつしかない。あんなことがあった後で、と迷う場所だ。
あまり時間もなく、他の候補も思いつかない。
コイツにも馴染み深いその場所を告げ、了承を得る。
そして今、ラブホテルの一室にいた。
手を出す気はないと示すため、背を向けて煙草をふかしている。
不謹慎だとわかりながら、落ち込んだ姿に色気を感じてしまっていた。一気に燃え上がるような昂りではなく、熱の落ち着きが遅そうだ。それもまたタチが悪い。
鈴鹿 巴:「若さん、ごめんね
……
」
若さんにホテルに連れてきてもらい、俺はベッドの端にちょこんと力無く座っていた。
そして、そこでようやく考えることができた。十羅矢の家に行った時のことを。
十羅矢の家へ行った時、あいつの首吊り死体を見てしまった時、俺は恐らく正気ではなかった。いや、確実におかしくなっていた。
死んでるはずの十羅矢が見えるなんて、声が聞こえるだなんて、そんなのあいつが死んでるんだからあるわけないのに。俺は十羅矢が死んでしまったことが相当ショックだったんだと冷静に考えて思った。
そりゃ、そうだよ。ライバルで、わらび餅仲間でこれからもあいつの演目近くで見られると思ってたんだから。
「俺、あいつと喧嘩もしたけど、それくらい仲も良くてさ。落語のことになるとよく二人で語ってたもんだよ。将来のこととか、これから頑張って人気者に、有名になろうなとか。でも俺はあいつと、師匠と皆で楽しく落語やれてれば、貧しかろうが人に好かれようがどうでもよかったんだ。人気は二の次くらいのもんで
……
」
「でもさ、あいつは違ったみたいだ
……
俺とあいつ、ちょっと考えがすれ違ってたみたいだ」
少し眉根を下げながら困ったように笑って俺は続ける。
「あいつが頑張ってるの、横で見てたはずなのにな
……
何がダメだったんだろう?俺、力になれてなかったのかな
……
どうしたら、よかったんだろう?」
これから俺はどうしたらいいのか今は答えが見えない。それもあって、縋るように俺は若さんを見てしまった。
ああ、きっと俺情けない顔してる。
泣いてる顔見られたくないのに。馬鹿だな、俺。
金雀枝 柑爾:「
……
俺たちの世界では、足を止めた奴から死んでいく。途中抜けも許されねェ。一歩踏み込んじまったら走り続けるしかねぇんだ」
「死なねぇためには手足を動かす。考える暇もなく。最終的には頭も大事なんだろうが、現場では腕の立つ奴が生き残る」
別世界のコイツには非情なことを伝えているんだろう。
優しく寄り添うなんざ、俺に出来るわけがないのだ。
それでも言葉を掛けるのは、小さな心のしこりを取り除くため。
テメェに薬を盛って勝手に死んだ奴より、今テメェの側にいる俺を見てろ、ってな。
最も、薬を盛られたなんざコイツは知り得ない。俺が隠匿した。
そうやって俺のコントロール下にいたらいい。
「考えたって仕方ねぇだろ。それなら体を動かした方がいい。死にはしねぇ。お前はこれから舞台に、戦場に、立つんだろ」
近付いて、正面から煙草の煙を吹きかける。
細い肩を押し倒し、覆いかぶさった。サングラスを胸ポケットに入れる。
「今だけ忘れさせてやろうか」
感情のこもらない声で呟き、真顔で見下ろす。
首に赤く色付く、誰につけられたか知らねぇ痕跡をなぞった。
鈴鹿 巴:考えなければいい、忘れれば俺はまた公演の舞台に立てる。確かにそうだ。だけど忘れるなんてそう簡単にはできない。
若さんの言葉にどうすればと悩んでいたら首裏を触れられる。そういえば朝も触られたな、と思い出す。
「んっ、またそこ触る
……
!」
感情のない冷たい声が逆に俺の肌を興奮させる。
煙草を吹きかけられるのには少々慣れてきたが、相変わらずこれが美味しいのか?とも思う。
互いに違う世界にいて、好みも違うからこそなのかもしれない。
