「あいつが上手に鳴けるように教えたのは俺」
などと珍しくも露骨な殺傷力のある言葉で、得意げに、一文字號が殴られたと思ったのは正月一日だった
「たのむ隼人勝たせてくれ」
つまり合法的に取り上げさせてくれ、でなきゃお年玉くれ
賭け麻雀は刑法第一八五条に余裕で引っ掛かる筈であるが
「水道屋がとうとう元栓閉めに来て、ガス屋もボンベ持ってくらしいんで、押しかけ弟子達が勝手に実力阻止しかねねえんだ」
「
―――俺の母方のひい爺様は、正月の挨拶に行った時、年に一回だけ口をきく人でな
幼稚園児の頃から俺に盃を持たせてこうとだけ問うのがお約束だったさ」
いくつになった 流竜馬
「三十××だよ申し訳ねえな‼」
何でも出会った頃には役の名前も知らない、花札もポーカーも麻雀もぴよぴよの素人だった「元学生運動家」少年を、流竜馬は早乙女博士と共に夜ごと散々弄んで玩んで、愛ある嬲り方をしたものだという。
だがしかし、社交上でも遊び方を知る事に有用性のある遊びであれば、遅まきながらも彼が学ばない事があろうか、まして一人置いて行かれた彼なら?
ちらりとの一瞥だけでカウンティングをしてみせられたらしいポーカーの後で、竜馬は早くも新年の挨拶の真の目的をたれながしている、五十三を頭に十人そこらの弟子が勝手に待つ道場の窮状を。子の養育費で手一杯な者、裏山で自殺しかけていたのを引きずって帰って来た者達に「これ以上馬鹿な事はさせられねえ」など言う竜馬だったが
『家電がまだ生きてるなら言ってやれ』と隼人は號にさらりと命じた、今夜は徹マンだと
さんざん鳴き方を教えてもらったお礼だってよ、と電話口の號は悪い櫻井声で笑った
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