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kumazaregoto
2025-05-30 10:41:24
17517文字
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智慧灯明因習村だよ 1日目
橿本借りました
のさくさんの因習村はこちら→ 明日に選ばれし者たち
https://privatter.me/page/6961a7feb5965
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「これが、この村に伝わる話、です」
東雲がふう、と息を吐いた。不思議なことに村の伝説を話す東雲の言葉は、拙いながらも吃ることなく続けられた。彩貴が内心関心していると、橿本の口が興味深そうに緩められた。
「ほう、怪異
……
化け物がこの村にいたのか」
「はい。なので、村では化物を退治してくれたその旅人に感謝をする祭りがあるんです」
祭、と彩貴は復唱する。
「その祭は近いのか?」
「えっ?あ、はい
……
どうしてわかったんですか?」
「さっき村長がその様なことを言っていた」
漏らした独り言から聞いただけだがな、と思いながらも彩貴はそれ以上はと口を噤む。その答えに納得したのか、東雲はああ、と頷いた。
「そういうこと、でしたか。傭兵さんの言う
……
通りです。もうすぐその祭が、始まります。祭といっても、いろんな国を旅したお二人には、とても小さな、お祭に見えると思います、けど
……
」
東雲が自嘲げに眉尻を下げて笑うと、今度は橿本が口を開いた。
「自分は白月村の祭は気になるぞ。祭とはその土地独自の文化を持つからな。そこに大小の関係はなかろう」
なあ灯明の、と彩貴に前髪で見えない目を配らせる。見る者が見ればただ同意を求めているだけの仕草だが、それ以外の意味を孕んでいることを彩貴は理解していた。
視線を受けた彩貴がはあ、とため息を吐いてからそうだな、とぶっきらぼうに応えた。
「その祭は具体的には何をするんだ?」
「あっ、えっと
……
にぎやかなお祭、じゃないんですが、村の近くにある神社に、今年も無事で過ごせました、来年も守ってください、と神様になった、その旅人にお祈りするんです」
東雲は手を合わせて神前に祈る格好をしてみせる。
「最後に巫女が舞って終わり
……
なんですが、この巫女が、小夜なんです。だから、村長も安心した
……
と思います」
儀式における巫女の重要性は、形は変われどこの日の本において高いことは変わらない。村長のあの安堵のような吐息の理由は、娘が病床から復活しただけに留まらないと理解すると、そういうことか、と彩貴は呟いた。
鍋から漂っていた残り香も、うっすら上っていた湯気もいつの間に消えている。灰を燃やす小さな火をぼんやりと見つめていた東雲が、そうだと顔を上げた。
「
……
今日は、もう、遅いですね
……
狭い家ですけど、どうぞ、休んでください」
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