akinoshiroihana
2025-04-14 21:27:48
16099文字
Public
 

名刺置き場5






(相互様とのツイートリサイクルと、ちょっぴり何か。このシリアから命からがら逃げた子は、今大学生です)


「上段のこれ何だよおっさん」
「梅の味噌漬けを隼人が置いてった」
「下は」
「機嫌がいいときマカロン焼いてくれる卵の白身」
「何があったか聞かねえけど早めに仲直りしろよ……

ほかに冷蔵庫に転がるのは幾袋かの木の実、しかしジップロックに詰められた棗は業者でなければこうも上手に干せたものではないし、皮付きで薄汚れて見えるカシューナッツはその方が栄養価が高いからだ。
恐竜帝国との決着が着いてからこっち、俗とは縁を断ち切ったと見えたはずの道場はその実馬鹿ップルの愛の巣と化していたはずだが

マカロン作りに必要なアーモンドプードルを作るのに石臼をごとごと回していた道場主が、何も言わず茶色い実を口に放り込み酒瓶に手を伸ばすので、あっこらまた、と止められた。そんな彼の脳裏に蘇るのは数日前の事

『ニクが食いてえな……
『MCとKFCは当分ボイコットだ』
『(´・ω・`)』

政府付きの仕事は降りられないままに、彼にしかついていかない者達がいるからそこは袂を分かてないままに反戦を主張するらしい彼のおかげで、ヘリで届けられるスターバックスの新作も当分お預けであるし、私服にzaraのものと間違えられたくないからその脚線美が映えるスリムパンツも履いてこない。とんだとばっちりだと思う道場主である。

『もう山のクマさんでも捕ってきちまうかな……
『は、酔った俺一人抱えるのに一苦労してた平和ボケが』
……起きてやがったのかよ、あん時』
『熊の体を吊るす大仕事を一人でできるとも思えん『ありゃカットーしてたんだよ男としてと人としてのハザマでなあばっきゃろう!』』

言われ、疲労を隠せずにいたのが悔しかったか、そそくさと帰ってしまった隼人の後姿を見送った彼は

「このクソ馬鹿ヤロウってぶっとばしに行けたらなあ」
だが行けない彼は
臼の上半分を片手でひょいと持ち上げ、ぎざぎざに溝が彫られている当たれば痛そうなそれを、中東の方めがけてぶん投げる仕草をした

「シリアから英国に逃げた坊主だって、徒歩で山三つ越えて逃げて、『僕の国に、作戦名=正義の仮面ライダーが来てほしかった』って言ってるそうだぜ」