押し倒されても俺は抵抗する気も、ましてや「やめろ」と声を上げる気もなかった。
「
……
忘れ、させてくれるんだ
……
若さん。意外と優しいじゃん」
縋るようにもう一度、何を思っているのかわからない若さんの顔を見た。もしかしたら誰とでも寝てると思っているのかもしれない、その事で幻滅してるのかもしれない。
それはそれでちょっと俺がビッチみたいじゃんって思ってこっちが不機嫌になるんだけど。
俺は少し迷って首裏を撫でながら聞く。
「これ、気になる?」
金雀枝 柑爾:俺は眉を顰めた。
朝みたいにキャンキャンと吠えて誤魔化すんじゃない。しっとりと痕を撫でる姿に、じわりと欲情した。
「言え」
煙草を灰皿に押し付けて消し、命令する。
鈴鹿 巴:「
……
わかった、言うよ」
こちらをまっすぐ見つめる若さんに、最初は茶化そうともしたけど、今の俺はそんないつもの元気もなく、どう説明したものかと考えを巡らせながら話しだす。
「昨日帰ってる時、突然襲さんに捕まってさ。なんか俺に一目惚れしたんだって、あんな女の人にモテる人がだよ?」
「
……
まぁ、それで、いきなりだったからちょっと怖くなって逃げようともがいてたんだけど、その時に付けられた」
所々端折ってしまったけど大体通じるだろうと俺は若さんにそう伝える。
もしかするとこれを聞いて若さんは怒るかもしれないし、襲さんに会った時が少し怖いなぁとも思う。でも、ずっとこの痕を若さんが気にしてるからいい加減言うことにしたのだが、本当に大丈夫だったろうかと心配になった。
金雀枝 柑爾:襲がというより、原因はコイツがモテているからじゃないか。その理由をコイツ自身は知らないが。
それより、襲からンな話は聞いてねぇ。今朝だって会ってるっていうのにだ。
別に報告義務なんてものはない。コイツだって、襲だって。
だというのに、腹が煮えくり返りそうだ。性欲と混ざっていくのを感じる。あまり自分が冷静でいられる時間は少なそうだ。
「それ以上手出されてねぇか確かめる」
和服に手を掛け、開いていく。
痕をしつこくなぞって、大きさを確認して。
「いいか。テメェが誰のモンか、ちゃんと覚えとけ」
そこに強く吸い付いて、他人の痕跡を消した。
しっかり服で隠れるかは確認したのだから、何も言われる筋合いはない。
文句が飛んだとして、俺のものに印をつけて何が悪い、って話だ。
鈴鹿 巴:「いっ
……
!」
若さんに強く吸いつかれ、痛みを感じながらも目はとろんとしてしまう。ああ、こんなの最初は感じなかったのに、今では若さんに与えられる痛みも熱として俺を昂らせている。こんな体になったのは絶対若さんのせいだ。
少しだけ恨めしげに若さんを見た後、俺は声を出さないように手を口元に当てる。あんな声、出すのはやっぱり恥ずかしいから。それに若さんに聞かせたくない。
襲さんにそれ以上はされていないのに、そんなこと言っても若さんは止めてくれそうにもない。
まぁ、止めてなんて最初から言うつもりもないんだけれど。
だって、若さんが俺のつらいこと忘れさせてくれるから。
「んっ、はぁ
……
はっ、いつから俺は若さんのになったんだぁ?」
クックと喉で笑いながら俺はそう言うと、若さんの首に抱きついた。
「嫌なこと忘れさせるくらい俺を夢中にさせてよ、若さん
……
」
「 」
若さんに聞こえるかわからないくらい小声で、俺は熱に浮かされたような目で若さんを求めた。
公演が始まるまでは、俺はあんたの巴でいいよ。
あんたのために体を開いてやるよ。
そうしてそれから俺たち2人は獣のように互いを求め合った。
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