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akinoshiroihana
2025-04-14 21:27:48
16099文字
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名刺置き場5
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(東映ゲッターG最終話没展開を知ってる人向け、G26話ネタ)
博士に一部屋空けても戴いたんだけどさ
やっぱ知らない人様の知らない部屋だろ?お前らにもすまねえが、俺の傍の方がマシだろうってよ、週明けまでだけ頼む、通信には気を付けておくよ。
「鬼はそういうの慮っちゃくれないからなあ」あえて少しの軽口を乗せて言えば「違わねえや」と静かな応えをジープの助手席で、ブラックスーツの隼人はかえした
焼き場で騒ぐもんじゃねえと思ったから一緒に拾って来ちまったけど、あいつの頭蓋骨に残ってた角のカケラ。戦争帰りの人の骨からは銃弾だって出てきちまうっていうし、坂崎先輩は残らず灰になっちまった。あれよりいいさ、そう言う手の中の金属片を奪い取り、幌も張ってない運転席から投げればあっという声が挙がるが、予想した抗議の声は続かなかった
「泣いてて出にくけりゃ正直に言えよ、三分ぐらいは怒鳴らないで待ってるからさ」「言うもんかよ」
ログハウス程度というには御立派な別荘がしんと鎮まった前で、いつもと違うにおいを纏い、白い布に包まれた木箱を抱えた隼人が車から降りた。車体が一瞬揺れるのを、車から離れ歩いて行く後ろ姿をミラーの中にだけ確認してアクセルを踏んだ、彼が呟いた言葉が耳に入らなかった素振りで。だが素振りとしてはきっと落第点だ。
なあ、俺が鬼になったら泣くかい
●
「なんだ、どこだ今の工業音は」
なんだか掘削でもしてるみたいなのは
「なんだよ知らねえのか隼人でも」
轡虫(クツワムシ)だよ、ガチャガチャ陽気に鳴き出す前のウォーミングアップはあんな感じさ、あいつら成虫になって鳴くのが一週間か十日ってとこかな。その後は一緒になったカミさんに食われちまって、虫カゴの中ならありゃあ脚がなくなってヒョコヒョコ歩いてねえかと思ったら、次に覗いた時には頭しか残ってなかったり跡形も無かったりでよ、カミさんはひとりで何百って卵を残して、そいつもいつか
―
——
「なんかドリルみたいだったな、何事かと思ったぜ」
侵入者かなにかかとヒヤッとしちまった、と竜馬が肩をすくめ、ドリルは工作員だの金庫破りだけのもんじゃねえよとの不興をかっている。なんだよルパンみたいなのなら忍び込まれてもおもしれえってよ、などと。
ひぐらしがいくらか静かになり、ニイニイゼミのそれじたい焼け付くような声が夏の窓辺からの熱狂と光と騒音のなかから一足早くいなくなっているのに気付く頃
セミだけじゃねえ、あっという間さね、あいつらのセイシュン、てのは
夏の終わりが来る
眩しくて息苦しくて大声をあげたり笑ったりするのにおあつらえ向きの季節が
秋の虫が鳴き始める、
硬い地の底を穿つようなきりきりきり掘削音とともに
真ゲッター起動前夜。
72ー77年は、ルパン三世パート1が繰り返しの再放送で評価をあげてた頃、真のドラゴン埋没は早ければこの時期
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コツコツと運動向けじゃない靴の音を響かせ、高すぎるくらいある上背を少し猫背気味にやって来るのは、出す気のなかった威圧感だか圧倒的なオーラで人の心を折ってしまったことが一度ならずあるのだろう。もうぼろぼろで、なにかといえば血を流すという内蔵を庇うよりも。
でも、それなのに、ざぁっとその真っ白いとても長い髪を、マントみたいに後ろに払ってからソファに架けるのがどうやら癖なのはどういうことだろう。また縮み上がる名も無き新人職員がきっと出る、それになんなら顔を赤らめきらきらした顔になっちまう奴等も。
「あの人のあれは髪を敷き込んでしまわないようにだった」
手や両脇が塞がっていたら俺が代わりにやっていただろう、わかってら、そんな遣り取り。
本当は伸ばしっぱなしにしてもっと長い時期もあったんだ、着用できなくなって久しいパイロットスーツのあの赤いマフラーの代わりのだったのかもしれない、もしくは『アラビアのロレンス』が真っ白いチャドをひるがえして、沙漠でひとり、子供のようにはしゃいだ場面のようなものだったのかも、何度も背中どころか尻でふんずけ、ご機嫌を損ねるか懲りてしまうまでは
……
おい笑うな、想像するんじゃない、だってよ可笑しいってか可愛、ああ駄目だやはりその想い出は俺だけのものだ
赤い星で再会したトカゲの皇子様はあの人にはとても及ばないが髪がずいぶん伸びて、頬にかかる一房を爪繰ったり、後ろ髪に手を差し入れ考えごとする癖がついていた。まっすぐでさらさらとしながら体温と生きたもののうるおいを帯びたそれは、あの人の感触がするのだろうか。
「
———
いいや?」
違うだろうよ、黒髪に霜のふるまであの人は待った、一人で。俺は側や傍らではなく近くにいられたのがせいぜいだった、いや、そうではなかったのにそうだったことにしてしまったのだろうか。
ふぅともくっともつかず漏れた吐息に、夜が明けたら髪を切るかと聞いてやろうか、多分こいつは要らないと言い、きっぱり伸ばす気になっちまうんだろうなぁ、うんやっぱやめだ、と拓馬は月を仰ぎ見る。
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