DRRV11037
2025-09-30 17:46:19
16304文字
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DRRV:1章地下道編



地下道


トンネルの中は幸い明るい。反響する靴音と、更にその下から微かに聞こえる水のさざ波を除いては何の音もしない。石畳の床を早足で進む私たちの靴を、非常灯が不気味な蛍光色の緑に染めていた。まるでこれから、何か危険なことが起きるみたいに。

「!」
正面に冷たい鉄製の扉を見つけた私は、鉄柵を両手で握りしめると、決して軽くはない体重を込めて力一杯押した。すぐに追いついてくれたみんなのおかげで、硬い扉も開かれる。

私はほっとした。大丈夫。順調に進んでる。

そうして歩みを戻したときだった。ちょうど真下から、バーナーの炎の吹き出す音がした。

「!?なっ、何?」
私は飛び上がってその音から逃げた。振り返ってその床を見つめても、何の変化も見受けられない。幻聴?ドッドッと跳ねる心臓を押さえつけながら、そう訝しむ。

先へ進もうと、私は正面を見据えた。

「何、これ」

金色の卵のようなものが宙に浮かんでいる。その全てにひとつずつ、あのモノクマの赤く鋭い目を模したマークが刻み込まれている。天探さんの言うとおりだった。ここには罠が仕掛けられているんだ。黒幕はこの通路のことを知っていたんだ。急に恐ろしくなった。

それでも、もう進むしかない。私は慎重に卵の下を潜っていく。

大丈夫、大丈夫。

私は床に片手をつき、大きな段差を下りる。

また金色の卵が空中に並んでいるのが目に入った。頭上で不気味に笑っているみたいだ。

でも、大丈夫、大丈夫。

───そう信じていたときだった。

まるで見計らったかのように、金色の卵が空中から落下した。血の気が引くよりも早く、私はほとんど反射的に飛び退いていた。卵は床に届いた瞬間、光を放って爆発した。オレンジ色の爆風が私の緑のスカートを揺らして吹き抜けると、目の前がちかちかした。

「さ、榊くん、これ!」
私は振り返って叫んだ。榊くんはまだ、段差を下りる前だ。この金の爆弾の危険性を知らない。後に続くみんなに警告しなきゃ。

「四葉ッ、危ねー!!!」
榊くんが必死に手を伸ばして叫び返した。

───え?

爪先をくるりと向けて振り返るともう、私の胸に触れるほどの距離に、浮遊移動する黒色の卵が迫ってきていた。

───あ、ぁ。

逃げる余裕も避ける時間も、私に残されてはいなかった。

閃光が私の目を眩ませる。心臓を揺さぶって持ち去るほどの爆風が私の身体を吹き飛ばすと、意識は闇の底まで落ちていった。