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太公望と普賢
トリミング 望普編9
twitterなどに掲載していた極短編のまとめです。望普、伏普、原作軸、現パロなどいろいろ。
「普賢真人、実は崑崙十二仙になりました!」
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【試薬】
知ってる? と普賢がささやいた。講義と講義と間の短い休憩時間、玉虚宮の回廊には初夏の色濃い影がさしている。
「望ちゃん知ってる? 昨日もらったの、媚薬なんだって」
媚薬
……
口のなかで呟いた。昨日薬学の講義で講師の仙人さまにもらったのはよく耳にする薬草で、この山のあちこちに自生する。けっして珍しくもないそれが、媚薬という言葉をまとったとたん、とてつもなく後ろめたく、そして魅惑的なものへと様変わりした。
「そんなわけないだろう」
ため息をついてみせたが、普賢は「だってね」とむきになって反論する。
「これを煎じて飲むと心がぎゅっと熱くなって、だれかと手をつなぎたくなったり、抱き合ったり、したくなるんだって」
「だれかってだれ」
「だれかは
…
だれかだよ」
そんなものは
…
。言いかけて、飲み込んだ。
そんなの、薬を飲まなくたってなるじゃないか。ちょっと拗ねた横顔を見ているだけで、手に触れたいし、もっと近くで息づかいを感じたい。それはもう媚薬じゃないのか?
「僕たちもなるかな。ためしてみよっか?」
本気とも冗談ともつかないひとことに、太公望は「簡単に言うでない」と額を指で弾いた。そんなもの飲んでどうにかなったらきっともう、いまの二人には戻れない。
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