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真九龍
2025-09-10 19:48:53
48337文字
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小説
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【鳴ライ】Sweet and Crisis
鳴海×ライドウで、”二人で女装”して潜入捜査するお話。
ラストのページはあとがき、と言う名の裏設定になります。
注1:両想いな鳴ライになっています。
注2:ライドウremaster版をプレイ及びクリア済み。ゲーム本編のネタバレが含まれます。
注3:攻めの女装表現が含まれます(勿論ライドウも女装します)。
注4:間接的ですが、名も無きモブの死亡表現が含まれます。
注5:女性軽視表現が含まれます。
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─伍─
「ナゼ、ワレガ、ノケモノアツカイ、ナノダ
…
ワレハ、ライドウノ、オメツケヤク、ダゾ
…
ワレノナハ、ゴウトドウジ
…
カツテハ
…
─
…
」
(何を言っているのかは分からんが、強烈に落胆していることだけは理解出来る
…
)
車の後部座席で、ゴウトは絶賛不貞腐れ中だった。ゴウトがブツブツ呟いている言葉は、前席で着席中の定吉と運転手には、猫が低く唸っているようにしか聴こえない。しかし、どんよりとした空気を纏い、首を垂れ、尻尾を落とす姿を見た定吉は、ライドウの発言が余程応えているのだろうと覚る。
「ゴウトちゃん、定吉ちゃん。おっ待たせ~」
「お待たせしました」
「うぇえっ?!だ、誰ですか?!」
「落ち着け、此の二人は変装した鳴海殿とライドウ君だ」
高身長の女性二人が後部座席に乗車したら、驚くのも無理は無い。運転手は間抜けな声を出して狼狽えるが、定吉の冷静な指示を耳にし、落ち着きを取り戻す。そんな定吉は、運転手に二人は遅れて来ると伝えたものの、二人が女装中である事を伝え忘れていた為、こっそり自己反省するのであった。
「遅いではないか!独りしょぼんとしながら待つ我の身にもなってみろっ!!」
「す、済まない
…
どうしても、鳴海さんに話したいことがあって
…
」
「だからと言って我を外す必要が
…
ん?ライドウよ、顔色が少し悪いように見えるぞ
…
慣れぬこと故に、緊張しておるのか?」
「
…
!だ、大丈夫
…
お茶会で沢山食べれば、元気が出ると思うから
…
」
「
…
そうか(体内MAGが減っているようにも感じるが
…
まあ、此の道中で多少は自然回復するだろう
…
)」
ライドウが後部座席に着席すると、ゴウトは彼の膝の上に飛び乗り、不満を一気にぶつけた。しかし、化粧を施しているとはいえ、ライドウの顔色が少々優れないことに気付き、指摘すると、あたふたしながら問題無いと答えた。体内MAGの減少も察知するが、本人が何も無いと言うのならば、此れ以上のことは何も問わないゴウトだった。
車が発進し、向かう先は晴海町の海軍省。到着すると、降車した二人の女性にどよめく海軍兵達だが、定吉が急ぎ説明し、直ぐ収束する。鳴海とライドウは海軍省で暫く待機後、時刻が近付いたらそれぞれの指定場所へ移動し、鳴海、ライドウの順で降ろすことになる。
「ライドウ君。今のうちに管をブーツに仕込んでおいてくれ、残りは刀と共に私が預かっておこう」
「あ、はい。えーっと
…
」
何時も装着している退魔の刀とホルスターは、変装の都合上持ち込めない。ライドウはホルスターを手に持ち、固定された封魔の管を見詰める。俺を連れて行ってくれ、女子会ならあたしの出番でしょ、某が力になろう、行ってみたいねお茶会に、オイラが悪い悪魔を燃やしてやるホ、ゥオレの槌を悪魔に打ち込んでヤルゥウ、と、同伴を求める仲魔の声が、ライドウの耳に届く。
正体の掴めない悪魔は、犠牲者の血液を吸血した結果、変異し、力を得た可能性が高い個体と睨んでいる。
力を得れば得る程、悪魔の洞察力は由り研ぎ澄まされ、由り敏感なものになる。
高位の仲魔では気配を察知され、逃亡を赦す、或いは参加者を無差別に襲うかもしれない。
退魔の刀は持ち込めない為、吸魔の発動は不可能だ。
鳴海がMAG回復道具を少し持参するとはいえ、数に限りがある。
全員連れて行くことはやはり難しく、同伴可能な仲魔は二体までだ。
遺体発見現場に落ちていた香木は、現時点で唯一の証拠。
悪魔としての位、MAGの消費量、鳴海が所持可能な回復道具の数、定吉が退魔の刀と管を届ける間の繋ぎとして、最も適応した仲魔は、
「
…
決めた」
『やったー!ライドウの為に張り切っちゃうホー!!』
『ルゥアイドオォォッ!俺様の力が必要なんだナアァァァッ!』
封魔の管をホルスターから二本取り出し、袴の裾を捲り、ブーツに仕込む。ライドウに選ばれた二体の悪魔は歓喜の声を上げ、選ばれなかった仲魔達は残念至極と嘆き、退魔の刀と共に定吉の手元へ渡る。因みにだが、定吉は邸宅外で待機することになる為、晴海町の住民らしい格好に変装済みだ。
『ライドォ~ッ!女子しかいないお茶会は、あたしの出番でしょぉ~っ!』
「やれやれ
…
今際の別れになる訳ではないだろう
…
」
「鳴海殿には、此方を渡しておこう」
「お、きたきた
…
!陸海軍共同開発の秘密道具
…
!
