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enoki181
2023-03-07 15:49:35
53569文字
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リプレイ
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【モノトーンミュージアム】霧晴れの空、輝く■【リプレイ】
前作→【モノトーンミュージアム】奇妙な国に潜む影 ~呪われし地と囚われの花婿~【リプレイ】
https://privatter.me/page/664995cb534e0
PL:成海さん、守部さん、柳さん、エノキ
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▼エンディングフェイズ PC1
エメーリャ:
――
イワンとの結婚式を挙げたい。
帰ってすぐにヒルダ様とクロに伝えたら、想像以上に喜んでくれていた。国の人たちも同じく。ピエールに司祭を頼めることになったし、ヘルマンも出てくれるのだと言う。
招待状を送る数が想像より多くて、この風の国で長い時間を過ごしてきたことを思った。ほとんどは今日までに入国しているはずで、手続きに手間を取らせただろう。
それからバタバタと日々は過ぎて、とうとう式の前日の晩。
「イワン、今いいか?」
イワンの部屋をノックする。
帰ってからの後処理もあり、二人でゆっくりできる日は今日までなかった。もちろん式の準備は二人で進めたけど、他の人もいたからな。
イワン:必要な準備を終わらせて、いよいよ後は寝るだけとなった夜。
寝るにはまだ早かったから、僕は窓辺に腰をかけて、外の星を眺めていた。
青き風の国から見る星は綺麗だ。
……
まさか、故郷から眺める星がそれ以上のものだっただなんて。僕は全く知らなかった。
そんなことを思っていると、扉の向こうからノックの音が聞こえてくる。
「うん、暇してるところだから」
エメーリャ:部屋に灯りはなく、星の光が綺麗だった。照らされるイワンの顔も、まるで輝きを放つように美しい。
窓の縁の反対側に腰掛ける。
幼い頃に二人で寝る時も、こうして夜空を見上げたことはあったけれども。星空を見ることはできなかった。
暫く無言で、二人で夜空を眺めていた。二人分の息遣いだけが溶けていく。
身じろいだ指先がポケットの中の硬いものに触れ、そうだ、と取り出す。
「イワン、これを」
ペンダントを差し出す。
「渡すのが遅くなって悪い。王様が最期に渡してくれたんだ」
イワン:「父さんが?」
確かにそれは父さんが身につけていた金色のロケットペンダントだ。
手を差しのばして受け取る。
僕はその中を見たことはなかった。
見て良いものか、と少し躊躇う。いくら父親でも、誰にも見せてこなかったものだから。
だけど、これを託されたのなら、きっと見る必要があるんだ。
エメーリャと目を合わせてから、そっと開く。
中には、金髪の綺麗な女性の姿があった。
「
……
母さん?」
僕が生まれた時に亡くなってしまった人。
一度も会ったことがないけど、容姿やどんな人だったかは周りの大人たちから聞いていた。
だから、すぐにその人だと分かった。
父さんが愛した人。
僕を産んでくれた人。
「
……
ありがとう、エメーリャ」
「父さんの遺志を伝えてくれて」
エメーリャ:俺が開けるべきではないと思っていたので、中を見たのは初めてだった。
よく似ていると故郷の人々が言っていたことを思い出す。
ここまで愛した人と娘が似ていたならば、何に抗ってでも護りたくなるのは当たり前だろう。いや、似ていないとしても、王様は同じ道を辿ったのかもしれない。
「最期、イワンをよろしくって。王様は、イワンの父親として亡くなったよ」
イワンの左手を持ち上げる。
薬指にはまる指輪と明日の晴れ姿を見せることができたらよかった。その先も末永く見守って欲しかった。
「イワン、少し聞いてくれるか」
隣に移動して肩を寄せた。
「俺たちだけ幸せになるみたいで、申し訳ない気がしてさ。明日の準備が進む度、息苦しくなるときがあってさ」
「でも後悔はしてない。ここまでにひとつも。どんなに苦しくてもイワンとの未来が欲しい」
「俺一人が望んでたらわがままなんだけど。一緒の想いで、二人の願いにしてくれて、ありがとう」
吐き出した息に照れが混じった。こうして伝えられる今も幸せだ。
イワン:「そっか。それなら、良かったよ」
きっと父さんは安心してくれたと思う。
それだけでも与えることができて、少しは救われる。
「
……
