akinoshiroihana
2025-12-19 00:47:12
9571文字
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名刺置き場14

25年末スタート



リアルウマヅラハギの写真使ってみたら自分が大ダメージでやりなおし
(ショックでフォントも可愛くしてみました)



「大変だ神司令」
そう入って来た通信は 
「カムイがキモイ魚釣ってきちまった」
いちじるしく緊張感を欠いていた

「ウマヅラハギ」は日本海側で捕れる魚だという。
だが流竜馬の道場があった一帯は麓の住宅用地も含め真ゲッターが消滅させて久しく、その息子である筈の拓馬が育った「帰らぬ道場主を母が守る」山奥の道場とはいったい如何なる地所にいかなる由来で存在したかとんと知れぬ。神隼人もそれを問いただしたことは無い。

「魚に人相じみたのや表情が出てるヤツはスーパーに出回らねえんだよ怖がられるから」とは獏の言ったところだが、恐竜帝国ではそれが猿猴人類に似ているところがむしろ好まれるというし、品種自体が哺乳類じみた面構えであるその魚についてはどう料理しても旨いこともあり、カムイがリリースを断固拒否したのだという

「あれは皮を剝ぐのが面倒臭い、外側だけじゃなく内側まで」
標本にするなら表の皮剝ぎだけで済むのだがとため息交じりにもつらつら解体方法を伝授する神隼人からの通信がつまり、このどんよりとした白黒の魚を到底台所仕事じゃないような音と共に包丁で捌き、薄紅色の切り身に変え、表情少ないカムイの目を見張らせ、何か軽はずみな事を言ってしまわぬようにとでもいう風な深呼吸をさせた事もあるのだろうと、ええこんちくしょうと、拓馬はまだ煮付けにも鍋にもお造りにもなってないが切り身状態までは到達しつつある獲物と格闘中である。
「拓馬」
「ああなんだよ!」
「お前も今身体で理解しているだろう、
 帝国の母達はこういう物を軽く捌けねば一人前と認められん

 だから男たちも黙って従うのだ」
「うん……うん?」

何故かそれで彼と神隼人の信頼関係について解説した気になっているらしいし、同じことに挑戦して何とかやりこなそうとしている自分に対しても大切な秘密を共有することで返礼したつもりらしいカムイに、『止まない雨は無いよりその傘をくれ』とかそういう歌詞を思い出す拓馬だった