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Hizuki
2025-02-08 09:53:52
25240文字
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とうらぶ
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きみのために俺ができること
【とうらぶ】鶴さに。商店街の外れの桜の木の下で出会った訳ありの鶴丸を連れ帰った主の話。色違い要素、捏造設定あり。2022年6月発行のネットプリント本の再録。叶うなら、知らないままでいてほしかった。
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一
商店街の外れには大きな桜の木があった。存在を知っている者が時折訪れる程度で、自分の身を隠しておくには丁度よかった。だが、そろそろ次の場所を探さなければならないとも思っていた。今は咲き誇っている花のおかげで隠れられているが、これが散ったらここにはいられない。その前に同じような場所か、どこか俺を引き受けてくれる本丸を見つけなければ。とはいえ、そんな場所が簡単に見つかるはずもない。じわりと焦りを感じ始めていた、そんな時だった。
「こんなところに桜が咲いてる
……
」
時は夕刻。木の下から女の声が聞こえてきた。緋色の袴が見える。どうやら買い物帰りの審神者らしい。そちらに意識を向け、少し気配を探ってみる。自分と同じものは感じられない。おまけに近侍らしき刀剣男士の気配もない。ならば。
「
……
なあ、きみ」
どこの誰なのか分からない審神者に呼びかける。怖がらせないように、できるだけ優しい声で。
「俺をきみの本丸で使ってくれないか?」
「えっ
……
? 誰
……
?」
戸惑う声が聞こえた。いきなり使ってほしい、なんて言われて、分かりましたと首を縦に振れる奴なんてそうそういないだろう。声の出所に気付いたのか、見上げる彼女の視線は俺を捉えていた。腰を下ろしていた幹の上に立つ。
「俺が折れるか、きみが降ろした俺が現れるかまででいい」
そして、そのまま地面に向かって飛び降りる。動きに従って羽織の袖がふわりと揺れた。風に煽られた花弁が宙を舞い、彼女の頭の上に落ちる。
「このままでいるのは退屈しそうでな」
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