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pinopipi
2025-11-07 17:28:47
16596文字
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水龍の愛は深海より深く
神様時代に結婚してたヌヴィフリが予言後に別れた話
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「ヌヴィレット。僕と別れてほしい。」
フリーナがそうはっきりと私に告げたのは予言後少し経ってからだった。
彼女は実は所謂、神の片割れ。魔神フォカロルスから分離した人性の部分ーーーつまり、神の力を持たないただの人間だった。
彼女は本物の水神フォカロルスの呪いによって500年もの長きにわたり水神の役を演じ、見事天理を欺きこの国を救った。
フォカロルスが亡くなり、呪いが解けた今、彼女の寿命はせいぜいあと数十年だ。
私達にはまだ時間があるからと、あれ程悠長に構えていた過去の己の甘い考えに絶望した。
そして、フリーナから告げられた別れの言葉。
それはそうだろう。500年の苦痛に満ちた献身の末、彼女は与えられた役を演じきり、やっと自由の身となれたのだ。
数百年共に過ごしても愛することができなかった男との関係を継続する理由などない。
これから彼女は人間らしく幸せに生きるべきなのだ。
…
そう、彼女の新たな舞台を飾る役者に私は相応しくない。
「ごめんね。もうこれ以上この関係を継続してもキミを傷付けるだけだから。
…
僕はこの先もヌヴィレットを愛することはないと思う。もう演じるのは疲れたんだ。だから僕を解放してほしい。お願いだよ。」
これがフリーナの本心なのだ。以前より薄々感じてはいたものの、本人の口から改めてこうはっきりと言われてしまうとなかなかに堪える。
しかし、やっと彼女が本心を打ち明けてくれたこと。内容は何であれ、それは喜ぶべきことなのだ。
むしろ、あえて明確な言葉で振ってくれたことは彼女が誠実であるからこそだ。
であれば、私も最後まで誠実に応じなければならない。
「
…
わかった。今まで私の我儘に付き合ってくれたこと、心から感謝する。君と過ごせて私はとても幸せだった。これからはどうか、君の思うまま幸せに生きて欲しい。」
なんとか微笑むので精一杯だった。
これ以上傍にいたら、彼女を取り戻したくなってしまう。
…
いや、最初から手に入れてなどいなかったが。
だから、私は逃げるようにその場から立ち去った。
もう彼女の前に姿を現さないようにしなければ。
私の名も、きっと聞きたくないだろう。
何故なら私は、かの裁判で彼女を酷く追い詰め、傷付けてしまったのだから。
ゆえに、これは罰なのだ。
これから先、彼女が人として幸せに生きられるよう見守ること。
それが唯一私に許された、彼女への愛し方だった。
もう愛を伝えることはしない。彼女に迷惑はかけない。
だからどうか、密かに想い続けることだけは許して欲しい。
400年以上恋焦がれ、愛し続けた彼女を今更忘れるなどできそうにない。
彼女は、フリーナは、私の全てだった。
…
フリーナ、すまない。暫く、雨は止まないかもしれない。
だが、この恋を失っても君とフォカロルスから託されたこの国を蔑ろになどしない。
我が生涯を懸けて守る。
それはきっと、君の幸せに繋がるはずだと私は信じている。
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