akinoshiroihana
2025-01-22 02:24:28
11949文字
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ラ―ヒュンワンドロ2025名刺原文




(2023バレンタインネタを発掘)


お前はああいう浅はかな真似をしてくれるなよ

などと今さっきも鼻で笑って言われたところだから、助けると思って
そう言う銀の青年が押し付けてきたのは、喧騒と人いきれに耐えて買い求めたものではなく、友チョコだなんだとかこつけた手作りの品だった。なるほどこれは重い、と金属生命体は思う。彼からもらうなら病気でも何でもウェルカムな彼であっても。
「先に聞くけどよ、なんでこうなった」
「マァムが市場の知り合いの店で売れ残っていたカカオ96%とやらの業務用チョコレート仕入れ分を引き受けて買ってきたから、何とかなりそうなメニューを探してアバンの書を紐解いてみたところ難易度がそこそこで」
いなるほど、フォンダンショコラにあるまじき強い力が製造過程で加えられた痕跡を、その黒くて甘い匂いの焼き菓子にはにつかわしくない深い鑿跡のように感じる。ふと感じ取り、「見え」てしまったのは殺気剣気というよりもおおらか大雑把なちからであるから、グルテンが仕事しすぎている原因は、もっぱらあの少女周辺にあるのだろう。

失敗部分をも話の種にできればいいのだが、もし貰えばあいつは「気の利いた愛すべき」のつもりの憎まれ口を叩く気まんまんなようなので、本気ではないとわかっていても俺は自分の不甲斐なさがこっそり気恥ずかしくなるし、彼女の名誉にも関わる
「んなこと言ってもよ、友チョコならあのねえちゃん、あの魔法使いにも絶対やっちまうんじゃn」
「とはいえ愛しく思うものの好意を戯画化せず揶揄せず受け取れるのが真の男と言うものであって、あいつはそれができる男だと俺は信じている」
「うぉなんかすげえダブスタが来た」
てかなんでそんな女の名誉ってかオンナの傷付きやすさの方にばっか目が行くの優しくなるのと思ったら、どこかの別のネエチャンが言ったんだっけ、こいつの繊細さはガラス細工とガチンコするとかなんとか
つまり壊れやすさがこいつ全部の正体ってする向きもあるのか怖ぇーなーラーハルトのやつもあんま意地悪甘々スパダリごっこしてるとやばくねえか、などと思うヒムの部屋の最近の本棚には『◯石の国』がある。オリハルコンはヒヒイロカネだから、最近の彼は傷付きやすい子が思い詰めると怖いと思っている、銀の青年からの思わぬおこぼれはとてもとてもうれしかったけれど。

二月十四日。