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すなつき
2025-06-19 00:07:01
13996文字
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ウサギの嫁入り
黒毛のオオカミシリオンの中、ひとりだけ白い毛並みで生まれてきたことにより一族からその存在を疎まれてきたライカンと、
そのライカンの楔となるために番として選ばれ、はるばる嫁入りしてきたウサギシリオンのアキラ。
彼らが互いを知り家族となるまでの話。
Xにて投稿分をひとつにまとめました。
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害虫駆除編
「なかなか綺麗な顔してるじゃねぇか。あの"不足"にはもったいないヨメだなぁ」
「ほんと、男じゃなかったら俺がもらってるくらいだ」
ガハハと馬鹿みたいな笑い声をあげる名前も知らない黒い毛並みの狼シリオン相手に、アキラは穏やかに笑みを浮かべて見せた。
ただ穏やかなのは表面上だけで内心では今にも握った拳が顎の下目掛けて飛び出てしまいそうなのを、摘んだ花を握り潰してしまわぬよう心がけることでなんとか自制していた。
「申し訳ないけれど、僕の旦那様はフォン・ライカンただひとりなんだ」
「そのひとりが、"不足"じゃあ夜は満足させてもらえねェだろ」
「は?」
あのもふもふを抱き締めて眠る夜に満足できてないわけがない。文句のつけようもなく大満足だ。星5評価だし長文レビューもつける。僕だけが堪能しちゃって悪いね、って煽り散らかしもする。
男たちはアキラの顔色が変わったことにも気がつかず下世話な話で盛り上がって何とも呑気なことであった。
うーん、この集落やっぱ変。おかしなところがあった時はどうするんだったかな。ええと、確か。
(そうだ、燃やす、だったかな)
火力足りてる〜?と脳内に飛び込んできた知り合いの顔をなんとか隅に追いやってアキラは口を引き結んだまま男どもを見上げた。
こんな集落でも燃やしてしまったらライカンが悲しんでしまうかもしれない。万が一、いや、億が一でも可能性があるならアキラは実行するつもりはない。
のて、ふう、と静かに息を吐き出して自分を落ち着けた。
「でもよォ、この顔なら俺ヤれそうな気がしてきた」
「お前マジかよ!いくらウサギのシリオンで可愛いからってコイツ男だぞ」
「いやでもほら、後ろからならそんな気になんねェだろ?」
「うわ、欲求不満でおかしくなってんじゃねェのか」
「
…………
」
前言撤回。やっぱ燃やそ。火力アップにますはニトロフューエルを仕入れて
……
。
ハァ、とあからさまなため息をついて、盛り上がる男たちから後ずさるように一歩踏み出す。
「ほら、味見するくらいなら良いだろ? こいつもあの不足より俺の方がイイって善がるかもしれねェし」
「なんだよ、足だけじゃなくてそこまで不足なのかよ」
そのまま逃げてしまえば良かったのだが、アキラとて善人ではない。耳障りな笑い声をあげる男たちの言葉にブツンと堪忍袋の尾が切れてしまったのもあって、踏み出した一歩は踏み込みへと変わった。
そのままウサギ相手に警戒なんて欠片もしていない男どもの股間にむかって、アキラは躊躇いもなく脚を振り上げた。
(おかえりなさい、アキラ様。何か良いことがありましたか?)
(ただいまライカンさん。うん、嫌な虫が始末できたよ)
(虫
……
?)
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