…
?なんか、受話器みたいだな」
定吉が鳴海に渡したものは、受話器のような形をした機械だった。通話で使用する受話器と異なる点は、長方形型で、アンテナ様の棒と幾つかの押しボタンが付いていること。傍から見れば、小型及び軽量化に成功したラヂオにしか見えない。しかし、此の機械は陸海軍の共同開発で生まれたもの。単なる機械ではないと、鳴海は睨む。
「此れはトランシーバーというものだ。電話機は導線を介して音声を繋げるが、此のトランシーバーは導線無しで音声を繋げることが可能だ」
「
………
─
…
ふぅん?中々恐ろしいものを作ってくれたねぇ
…
何か”どでかいこと”でも企てているのか?」
「
………
未だ試作段階故にノイズが入り易く、少々聴き取り難いかもしれんが、役には立つだろう。ボタンを押せば、音声が繋がる。貴殿を指定の場所に降ろした後、一度試してみよう」
お世辞にも仲が良いとは言えない、帝国陸軍と帝国海軍。其の両軍が手を取り、共同開発した意図を何となく察知した鳴海は、皮肉を込めて定吉に問う。当然、定吉は回答をはぐらかし、トランシーバーの現時点に於ける欠点と、其の取り扱いについて答えるのみ。
鳴海は不満を露わにするも、退役した身である以上、深追いは厳禁。今は目の前に立ちはだかる奇怪な事件を捜査し、ライドウと共に解決することが先決だ。
「
…
指定された時刻が近い。ライドウ君、鳴海殿」
「ああ、行くとしますか」
「はい」
「いよいよだな」
海軍省を後にし、車に乗り込んだ三人と一匹は、鳴海の招待状に記された指定場所へと向かう。其処で鳴海を降ろし、ライドウとはお茶会開始まで暫しの別れとなる。次に、ライドウの招待状に記された指定場所へ向かい、ライドウを降ろす。此の時ゴウトも降車しようとしたが、猫を連れて行くのは流石に可笑しいと判断した定吉がゴウトの首根っこを掴み、降車を阻止した。ゴウトは招待状に”動物同伴不可”とは記されていないと抗議するも、定吉と共に待機してほしいというライドウの言葉に止めを刺され、力無く項垂れるのであった。
去り行く車を見送りながら、目印となる仮面を装着する。数分後、声を掛けられ振り向くと、何時かの警備役が迎えに来た。警備役に招待状はと尋ねられ、ライドウは緊張しながら招待状を開き、差し出す。招待状に眼を通した警備役は、ライドウをお茶会の参加者であると認識し、初老婦人の邸宅まで誘導する。正門に辿り着き、門を潜ると、正門が閉じられ施錠される。帰りたい時は、正門の警備役に一声掛けると、開錠してくれるそうだ。
警備役に手を引かれて着いたのは、花壇に季節の花咲く広い庭。テーブルの上にはティーポットとティーカップが配置され、色取り取りのお菓子が皿に並ぶ。強行突破することなく、穏便に潜入出来たことに胸を撫で下すライドウであった。
(鳴海さんは
…
あそこだ)
周囲を見渡すと、女装した鳴海が視界に映る。お互い高身長である為、直ぐ認識出来た。鳴海の傍に駆け寄りたいが、名と顔を伏せたお茶会という名目上、面識が有るような行動を取ると、不審の眼差しを向けてくる者が居る筈だ。ライドウは逸る気持ちを抑え、鳴海と一定の距離を取りながらお茶会に挑む。
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