サブさぶれ
2026-05-09 17:43:58
20837文字
Public ワンドロワンライ
 

ワンドロワンライまとめ

sgaoワンドロワンライのお題で書いた作品まとめです。
覚えているものはタイトルと一緒にお題とかかった時間も記録しておきます。


たくましさ withかっこよさ、かわいさ、(ずる)かしこさ

お題「たくましさ」

 林間学校は別行動でちょっと道迷ったりもしたからさ、今度からは一緒に動こうよ。

 ズルい事言ってる? 知ってる。だって、恋ってズルくてなんぼでしょ……って、部室に放置されてた雑誌に書いてあったし。
 優しさヘビー級の君の顔が一瞬曇る。過去の自分を責めてる顔。申し訳なさが一気に胸中に広がるけど、なんてことないフリをした。しょんぼり曇った顔はすぐに晴れやかな笑顔になった。ピカピカ眩しい顔が私を照らす。

「そうだな。今度は、一緒に!」

 こうして無事にブルレクの約束を取り付けたのでした。さて、今日こそ君に「好きだよ」を伝えなくては。

*

 放課後。空飛ぶタクシーでキャニオンエリアまで行く。2人用のシートはとても狭くて、向かい合わせでギュウギュウ詰められる。揺れる度に剥き出しの膝がぶつかって「ごめん」のラリーをする。同じくらいの身長なのに、私よりはるかに骨と筋の浮いた足。ややじっとり汗ばんで、でもそれは私も同じで。
 暗いゴンドラの中、君の顔が熱い色に見えたのは、期待していいってことですか。——勝手に、そう思っておこ!
 タクシーを降りてゴツゴツと立ちはだかる険しい岩山に向かう。今回のお題は『高い場所から空を飛んでいるポケモンを撮影すること』。頂上目指して登っていく。約束した通り、一緒に。
 スグリは「ポケモンっこ飛び出して来たら危ねから、俺が先導するな」と行って、一歩先を歩いてる。スグリが一歩踏み出す度、細いふくらはぎがピキリと硬くなる。男の子の、たくましい足。
 不意に性差を感じてドキリとする。ねぇ、どうしてこんなところまでかっこいいの。ズルいよ。
 暴れる心臓と炎タイプになった顔を持て余して君を見上げる。スグリは何やら心配そうな顔で私を振り返っていた。

「アオイ? 何かちょっと元気ないけど、どうした? もしかして登んのしんどかった?」
「う、ううん! 平気! ちょっと考え事してただけ」

 君のこと。みっちりギッシリ、爪の先まで埋まっちゃうくらい考えてました。
 スグリがふんわり笑って私の方へ一歩戻ってきた。

「そっか。真面目なのはいいけど、岩山登ってる時は危ないから気ぃ付けて」

 そう言って、手を差し伸べてくれて。手を引いて支えながら登っていこうと誘ってくれる。手助けしたいと申し出てくれる。
 パルデア全土より広い優しさと、自覚ナシのかっこよさに胸のキュンキュンが止められない。好きって気持ち、これ以上増やされたら大爆発しちゃうよ。
 差し出されたままだった大きな手を見る。そして、首を横に振った。

「ありがとう。でも今日は、このまま……。後ろからついて行かせて」
……そう? でも、しんどくなってきたら言ってな」

 今日はこのまま。君の盛り上がるふくらはぎを見ていたい。ああ、私って変態だったのかも。今の気分で告白ってのはムードじゃないから、また次回——今度は平坦なコーストエリアかサバンナエリアにしよう。



 勇気を出して手を差し出した。手を繋ぎたいって下心があるか? あるに決まってる。恋はズルくてなんぼって、部室に置かれてた女の子向け雑誌に書いてあったし。

「今日のブルレク、一緒に行こうよ」

 アオイからの最強めんこいお誘いを受けてからずっと。狭いタクシーで膝がぶつかりまくってからはもっと。自覚しあいながらアオイに触れたいと思ってた。繋いだ手から「好きだよ」が伝わればいいと思った。
 だけど、断られた。このまま後ろからついて行きたいって。
 ううぅ……。俺が支えながらなんて無理だべって思われたのかな。気持ちは分かる。ペパーとかアカマツに比べても、俺ってヒョロヒョロだから。全然筋肉とかないし、頼りないって思われても仕方がない。
 最近始めた筋トレ、しんどいとか言ってないでもうちょっと頑張ろう。それで、アオイに「たくましくてかっこいい!」って言ってもらうんだ。