enoki181
2023-04-14 00:27:15
74597文字
Public リプレイ
 

【CoC】ロトカ・ヴォルテラの愛堕討ち(柑爾×巴)【リプレイ】

PL:黝さん、エノキ(KP兼任)
シナリオ https://booth.pm/ja/items/3563200


【導入】

KP:貴方たちは関東のとある街に住む探索者である。住み慣れたこの街では様々な出来事が貴方たちを襲う。
それもその筈だ。この街は他と違う。犯罪組織の温床と成り果てているのだ。つまるところ、極道がこの街を牛耳っているのだ。関東最大のヤクザ組織でもある星侠会の極道があちらこちらに居るのだ。
中でも有数なのが、白狗組(しらいぬくみ)と黒八鬼(くろやぎくみ)組だ。両者は街を守りながらも、時折対立をしている。

そんな危険さのある街だが、名物の一つとして大きな劇場やホール、有名な繁華街がある。演劇や話芸の演目を数々行ってきたその場所は、日々多くの人が訪れている。近頃の人気の演目としては、桃樂亭の落語家の演目だろうか。

さて、そんな芸術のきらびやかさと乱闘の血腥さが綯い交ぜになったこの街で、貴方たちはすれ違う。

舌打ちをして、目が合って、肩が当たって。

きっかけは何でもいい。

貴方たちが足を止めて向き合えば、もう止まらない。胸ぐらを掴むか、煽る言葉が飛び交うか。それを止める術は知らない。

何故なら。
貴方たちはとても、とても仲が悪いのだ。

(暗転)

適者生存。

あるいは最適者生存とは、ハーバート・スペンサーが1864年に発案した造語・概念、およびその影響をうけたチャールズ・ダーウィンの概念である。弱肉強食、とはまた異なるが、要は似たようなものである。

「適者生存」における「適者」とは、この造語の発明者であるスペンサーにおいては個体の生存闘争の結果であるのに対し、ダーウィンの自然選択説では個体それぞれに生まれつき定められている適応力に重点が置かれる。

だが、現代の生物学では、適者生存とは異なった概念も提示されている。
「適者が生存している」 と見るのではなく、「運の良い者が生き残る」と見ることを運者生存という。

弱き者が食われるのか、幸運故に生き残るのか。
貴方は果たしてどちらだろう。

貴方に潜むは、如何なるものか。
貴方が抱くは、恥ずべきものか。

過程はどうでもいい。
最後に這いつくばらせた方が勝ちなのだから。

どうか、お前のだらしの無い無様な負け様を見せておくれ。
それが何よりの至福であり、至高の……

おっと、お噺はこれくらいに致しましょう。
また夢になるといけませんから。

クトゥルフ神話TRPG「ロトカ・ヴォルテラの愛堕討ち」


【HO1個別導入】


KP:金雀枝柑爾、君は黒八鬼組の事務所を訪れていた。
舎弟や若衆が「へぇ、兄貴。おかえりなさいませ」と腰を低くして軽く頭を下げる。君は組のナンバー2の若頭だ。組の中でも頼りにされており、そして慕われている。それは君の実力もあっての事だろう。

KP:さて、本日は少しいつもよりも遅い時間に事務所に来ている。何故なら、君はここに来る前にシノギに時間を費やしていたからだ。その功績が、自身の手にあるジュラルミンケースなのだが。中には随分な額の紙幣が詰め込まれている。
君はジュラルミンケースを一人の舎弟に手渡す。さて、今日は何があっただろうか。

KP:1d4を振って本日のシノギを決めましょう。

金雀枝 柑爾:1d4 (1D4) > 4

KP:4.みかじめ料の徴収……だけど、他の組の連中がシマを荒そうとしてたからコテンパンにしてやっ たぞ。オーナーからお礼の品として、美味しいおにぎりとお弁当を貰う。めちゃくちゃ美味しい。舎弟の分もあるぞ!

