ツキシキ
2023-07-01 22:36:39
32841文字
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★男女カプ二次創作まとめ

暗殺教室¦WIXOSS¦未来日記¦デュラララ!!¦ボカロ¦ネウロ¦フォーチュンクエスト¦ハピツリ擬人化



エゴイスティックにラブしましょ?(デュラララ!!)


・誠二×整形前の張間美香
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 好きな人がいるということはそれだけで人生の九割が満たされているということ。
 人間は神話のアダムとイヴの時代から、誰かを愛し半身を求め合ってきた。だから、人が恋に落ちるのはごくごく自然なこと。その恋を叶えて最上級の幸せを満たすために、残りの一割(イコール愛されるという至福)を必死になって埋めようとするのも、普通で当たり前のこと。

 つまり、私は人間の存在意義を全力で満たそうとしているわけなのです。

 簡潔に言うと、誠二さん大好き!




「誠二さん誠二さんどうしてこっちを向いてくれないんですかあ誠二さんの目はすっごく綺麗だから私ずっと誠二さんと向き合っていたいんですよそれに見つめ合うって照れちゃうけどなんだかラブラブな雰囲気っていう感じで女の子の憧れなんですだからこっち向いて下さいねえねえ誠二さぁん」
…………

 今日は、街中で誠二さんを発見したのでさっそく追いかけちゃうことにしました。なんて言って、実は朝から部屋の前で待ち伏せしちゃったんだけど。キャハ!
 よく男性は、三歩後ろをついて歩く女性が良いって言うらしいけど、私としてはやっぱり横を並んであわよくば手を繋いで歩くのが良いんじゃないかなって思うな。けど、誠二さんはなかなか歩くのが速いので私はいっつも彼の後を追いかけないといけないのです。まるで競歩みたいで、けっこう大変。でも、歩くのが早いってことは足が長いってことで、やっぱり誠二さんはかっこいいってことになるよね!

 街中って案外面倒で、ただでさえ人がいっぱいの池袋、誠二さんを追いかけきれずに人ごみに紛れちゃうこともしばしば。けど、毎日毎日毎日誠二さんについて回ってたら、誠二さんがよく通る道とか近道とか乗り越えられるフェンスとか、色々見つけちゃいました。
 初めこそ何回も誠二さんを見失っちゃったり迷子になっちゃったりして、三歩後ろの格言を守れなかった私だけど、今ではもうばっちり誠二さんについて行ける。そもそも、この世の誰よりもかっこよくて宇宙一愛してる誠二さんを見逃すなんて、あっちゃいけないことだもん。

「あっ、誠二さん待って下さいもう信号が変わっちゃうから私が渡れませんよー!」
……

 誠二さんは私の声が聞こえないかのようにひたすら前方を見つめて歩き続ける。しかも私の前を集団の人が横切っちゃって、点滅している青信号はついに真っ赤になってしまった。
 もちろん、私は諦めない。

「待って下さい誠二さーん!」

 走る速度は落とさない。だって、立ち止まったら誠二さんと離れちゃう。信号が変わる時間すら惜しくてたまらない。私の視界から誠二さんが消えるなんてそんなの一秒たりとも耐えられない。だから、真っ赤な信号なんて無視して並ぶ白線を踏みつけて走る。この横断歩道は短いから大丈夫。それより何より誠二さん、待って待って。
 進みかけた車が再び急停車して、動きかけた車が前後に跳ねる。それを私は横目で眺めて、でも一瞬で意識から薄れて、そんなことどうでもよくてとにかく走る、走る! 誠二さんだけが私の全て!
 クラクションの音と怒声があちこちで響いて鼓膜で反響。もう、私に必要なのは誠二さんの言葉だけでそれ以外の雑音はいらないのに。
 あまりに周りがうるさいせいか、誠二さんが立ち止まってこちらを振り向いた。誠二さんの綺麗な瞳が見開かれる。

 やった、やった! こっち向いてくれた! 私を待ってくれてる! 待ってね誠二さん今行きますね!

……まま、………ろ」

 誠二さんが叫んでる。口が動いてる。私と目があってる。誠二さんが何かを伝えようとしてる。私に、この私に話しかけてくれてる!
 雑音が酷いせいで、その大事な大事な言葉が聞こえない。もうやだうるさいうるさい、私と誠二さん以外は早くどっか行って! 誠二さん誠二さん誠二さん、あとほんのちょっとで渡り切りますから、それまで飽きずに私を待っててずっと見てて下さいね!

のまま、……れろ!」

 ああ、やっぱり聞こえない。必死に誠二さんが何かを言おうとしてるのに、私の耳はなんて不便なんだろう。あとちょっと、ちょうど残り三歩分!



「そのまま、轢かれろ!」



 ようやく私の元に届いた、誠二さんの言葉。

 あー、あ。
 そっかぁ。



 ううん、誠二さん、ごめんなさい。
 私はエゴイスティックな女の子なんです。





 クラクションと罵声の大喝采の中、私は無事に横断歩道を渡り終えた。もちろん、轢かれるなんてこともなく。

「誠二さん待ってくれてありがとうございます凄く嬉しいやっぱり私を認めてくれたってことですよねこれからどこに行きますか私どこまでもついて行きますよ誠二さんの行く所ならどこでも!」
………っ、!」

 私は誠二さんに向かって愛を伝え続ける。誠二さんは踵を返してやっぱり早足で歩いて行ってしまう。とてもいつも通りの恋愛事情。ちっとも変なところは無い。
 あの言葉は聞こえなかったふり。



 私、誠二さんのためなら何だってできる。誠二さんが言うなら髪形も顔もスタイルも何もかも変えられるし、趣味も嗜好もまるっきり別物に強制するし、愛も身体も心もお金も欲しいものは何でも捧げられる。処女が嫌いならどこかで経験してくるし、幼女趣味なら私自身は無理にしても私の子どもを好きにしてもらうつもりだし、愛がゆえの暴力も罵倒も耐えられるし、どんな誠二さんも受け入れられます。

 でも、だけど、一つだけ。
 私が死ぬことだけはできないの。

 だってね、誠二さん。誠二さんにとって私よりもふさわしい人がこの世にいるわけないじゃないですか。

 私は誠二さんが好きで、もちろん誠二さんに幸せになって欲しい。
 でもね、その幸せの中に私が入っていないなら、それは本当の幸せじゃない。私と誠二さんが、共にいるだけで幸せになれる、それこそが一番ベストな幸せの形。

 愛ってきっと、こういうふうにエゴイスティックになって当然。


 だって大好きなんだもの!



 好きな人がいるということはそれだけで人生の九割が満たされているということ。
 だから、私は九割の幸せを胸に、残る一割の埋まった完璧な形の幸せを求めて、今日も誠二さんを愛します!





~END~