ツキシキ
2023-07-01 22:36:39
32841文字
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★男女カプ二次創作まとめ

暗殺教室¦WIXOSS¦未来日記¦デュラララ!!¦ボカロ¦ネウロ¦フォーチュンクエスト¦ハピツリ擬人化



×回目の殺害、0回目の呼び声(HTF)


・ハッピーツリーフレンズ擬人化
・覚醒フリッピー→フレイキー(女)→フリッピー(登場しない)
・フレイキーが痛い目に遭う、ほんのりグロ描写あり
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………、っ!」

 首が横に振られる。何度も、首がもげそうなくらい勢いよく。唇を引き結んでいるのは、悲鳴が出ないようにするためかもしれない。小刻みに震えているのは、俺が怖いからかもしれない。

「なんで。なあ、なんで。」
………!!」

 俺が一歩近づくと、こいつは一歩離れる。縮まらない。むしゃくしゃする。俺の質問はいつまで経っても答えてもらえない。
 俺を見たくないのか何なのか、相手は目を閉じる。まぶたが降りると、瞳に溜まった涙が零れる。頬をつたう。触れようと指を伸ばす。爪の先が水滴に触れた瞬間、相手はさらに身体を震わせた。頭の裏っかわを掻きむしられるような不快感。
 もういい。触れようが触れまいが怯えられるんなら、もうどっちでもいい。

「やっ……!」

 後ろの木の幹に無理やり相手を押し付ける。勢い余って鈍い音がしたが気にしないでおく。こいつが頭ぶつけようがかち割れようが俺の知ったことか。
 常備しているアーミーナイフを取り出す。こいつは律儀に鋭利な音へ反応するもんだから、凶器はばっちり奴の視界に入った。驚きに目を見張って、いっそう涙を零す。俺の手首に、落ちる水滴。血液と同じ生ぬるさ。絶えず流れ落ちる。いつになったら涸れるんだ。

「別に泣いてもいいけどよ、」

 まずは腕、真っ白でか細い腕にナイフを突き立ててみる。皮膚がぷつっと破けて柔らかい感触を突き抜けて、ぐちゅぐちゅと弾力のある肉や筋の引っ掛かりを経て固い骨に当たる。さらけ出された断面は店で売っている肉となんら変わりない。
 血がどくどく溢れる。なんだか、俺とは全く関係ない出来事みたいだ。

「ぁ、ああ゛あ゛ああああ!!」

 濁った声が耳を浸食する。溢れる血と涙と叫び声。それで俺は少し現実味を取り戻して、呼吸が楽になる。
 ナイフを引き抜く。相手の身体が痙攣する。切っ先の分だけ空いた穴、そこに引き寄せられるようにして唇を近付ける。舐める。鉄錆のようなひりつく味。落ち着く。


「やだ、やだぁぁああ!ちが、かっ、返して、!」
「返す? 何を」
「あなた、ちっ違う……!ああ゛ああ゛あああ゛あ゛!!!」

 続く言葉はきっとうるさいだろうから、その前に今度は足を刺してみた。地面の雑草も、茶色い木の幹も、あいつの真っ赤な髪も白い太股も、次々と薄汚れた血液で汚れていく。


 もういい。別に、どうでもいい。


 返せとか、違うとか、どうでもいいんだよ。全部俺だ。何回言ったらわかるんだよ。何回泣かせたらわかるんだよ。何回傷つけたら何回刺したら何回殺したらわかるんだよ。

「別にもう、おまえ死んでもいいから、」
「やだやだやだあああ!!!返し、か、あ、」

 暴れようとするから、両足両腕全てをめちゃくちゃに切りつける。視界も服もナイフも赤に塗れる。涙だけが、透明。

「これだけ答えろよ。なんで、俺は駄目なんだよ。フリッピーは俺しかいない」
「いや、ちが、違ぅう……!」
「いい加減に、認めろ!!!」

 胸にナイフを付きつけた。

「っ、……

 こぷ、と水音がする。唇から血が溢れる。
 あーあ、また殺した。




「俺の名前、呼べよ」

 言うと、悲しそうな瞳がこちらを見つめて、けれど潤んでいた瞳の光は次第に失せていき、そしてぐるりと反転して死んだ目になった。もう俺のことを見てくれない。
 人形みたいに崩れ落ちようとする身体を支える。力を無くした身体はひどく重い。いたるところに血液がこびりつくのだが、なぜだかこいつを手放して地面に放っておく気になれない。
 木にこびりついた鮮血が綺麗で、それなのに俺はちっとも嬉しくない。


……死んだら、呼べないよな」


 呟いた。あと何回殺せば、彼女は俺を“フリッピー”と呼んでくれるんだろう。





~END~