金雀枝 柑爾:ちょっと服が汚れて機嫌が悪い。
「そら、やるよ」と舎弟どもに食い物をほとんどくれてやる。俺より食べ盛りの奴いんだろ。

KP:若い衆が群がってきた。「兄貴大好き!」ってなる。上がるのは雄たけびだけど。ウオオオ!って野太い。

KP:では、そんな君に声が掛けられます。

黒八鬼 柳平:「おう、柑爾。戻ってたんか」

KP:事務所の奥の扉を開けて出てきたのは彫りの深い初老の男性……君の知っている男だ。彼はこの組の組長でもある黒八鬼 柳平(くろやぎ・りゅうへい)だ。

KP:気さくな態度と朗らかな性格がなんともヤクザらしくはないが。随分昔にとある組との抗争にて大暴れをして解散まで追い込んだことと、所属をしていた組の名前から「羅生の鬼」と呼ばれていた。強さもシノギも仕事もセンスでのし上がって、自分の組を持つまでに至ったのだ。実際に見たことは無いが、大した強さを持っていることを貴方は知っている。要は、怒らせたら厄介なタイプということだ。

黒八鬼 柳平:「……って、随分美味そうなもん食ってんじゃねえか」
「ちょっと来い、話がある。ついでに俺にもそれくれ」

金雀枝 柑爾:手近な舎弟の手から飯を奪う。オヤジが寄越せっつってんだから文句ねぇはずだ。
「オヤジ、こういうの食いますか?ところで、話って?」

黒八鬼 柳平:「食う食う。まあまずは座れって」
けたけた笑いながら、奥にある自室へ通す。椅子を指差して。

金雀枝 柑爾:座る。

黒八鬼 柳平:「この前言った、違法ドラッグの話覚えてるか」
「あれの足取りを掴んでな。今回は上にあまり知られたくないみたいでなぁ、俺らの親が色々口出ししたみたいなんだ、白狗組にな」
「アイツらも共同……協力?しながら今回の件を解決に導こうっちゅう流れになりそうなんだよ」

KP:■アイデア

金雀枝 柑爾:CCB<=45 アイデア (1D100<=45) > 13 > 成功

KP:では、即座にピンとくる話があるだろう。

君の所属する黒八鬼組は組織の三次団体である。
組織は、一番上の大元の本部があり、その下に直系の組が存在し、更にそこから枝分かれするように直系の組内に組が存在する。
君達はこの枝分かれの最後、三次団体の組織なのである。組長が言った、「親」というのがつまるところの直系団体である。加えて、白狗組が同じ親の元の組であることも知っている。

金雀枝 柑爾:「へぇ」
含みを持って呟いた。
組長から言われるんなら従うまでだが、白狗んとこと協力とは。波乱の予感に笑みを浮かべる。

黒八鬼 柳平:「ちょっと面倒だけどな、白狗の連中とも良好な関係で居たいじゃん?街を守りたいって気持ちは同じなんだからさ……でも、一部の連中はそれにかこつけて俺たちの……弱みとかさ、出し抜くだのさ?そういうのばっかじゃん」
「だったらもう、実力見せてやらねぇとって思ってさ、ここでお前の出番よ」
「今回の件、何でか知らねぇけど乗り気だろ?手がかりの一個は掴んだから、あとの調査頼めるか」

金雀枝 柑爾:「乗り気なんじゃねぇですよ、別に」
眉間に皺を思い切り寄せた。

力を注いでいる自覚まではあるが、それは苛立ちを沈めるためだ。
あのガキがキスをしていた。その相手が組長からの依頼に、薬に関わっている。むしゃくしゃする気持ちのまま関わっているだけだ。

黒八鬼 柳平:「ふぅん?ま、やる気なのはいいことよ」
「ああ、でも、気合い入れすぎなくていいから。別の組とは必要最低限の関わりがちょうどいいのよ。敢えてドンパチやる必要も無い、穏便に。でも、シマを荒らされたら面倒だから、迅速に」
……どうだ、お前向きの仕事だろ?頼りにしてるぜ」

金雀枝 柑爾:ニヤリとするオヤジに笑い返す。
組長から直々に頼りにされる。光栄なことだ。それなのに、何故、落ち着かないのか。原因を作ってるのは――クソが。

黒八鬼 柳平:「薬は危険なものでは無いとはいえ、街を荒らしている要素でしかない。何としても解決をしたいんだよなぁ」
「しっかし、うめぇな、これ。そういや、繁華街に美味い唐揚げ屋があるぜ。行ってみろ、美味いぞ、飛ぶぞ」

金雀枝 柑爾:冗談を織り交ぜられて暗い空気にはならない。
なんとなく救われた気がして、へい、と笑った。

KP:扉のノック音が聞こえる。共に「失礼します」と誰かが入ってきた。
振り向けば、端正な顔立ちの男が立っていた。

黒八鬼 襲:「親父。頼まれてたこと、終わらせてきたよ」

黒八鬼 柳平:「おう。襲じゃねえか、悪いな」

KP:君は彼を知っている。
彼は黒八鬼襲(くろやぎ・しゅう)。組長の息子であり、この組の若頭補佐である。要は、若(わか)だ。
喧嘩を好んですることはないが、人を操るのがとにかく上手い。参謀といったタイプだ。知的にも見えるが、実はこの組切っての遊び人であることを知っている。

