akinoshiroihana
2025-04-14 21:27:48
16099文字
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名刺置き場5




●(「テロリスト」なる単語はオモチャにするにはあまりに危険な言葉である、とはウクライナ侵攻前から呟いてた身です。どなたへの好き嫌いもなにも一切ありません)

それは、細長いヌガーキャンディを包んだ白い包装紙に見える
だから、手をのばす

開けちまうのかい?それを?
いいだろ、こんなにたくさんあるんだ
ああたくさんだな、たくさんだとも!

白い包みが手の中で石のように重くなる

光の民と闇の民
今こそ予言を成就させる時
なんだそりゃ、おとぎ話かい?
そう思うかい?じゃあこっちもそうだろうさ
婚約破棄に溺愛
〇〇〇〇に選ばれた民
最も愛された「ただひとり」
そして
それが叶わない「嫉妬」を担当する者作り
それが欲しい足元に眺めたい
処刑場はいつの時代も人々のたのしみ

テロリスト
なんだいそれは、爆弾を爆発させる奴の事だろう?ここではないどこかヨソでずっと遠くで
いやいやいまやありとあらゆる非道を白日の下狂喜して行う者行わせるもの、その犠牲者をこそその名で呼ぶ者・すること・みなごろしのための焼き印
『あの病院こそはテロリストの総本山』
地獄の上で自分だけは大丈夫だと思っているてめえ おれ
あなた わたし
犍陀多



かつて物語の中で
学生運動を率いたことのある少年が
とても安易にテロリストと反与党とよばれた
呼ばれ続けている

二〇二三年 一二月


「食べないでね」

僕が死んでも食べないでね
そう囁いて膝の上微睡む猫の腹を撫でるこども
むごい虐殺が、とむらわれない人々を路地に瓦礫に投げ出したきりにして
朝に夕に、ごはんをくれていたひとたちがもう動かないから
猫たちはちかごろかれらを食べる

食べないでね、いっしょに殺されようよ
それは彼と同じ厳しくなる一方の飢えを慰めるためなのか
明日はそこに自分を収めて眠るのかもと怖いのか
猫はただ、悪くないという顔で目を閉じる
小さな手に撫でられて

地球の真裏というでもない
わずか7時間向こうの真冬の子供の恐怖と、ひもじさと、かなしみが
全身の柔毛を撫でて入ってきたから
夢のなか、かれは膝の上のねこであったから

激しい仕草で身を起こし彼は彼等は愛機で駆ける
食いしばり吊り上がる口元が
炎が渦を巻くよう見張る目が
ただにたにたとした狂気だ笑みだと笑われようと
怒り、駆ける、吠える
叫ぶ、怒る、啼く吠え駆ける
秒速刃渡り三千光年