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akinoshiroihana
2025-04-14 21:29:56
13333文字
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名刺置き場4
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竜隼、東映G某話的な
あたたかなベッドで毛布に包まれて
ゆるゆると覚醒した彼は傍らに誰かいると知ればかすかに微笑んで安堵させたあと白い天井をぼんやり見上げ、あの戦場で何が起きたのだったかを整理すべくゆっくり何度かまばたきをした後
物凄い勢いで上体を起こしてやりやがったなこの野郎と叫んだ。
砂丘地帯で起きた思わぬ白兵戦、最後の敵を倒した際の、もう少しで静脈だった「とんだドジ」
すっ飛んできたあいつが「ちくしょうしなせるものかしなせるものか」って全部平仮名だったから、不味いなこれは小学一年生版の世界じゃないかと思ったんだ
———
小学校児童向けも話が進むほどに中身のハードさは変わらなくなっちまいますからね、戻るならカタカナにフリガナが振ってある幼稚園雑誌まで戻らなくちゃ、と彼は小松原作画監督回ばりの長いまつげを伏せため息をつく。
それで「大丈夫だ俺はO型だから誰にでも輸血できる」と昭和みたいな事を言い出したから、
「落ち着け平成が始まってすぐのヤンキーギャグ漫画でもそれは否定されていたぞ」
「えっほんとだ、森田まさのり先生そういうところは真面目だな!」
「しかしなんで昔の漫画アニメは血液提供ネタがやたら多いんだ」
「当時の定番お約束じゃないのか俺たちのアニメ没回にも『最後の一滴までだって君にあげるよ』なんて台詞が」
そうか俺のこの異様なやる気はその果たせず終わった有り余る献身欲か、ところで最後の一滴までってなんだかやらしくないk「黙れよ」
と落ち着かせようとしたのだけどごまかしきれなかったらしいです。
「まあいいさ、それをいうなら」
「なんだい」命に係わるほどではないが、失血のショックでぶるり震え、自分でも冷え切って紫になっているとわかる唇を噛みしめ気味に隠しつつ、彼が聞けば
「漫画の神様作品なら気絶してる間の強制輸血で人命救助してた!」
「なっ」
覚えているのは「すまない」というあいつの言葉が近すぎるところから聞こえたことだけ、多分直後に落とされたのだろう、首に何か当たったような逞しい腕が巻き付いたようなはたまた両手で顔を掴まれたような、とにかく一気に脳味噌を酸欠にされ抵抗を奪われ、肩に担ぎ上げられる重量と体温を自分とは違う汗の匂いと熱に鼻孔と肺を満たされていくのを最後に感じた。青年二人が不毛な理由でもみ合ったその図は、金田伊功による濡れダイバースーツ場面のように、ねらって描いたわけでもなさそうなのに約50年後に見てさえ理不尽にエロいことになっていたが、それを落とされた彼が知らずに終わったのは幸いなるかな
で、次に気が付いたらこうなっていたわけですが
一体、本当に輸血の必要があったのでしょうか
「すまないが、それは今となっては私にもわからない」
あたかも遠大な宇宙の謎みたいに言ってのけて、早乙女博士は踵を返した
あろうことか1リットルの輸血の痕跡が認められた竜馬は流石に寒気がするといって親子丼を平らげ、腹ごなしだと5キロほど走り込んだあと、寝たそうだ。
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