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ななき
2024-04-14 01:18:50
10701文字
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吸死
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紫煙で測る距離
(ドラロナ)煙草と距離がテーマの短編、連作。
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一.キッチン、ダイニングテーブル、棺桶、ソファ、それより向こう(同居しばらく)
転がりこんだ先の家主である退治人はしばしば煙草を吸う。仕事の前、待機時間、眠る前、原稿中。
煙で死ぬので側には寄れない。だから少し離れて見ることになる横顔はひどく痛々しい。
嗜好品なのだからせめて楽しめばいいだろうに、揺らぐ紫煙の向こうにあるのは、暗い瞳と貼り付いた隈、寄る辺なさげな表情。長い銀の睫は影を強調するばかり。
煙草一本分の間、怒鳴り、騒ぎ、畏怖の欠片もなく私を殺す喧しい男は消える。代わりに、不安を抱えて追い詰められた、壊れそうな人間の青年が現れる。
その表情(かお)はいやだ。面白くない。腹が立つ。なぜそう思うかなぞわからないが、とにかくやめさせたい。「ジョンの健康に悪い」と、この男が大層可愛がる使い魔を盾に取れば素直に火を消すが、「ごめんな、ジョン、煙かった?」と眉を下げる顔にすら苛立った。
絶対禁煙させる。そう決めた。
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