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akinoshiroihana
2025-04-14 21:27:48
16099文字
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名刺置き場5
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●歌詞をややコラしていることに気付きましたが手遅れ七夕
「まったく、お前さんがでかいノコギリ片手に枕元に現れた時には新手の怪談かと」
「七夕飾り手伝うって言ったら、おばさんが竹ノコギリを出してくれたんだよ」
で、やるなら暑くなってくる前がいいかと、暑いの好きじゃないだろ隼人は、違うかい?
……
違わねえよ
息をするように当然、のていで寝床から引き起こされて、四時過ぎにはもう十分白んだ外に出る。敷地外の未舗装の石くれ道を踏む音が白い朝霞の中にによく響くと彼は思う
「蛍はもう終っちまったな」
「きれいだったな、来年があるといいな」
元気ちゃんにも見せてやろうと露を含んだ草の葉と一緒に光る虫をとらえて帰った弁慶は、翌朝、祭の後の様な寂しそうな顔で、ただの元気のない黒い虫に戻ったそれを川辺に返しに行ってみると言っていた。儚く美しいものがゆき過ぎる季節だと隼人は思った
紫陽花も合歓も、枝の上で焼け焦げたみたいになって散る暇もない、と
「それを言うならかぐや姫だって三か月で育っちまったそうだし」
あ、夏は関係ないか、と、適当な竹を選びつつ竜馬が言う
「わかりやすく優しい時の隼人並みに持たないな?」
ははっという笑い声が竹藪に吞まれていく
夏が来れば思い出す
龍馬がそんな穏やかな夏の歌をハミングしつつ行く、いささか物騒な刃物をぶらぶらさせながらお構いなしに
一番上まで咲くと夏がくるのだと竜馬が言ったタチアオイも
彼がそうやって指差した上に軽々しく積んで寄越した桃色月見草も
ゆれゆれる
野の小径
「きれいだったな、来年があるといいな」
夏が来れば思い出す
『帰らなかったのはお前の方だ』
優しい影
遠い空
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