黒八鬼 襲:「柑爾もお疲れ様。でも、その様子だとこれから仕事?」

金雀枝 柑爾:「お疲れ。おう、ヤク絡みだ」
「お前は……いや、一応真面目に仕事してきたのか」
香水の匂いが香りそう(偏見)なので、それにウワッって渋い顔。

黒八鬼 襲:「いつだって真面目に仕事してるよ」
立ち上る香水の匂いから、君がそれを信じられるかは疑問だが。
「へぇ。ドラッグの検挙。……そりゃ大変だ。何か手がかり見つかるといいね、俺も協力するよ」

KP:にこやかに笑い、協力の姿勢を見せてくれるだろう。
女を取っかえ引っ変えしてなければ、本当にただのヤクザらしくない良い坊ちゃんだ。とはいえ、 組長は彼のことを実子ではなく引き取った子供だという。複雑な事情があるのだろう。

金雀枝 柑爾:「……まァ、頼るときがありゃあな」
その気がないことを隠さずに言う。
腹のムカつきを納めるためにも、自分の手で叩き潰したい案件だった。
じゃないと、あのガキを見る度に思い出す。
口の減らないクソガキが。キスのやり方は半人前の癖に、調子乗ってんじゃねぇぞ。

KP:この後、君は情報収集に動き出す。ドラッグの取引場所としてコンテナヤードの話を聞き、ひとまず現場に行ってみることにした。
組長から頼まれた日は時間も遅かったので、翌日以降になるだろう。

KP:個別導入はここまで。


【HO2個別導入】


KP:鈴鹿巴、君は朝から「鼠花(ねずみのはな)芸術文化ホール」を訪れていた。
警備員に軽く会釈をしながら関係者が通る通路を使い、楽屋フロアへと向かう。目的は櫃島 菖蒲(ひつじま・あやめ)に会う為だ。

KP:本来ならば弟子の身分である為、朝から師匠である櫃島に付き添う必要があるのだが、君は最近「二ツ目」という階級になったのだ。
前座と違い、二ツ目は弟子と言うよりかは一人前初心者と言ったものなので、自分で仕事を取りに行く形になるのだ。今日は明日の公演の打ち合わせという名目でこの劇場を訪れている。

KP:楽屋挨拶の為に扉を開けば、櫃島が君を見て笑顔を咲かせる。

櫃島 菖蒲:「人気者の登場じゃねぇか。お前も打ち合わせか」
「俺もさぁ、今日打ち合わせなんだよう。大変だな」

KP:ニコニコ笑いながら彼は君に近くに座るように促す。
座敷のようになっている楽屋でくつろぐこの男が櫃島。君の師匠だ。現在の桃樂亭(とうらくてい)を襲名した真打ちの落語家である。
観客だけでなく、界隈や協会内でも人気を誇る彼の落語は、その七色の声が最もの特徴だろう。語り口もさながら噺口調や抑揚、スピード感も流石だが、声色の変化に聞くものの意識を決して離さないのだ。
彼の落語は、小難しさや古めかしさというレッテルのあった落語を世間に広めるほど。正しく、今最も勢いのある落語家なのだ。

鈴鹿 巴:「師匠〜!お久しぶりじゃないですか〜。お元気にしてましたか?」

「師匠の演目、私楽しみなんですよねぇ!」

櫃島 菖蒲:「そうかぁ、久しぶりだなぁ。お前、俺について歩かなくなっちまったからなぁ」
うんうん、と懐かしむように。

「俺は元気よ。そういやぁ、お前さん、明日の演目は何だったよ?」

KP:■アイデア

鈴鹿 巴:CCB<=75 アイデア (1D100<=75) > 29 > 成功

KP:では、明日の自分の演目は「時そば」であることを思い出します。

鈴鹿 巴:「師匠についていた頃が懐かしいですねぇ」

「あ、そうそう!私の演目は今回『時そば』なんですよ〜!時そばは好きなんですけどねぇ、師匠みたいにできるかってちょっと心配でぇ」

そう言って少し困った顔をして師匠に言う。

櫃島 菖蒲:「時そばねぇ。だったら、扇子はしっかり使えよ」
自分の畳んだ扇子を口元にもっていって、簡単に蕎麦を啜る真似。茶目っ気たっぷりに笑う。

鈴鹿 巴:「めっちゃ師匠うまいじゃないですかぁ〜!私もやるけど、咀嚼音なら任せてくださいって感じですよ」

ずるずると食べる真似をしながら動きは硬いが啜る音や食べる音は実際食べているように聞こえると自分でも思っている。でもまだまだだなぁ。
今回公演があるからしっかりやらなきゃいけないのに。練習あるのみだな!

