akinoshiroihana
2025-12-19 00:47:12
9571文字
Public
 

名刺置き場14

25年末スタート




「盆に」は東映で早乙女夫人が墓参りするのに竜馬が付いてく回ですね。
出先で案の定メカザウルスが出たでござる


「Yule Catか」
「なんだって?」
あさま荘三人部屋への郵便物を纏めて受け取った隼人が、彼宛ての郵便物を見付けたらしい
「アイスランドのクリスマス妖怪、かな。新年に新しい服―――んん、きちんとした格好してねえ奴を取って食う猫様。『男所帯だからってだらしなく過ごさないように』ってことかな」
盆には他県への墓参りも敢行したが、やはり際どい思いをした結果、クリスマスも正月も家には帰らないと決めた彼らだった
「きちんとか、それくらいなら大丈夫、俺も武蔵だって心するさ」
絵葉書には雪深い山間の村を見下ろす、小山のように巨大で長い飾り毛の北欧猫が、赤いリボンを纏った艶やかな黒い体の中に、凍てつく冬の空の星座をいくつも散りばめてにまりと笑っている。邪悪とするには明らかに機嫌よさげな美人猫を目指して描かれているが、その瞳孔の無い金色の目はなるほど化け物だ
もしくは俺達のゲッターの目みたいだ、などとポジティブな竜馬は絵葉書をつらつら眺めて思う、と、もういいだろ、と隼人が幾分強引に絵葉書を取り戻していった。白と黒と赤で描かれたモデルが自分のパイロットスーツを連想するのが容易いからか、宛描きされたような気にでもなるのかと竜馬はくすり笑い、『綺麗にしているあなたは私も好きよ』など外国語で描かれていた彼の姉からであろうメッセージには気付かなかったふりをした。

そのあと、いや自分のイメージでなら隼人はむしろまっ白な猫でもいいんだけどなと武蔵相手に朗らかに言いかけた竜馬は「なんで。こっから赤で、黒で、」とジェスチャー付きで反論されると「えっだって」と言いかけたところでみるみる真っ赤になり真っ青になってから風花のちらつくグラウンドに凄い勢いで飛び出していった。もっと人格的なイメージか、それとも担当機の話をしたかったという話なのか。いやそれにしては青春期の情緒としてもあまりに激しいその反応は、彼は彼の主観で、なにやらあけっぴろげに他人と話すには憚られるような戦友のイメージを思い描いていた可能性もある。

なにぶん猫というものは、基本素っ裸だ。

陽だまりのある十二月。