Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
ツキシキ
2023-07-01 22:36:39
32841文字
Public
Clear cache
★男女カプ二次創作まとめ
暗殺教室¦WIXOSS¦未来日記¦デュラララ!!¦ボカロ¦ネウロ¦フォーチュンクエスト¦ハピツリ擬人化
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
殺さないで、また明日(HTF)
・ハッピーツリーフレンズ擬人化
・覚醒フリッピー→フレイキー(僕っ娘)→フリッピー(登場しない)
・フレイキーが痛い目に遭う、ほんのり流血描写あり
____________
ナイフの切っ先は鋭く煌めいていた。掠めるだけで皮膚が裂けて血が滲むのだろうということは馬鹿なボクでもわかった。今すぐにでも逃げ出したかったけれど、ナイフを構えられたままで「動くと殺すぞ」と脅されてしまっていたので、その場で震えることしかできなかった。
「おい、」
低く呼びかける声はさっきまでのあったかい軍人さんの声とは程遠かった。冷たくて怖くて、言葉で切りつけられているみたいだ。
「ぁう!?」
何が起こったのか、一瞬、腕が、ナイフが動いたかと思うと頬が熱くなった。触って確かめたくても、動いたら殺されるからそうもいかない。ひりつく痛みが襲ってきてやっと、切られたんだということがわかった。どろりとした液体が頬をつたう。首を這う。生温かい感じが気持ち悪くって、ぶわっと鳥肌が立つ。目の奥が痛くなる。視界が滲む。それが気に食わなかったのか何なのか、とにかくひどく不機嫌そうに睨みつけられた。
「返事くらいしたらどうだ」
「うぁ、あ、ごめっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃ!」
「うるさい」
やだ。いやだ。怖い。怒らせてしまった。ボクはこの人が嫌だ。同じ軍人さんだけど、でも全く違う。元の軍人さんが良い。この人は怖い。何度謝ったって許してくれないからだ。むしろ、謝れば謝るほど眉間のしわが深くなっていく気がする。黙ってても、殺されるだけではあるけれど。
「ひっ、いた、いぃ
……
」
今度は肩。傷口が熱くて、目の奥も熱くて、涙が溢れる。次はどこを刺されるんだろう。痛いのは嫌だ。怖い。死にたくない。痛いのよりは死んだ方がいい? でもやっぱり怖い。早く楽になりたい。
「なんで俺を見ると逃げる?」
質問。ううん、質問と言うより拷問だ。けど、これを言ったらまた殺されるのかなあ。
「答えないと殺す」
なんだ。結局死んじゃうのか。怖いなあ。怖いよう。
「ボクが、お、臆病だから
……
」
「ああそうだな。おまえは臆病者だ。どうしようもないチキンだ」
「
……
うん」
何を、今さら。傷つくことがあるんだろう。
ボクは臆病者で、彼は乱暴者で、唯一軍人さんだけが優しくて強い素敵な人。何これ。じゃあ、ボクがいる意味はないよ。ただ、肩と頬が痛い。泣きたい。いや、泣いてるっけ。汗とか血とかいっぱい色んな液体が出てきて、わからないや。
「そして、
――
も
―――
だ」
「え
…
?」
呟くような声は聞き取れなくて、でも大事なことのような気がして、聞き返す。軍人さんの顔をした違う人は、ボクを睨みつけると、口角を上げた。
「じゃーな。また明日」
「っ、っあぅぁあ゛あ゛ああ゛あ!!!」
瞬間、歪な銀色が射しこまれる。心臓。熱い。こぽ、と血が、赤い。痛い。怖い。痛い、怖い死にたくない、どうして、なんで、怖い怖い、痛い痛い痛い、あちこち、痛い、よ、ぅ。なんで、
なんでボクは殺されないといけないんだろう? 呪いみたいな「また明日」。
あ、ああ、痛い痛いいた、
◇◇◇
フレイキーを殺さずに済むにはどうすればいい。
俺は、虚ろな目をしたフレイキーをじっと眺めた。動かないし、泣かない。あの耳障りな泣き声を聞かなくて済むと思うとすっきりする。明日にはまた顔を合わせることになるのだろうと思うと吐き気がする。
どうして俺達は生き返ってしまうのか、考えてみた。理由などわかるわけがないが、考えてみた。
もちろん答えは出ず、次はどうしたらこいつを生き返らさずに済むのかという問題に発展した。
地中深くに埋める? 八つ裂きにする? 海に沈める? 原形を無くすまで焼いてしまう?
いっそ食べてしまおうか。いいや、どれもきっと駄目だ。
俺自身が死ねばいい。でも、次の日にはまたリセットだ。毎朝俺が自殺すれば、フレイキーが残虐な俺自身の手で死ぬ確率は減るかもしれないけれど、そうするとフレイキーがはにかむ笑顔が永遠に見れなくなる。それは惜しい、かも、しれない。ああ、悩むのすら面倒だ。もう死にたい。けど死ねない。
もし、明日フレイキーが生き返らなかったら?
これ以上辛い思いをさせずにすむ。嬉しい半面、とても、とても胸が苦しい。
もし、俺以外の誰かがフレイキーを殺してしまったら?
これ以上怯えさせなくてすむ。一握りの安心。けれど、膨大な不安。彼女の死体を見れば、俺はここの住民全員を殺してしまうに違いない。
無慈悲な復活を繰り返す俺らに、フレイキーに、救いはあるのか?
とうていわからない話だ。
結局、彼女を失うのが怖い。
怯えられたって良いから、俺の傍に置いておきたい。殺したって良いから。
矛盾していることくらいとうの昔に気づいている。それでも、辞められない。
フレイキーに向かって、聞こえないようにひっそりと呟いた一言が、頭の中でもう一度響いた。
「そして、俺も臆病者だ。」
~END~
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内