akinoshiroihana
2025-04-14 21:32:47
13014文字
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名刺置き場3

2023手術入院ひまつぶしゲッター



●去年の名刺をラストだけお下品にしたら文字数オーバー

『ある日坊やが銅貨を拾った
 いいものみつけた!これで何を買おう?
 リンゴかな?やーめた、芯を捨てなきゃならないもの
 オレンジかな?やーめた、皮を捨てなきゃならないもの
 そうだ、イチジクを一袋!』

なんていうのは南欧の民話の冒頭か。この後坊やは狐と知恵比べをするのだったか、それとも行きずりの悪魔相手だったか
つまりこいつは皮ごと食べてもいいってことなんだろうか、と小腹が空いた竜馬は冷蔵庫を覗いて考え込んだ。

肥後守で鉛筆を削ることは造作も無いが、台所包丁となるといささか勝手が異なるし、手の上で豆腐を切るのなど見るだけで背筋がぞわぞわする。秋色を帯びてきた冷蔵庫のベンチ入りメンバーの梨や柿はつまり彼にとってやっかいな相手であり、無花果の小籠を手に彼はうーんと考え込んだ

「なんだい冷蔵庫荒らしはムサシの十八番だろ」
「言うなよ、なあこれ丸かじりして大丈夫かな」
「さあ」

童話のその坊やは、剥くとヌメヌメして食い難いってことじゃねえのかなあ、と言いつつ隼人がペティナイフを手にする。だから俺はあんまり好きじゃねえんだ、家の庭に生えてたからよくデザートにも出たけどよ、と。
「ヌルヌルしてるし中身内蔵っぽいし食感がぐちゃってしてるからお子様にはさ」
「気持ちはわかるけど今言うか?」
「悪い、生ハム巻いてやるよ」
「おっ、よく知らないけどうまそうだ」

オリーブオイルと黒胡椒で薄化粧もしたそれをテーブル向かいから受け取り一口
「ああ、そういえば子供の時といや」
「ん?」
「こいつが白いねばねばべたべたした汁を出すのも直感的に気持ち悪かったん
 だよなあ。ガキの時分でも本能的にわかったっていうのかね―――おい?」

竜馬はテーブルに突っ伏していた。
カレー食べながら〇〇〇の話をするな的な物件であり、流竜馬は目の前の狐だか悪魔だかに手ひどくやられたらしかった。
そしてそれからどれほど経った後の事か、

おい隼人、これは絶対お前が苦手そうなものが出るから!気持ちは嬉しいけd
こんな時に食い物の話とか無駄な親切心とか出してんじゃねえよ馬鹿野郎!

そんなちいさないさかいもあった、食堂ではない部屋で、小夜更けて