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seika_ashe
2024-07-20 15:38:40
22166文字
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蛇狐の戯れ 【人喰いホテル】
蛇も狐も、全ては疾く闇の内へ──。
スペシャルサンクス
アスナショウコさんの作品「アンシーリーコート」及び「レゾンデートル」の世界観と、最後に少しキャラクターをお借りして書いております。
友人宅創作キャラ、白崎幸葵をお借りしています。ありがとな!!!!
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「
……
正直、理事長にはむかっ腹しか立ちませんが、同行者を貴方にした点だけは感謝しています。これが橘さんとかだったら、俺は手首を切っていました」
「感謝してるなら少しは運転変われや。
……
まぁだがその点は同意する。他の奴らと同行するくらいだったら、自決の方がまだマシだ」
法定速度時速40kmを正確に守りながら走る車内で、どちらとも無く辟易したような溜息を吐き出した。何も知らぬ人間が見れば、容姿端麗な男二人が悩ましげに息を吐いてるだけに見えるだろう。
しかし、片やイライラとハンドルを指で叩きながら眉間に皺を寄せ、片や何を考えてるのか悟れぬ鉄面皮である。こんなのに近づくのは最早自殺行為以外の何物でもない。
「そうは言いましても。双鶴さんは他人に領域を踏み荒らされるのお嫌いでしょう?これ双鶴さんの車ですし俺にはとても
……
」
「その気遣いを普段からしてくれねェかな白崎ィ
…………
」
薄茶髪に翡翠の瞳を持つ男──双鶴浅葱は、これが運転中で無ければ一も二もなく殴りかかっているのでは無いかという程の圧で、濡羽色の髪に琥珀の瞳を持つ男──白崎幸葵を睨みつける。対して睨まれた幸葵はそんな圧を感じても居ないのか、はたまた感じた上で無視しているのか。兎も角何処吹く風と言った様子で助手席から外の景色を眺めている。
車の外を流れるのは木々と山々、時々野生動物と旅館やホテル案内の看板といったところで、一見すれば2人が旅行に訪れたように見えるだろう。加えて2人して薬指に同じ意匠のリングをしているせいで、傍目から見たら顔が良い同性パートナーの観光地旅行にしか見えない。
ただ実情としてはこの2人、普段は私立の高校で働くただの教員で同僚である。今日は水曜日、いつもなら勤務先で授業をしている時間であるし、有給を取ってたとして互いを旅行に誘うほど親密でもない。価値観が似ているから職場で行動を共にすると楽なだけであり、何ならパートナーは双方別に存在している。ならば何故傍目から見たら紛らわしい事をしてるのかというと、他人に絡まれるのを両名非常に嫌悪しているからに他ならなかった。
「にしたって理事長アイツ
………
給料払ってりゃ俺らを良いように使ってもいいと勘違いしてねぇか
……
」
「それは同意します。正直言って、今回のこれは完全に職務から逸脱していますし」
「ほんっとに
………
ただまぁ
……
生徒が数名失踪してるとなると、動かなきゃならんってのも理解は出来るんだよな
……
」
「双鶴さんは本当にお優しいことで」
そう、普段なら授業をしている時間に何故観光地に向かっているのかと言うと、発端はこの2人の雇用主
……
要は理事長からの頼み事とここ数ヶ月起きている失踪騒ぎであった。
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