akinoshiroihana
2025-01-22 02:24:28
11949文字
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ラ―ヒュンワンドロ2025名刺原文




途中からお前もノリノリだったくせに
いやお前がか
指摘された当人はベッドのくしゃくしゃになったシーツに包まり出てこない

そうだぜおーいと覗き込みに行ったヒムは
「『いとけないお前にまでなんてことをさせてしまったんだ』だ何だ言われたそうで、イトケナイってなぁに?と首を捻っている

昨夜、彼らは遙か未来の「宇宙航海士」とやらだった。いつの間にか入り込んで仲間に擬態してしまった「エイリアン」により破壊された船内を修理し、仲間の顔をした化け物をそれと見極め退治し、そしてまた星の海を行く、ただし「そういう設定の生存ゲーム」で。
化け物の侵入は必然で、仲間内での評議と繰り返される追放は不可避の遊びだった
一体どうしてそんな遊びが都の流行りに乗ったのかといえば、大魔王の消えた地上において、城塞都市の中に逃げ込まんとしていた人々をよしとせず、そろそろ出て行って野を耕せとその背を押そうとする、隣人への不審を掻き立てるもの―――と考えるには穿ち過ぎだろうか、それは煌めく星の船の中で起きる魔女裁判と夜ごとの処刑―――であると気付かせない修飾がかろうじて施されたものだった。

二戦目か三戦目に入って来て、遊び方をまったく飲み込めないままなんだこれどうするんだと騒いでいたヒムは、早々に「インポスター」であるとされ「追放」された。それが船の外には帰れる場所など無い一面の闇で、食料も水も無いどころか極寒で空気さえほどなくなくなる「外」に放り出されたということなのだと懇切丁寧に説明されて、「ヒムはクルーメイトでした」とのアナウンスを聞きつつ、多分水も空気もいらない彼が「ヒッデエ社会のシュクズ」と呟いた辺りでそれまでの室内の空気がなにか揺らいだ、アルコールで既にもったりと出来上がっていた空気が。

悪天候や流行り病さえ不信心不心得な異分子とされるものを責める貧しい片田舎、元勇者・研究家の肩書を隠して旅する上では根深い閉鎖性を根本から解決することのできないまま通過した地方のくにぐに。そんなものを見て来た覚えのある、いまだゲームの「船内」にいた銀色の青年と、半魔が。彼らのその時の配役は航海士だったか、それとも人の皮を被っただけの、人の言葉を解する化け物、「エイリアン」だったのか
裁判ではそれまでお互いを選んで積極的に誰を殺すかに加担したがらなかった彼らが乗組員たちの心を揺さぶり犯人を捜させ、お祭りのような追放、処刑が繰り返されてみれば、星の船の中には彼ら二人と、最初の被害者として「天使」になった金属生命体しか残っていなかった

あんな勝手な癇癪をまだかかえていたなんてとの呻きがひそりとシーツの間から聞こえたから
「だから旅を『続ける』のだ俺達は」

そう言い半魔が、脇のテーブルにレモン水のグラスを置いた



●お題:ゆうべはおたのしみでしたね
#LH1dr1wr

人狼系(あの世界ではリアルと地続きすぎてやらないでしょうけど)で、ヒュンケルの才能的に、やろうと思ったら煽りうまかろうな話です。
やってたのはAmong usの方。