僕もね、時々思うんだ。自分だけが幸せになって良いのかなって」
「でも、同じくらいエメーリャに幸せになって欲しいんだ」
「だから僕も後悔していないよ。君と未来を歩むことを。それが君の幸せだということが、僕は嬉しい」
物心ついた時からずっと一緒に居続けた。
僕のほんとうを知っている人は大人ばかりで、心を通わせることができたのは君だけだった。
「城にいた日から、ずっと一緒にいてくれてありがとう」
こういうとき、どんな言葉を言うべきか。僕はもう知っている。
他の誰も聞いていない部屋で、君だけに向ける言葉を紡ぐ。
「愛してる。愛してるよ、エメーリャ」
エメーリャ:「
……
うん。二人で幸せになろう」
「愛してる、イワン」
頬に手を添え、唇を重ねた。瞳を閉じると、星たちの瞬きが見えなくなる。
同じ想いと言葉が返ってくるなんて、奇跡だともう知っている。
――
だから、もう手放しはしない。
腕の中の温もりを感じながら、自分自身に誓った。
エメーリャ:
――
翌日。
とてもよく晴れた日だった。
教会の中を窓からそっと見る。
ピエールは緊張が隠せていない。ヒルダ様とクロが並んで座っている。ああ、あんなところにヘルマンが。他にも、世話になった人たちがたくさん。
慣れない靴ながら足音を立てないように注意して離れる。
教会から少し離れた場所で待機するイワンの隣に立ち、その姿を眺めた。
「やっぱり綺麗だ」
準備のときから伝えていたけれど、何度言っても足りない。頭から足先まで眺める。
「なんか緊張してきた。ちょっと手握って」
くすくす笑って手を差し出す。この後腕をだして、そこを掴んでもらって入場するんだけどさ。
イワン:「エメーリャだってかっこいいよ。王子様みたい」
そうは言っても、流石に僕も緊張する。
まさか公務よりも緊張することが存在するなんて思ってもみなかった。
「奇遇だね、僕もとっても緊張しているんだ」
そう言いながらその手を握る。
その拍子で視線が合う。
少しだけ強張ってるところはあるけど、でもそれ以上に幸せそうな笑顔だった。
うん、だって、この緊張すらも愛おしいんだものね。
「ねえエメーリャ、いつかさ、いつか、あの緑の国をもう一度人が住めるようにしようよ」
「あんなにも綺麗な場所なんだ、このままにしておくのは少し寂しいからさ」
青き風の国の領地の一部にするのか、それともまた国を興すのか、そこまではまだ考えていないけど。
僕は、沢山の人が生きたあの場所を、いつか色んな人に知ってほしい。
エメーリャ:「王子って、イワンに言われるとな」
緑の国の王子だった相手だぞ。照れのようなむず痒い気持ちになる。
「いいな。あの星空、たくさんの人に見てもらわないと勿体ないな」
「あと、せっかく星見の塔って名前がついてるんだ。今のまま遊ばせてたらさ、名前負けして勿体ないだろ」
自分より小さな手を握りながら、未来の話をする。二人だけじゃなくて、多くの人たちが関わる未来を。
そろそろ、と声を掛けられる。
中断しなくてはならないけれど、嫌なものではない。手を離すのに不安もない。後で続きの話をしよう、と次の約束ができるのだから。
「行こう、イワン」
胸を張り、曲げた肘を差し出す。
エメーリャ:イワンの手が添えられ、音楽と共にゆっくりと入場する。
眩しい笑顔に出迎えられた頃には緊張が解れていた。
幸せになることが申し訳ないなんて、この場の人たちに失礼だよな。
あとでこれもイワンに話そう。
これから先の話を、いつまでも。
――
かくして、霧は晴らされ、輝く星は元の姿を取り戻した。
ひとつの国は終わったかもしれない。
しかし、それぞれの心の中に先の未来が紡がれていく。
シーンエンド
GM:”青き風の国”の裏手の森、その奥には誰も知らない”霧深き緑の国”が存在した。
その国は一夜にして滅び、伽藍と異形の王国へと変わる。
生き残った王子と従者、その仲間たちの手によって王国は終わりを告げた。
だがいつの日か、その国は再生するだろう。
国を愛し、想い続ける人がいる限り、歴史(ものがたり)は続くのだから。
モノトーンミュージアム
『霧晴れの空、輝く星』
めでたし、めでたし。
GM:以上でセッション終了となります。お疲れ様でした!!
GM:セッションに最後まで参加した 1点
演目の目的を達成した→緑の国のほつれを縫う 10点
登場したシーンの数 3点
よいロールプレイをした 1点
他のプレイヤーを助けるような発言や行動を行った 1点
セッションの進行を助けた 1点
場所の手配、提供、連絡やスケジュール調整などを行った 1点
合計18点となります。
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