鈴鹿 巴:CCB<=80 芸術(落語) (1D100<=80) > 15 > スペシャル

KP:では、それは咄嗟に行ったとは思えないほどの演技力だった。よほど明日の公演のために練習を重ねたのか、偶然なのか、それは君にしか分からないが。
櫃島はほぅと目を見開き、感心して頷く。

櫃島 菖蒲:「お前なら問題なかったか。実力は確かな上に、最近すげぇ人気だもんな」
「こんなに早い二ツ目昇級はちと異例だからなァ。でも、寄席の経営陣が推しに推すから、俺も嬉しくなっちまってな。お前なら、もう一人でやってけるだろ」

KP:櫃島の稽古は厳しいものだった。それは大変だったかもしれないが、君の能力を引き出そうとしてくれた日々なのだ。そして現に今、君はこうして花開いている。

鈴鹿 巴:「え、本当ですか?!ありがとうございます!」

「尊敬してる師匠に褒められるのは俺にとっても励みになります!ありがとうございます!」

ペコッとお辞儀をして嬉しそうに表情を緩める。

櫃島 菖蒲:「よせやい。褒めたってなにもでねぇぞ……あ、そうだ」
ごそごそ、と和服の袖を漁り。中から取り出した券を差し出す。
「ついでにこれやるわ」

KP:師匠はご飯券をくれます。何のご飯だったのか決めましょう。1d4を振ってください。

鈴鹿 巴:1d4 (1D4) > 4

KP:『美味しいパスタ(ビュッフェ付き) 』の券でしたね。

櫃島 菖蒲:「この前もらったんだけど、お前にやるわ」

鈴鹿 巴:「わーい!師匠ありがとうございます!これで美味しいパスタ食べてきます!」

「あ、どんなのが美味しかったか写真も撮って今度師匠に教えますね!」

ニコニコしながら尻尾があればぶんぶん振ってるくらいに嬉しそうにしている。

櫃島 菖蒲:「いつもの写真なぁ、待ってるわ」
穏やかに笑って。
……これが駄賃代わりといっちゃなんなんだが。ちょいと頼まれごとを引き受けてくれやしないか?」
表情に陰が差す。

鈴鹿 巴:「はい!送りますね!」

「え?なんですか?なにか困ったことでもあるんですか?私でよければ力になりますんで!なんでも言ってください!」

身を乗り出して師匠にそう言う。

櫃島 菖蒲:「実は、十羅矢と連絡がつかなくてなぁ。お前には悪いんだけどさ。午後暇だったらアイツを探してくれねぇか」

KP:十羅矢 椎(とらや・しいな)は、君と同じく櫃島の弟子だが、一昨日から連絡が取れないのだ。今日の櫃島の付き添いにも来ていない。

櫃島 菖蒲:「アイツ、この前から明日の公演を一生懸命勉強して臨もうとしてたんだ」

鈴鹿 巴:「ああ、十羅矢……

「あいつあれから全然戻ってないんですか?連絡も?」

そういえばと思い出す。十羅矢が今回の公演は一番張り切っていた事を。

「わかりました、俺もちょっとあいつのこと探してみます。日々お互い落語を頑張ってきてた仲なんで……

櫃島 菖蒲:引き受けてくれて、ほっと安堵の息を吐き出す。
……関係者の一部が、嫌なことがあってほっつき歩いてんだろう、ほっとけなんて言ってたけど。そうもいかんからな」

櫃島 菖蒲:部屋の外から名前を呼ばれる。
「おっと、出番か。今日は『死神』ね、りょーかいりょーかい……じゃ、巴、よろしく頼むわ」
時計を見て、巴の肩を叩いてから部屋を出て行く。

KP:この後、君は情報収集に動き出す。
最後の目撃証言が繁華街近くのコンテナヤードだと聞いたので、そこへ向かうことにした。

KP:個別導入はここまで。