MN*B
2024-06-21 01:38:54
16745文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

E.12 乱入者

シリーズ中第26話になります。
注意書きは1ページ目、もしくはシリーズ概要の方にあります。

このシリーズの閲覧、ブックマーク、いいねを、いつもありがとうございます。
お待たせしました~!!

今回、メカ丸戦。それと獣鉤手の補足話みたいな…。
想定より長くなったので、ちょっとキリが悪いような感じになりました。

次回、タイトルからして不穏なのが透けてます。
内容は、たぶん交流会1日目が終了するかな~?くらいです。
上げるなら、やっぱり二週間後くらいになるかと。

 


#オリ主 #夢術廻戦 #パンダ(呪術廻戦) #究極メカ丸 #花御 #狗巻棘
2021年7月18日 23:53



 私の目の前にいる彼。さきほどまでとは打って変わって、呪いとしての気配は鳴りを潜めていた。
だが、戦っていたときの彼が、疑いようもなく呪いだったのは間違いない。

「改めて言いましょう。私もあなたと争うつもりはありませんむしろ、提案があります」

彼は黙ったまま、唇を固く結んでいる。

「私たちと共に行きませんか。肉体があれど、あなたは呪い呪い同士で争うことに益はない」

「断る。呪いだからって、俺はアンタの味方じゃない。帰ってくれ」

即答された。しかし、随分と譲歩した物言い。拡張術式だと聞いているアレを出したときよりも理性的なようだ。
だとすれば彼のあの反応の理由は推測できる。

怒っているんですね、真人に」

「は?当然だろ。事情を知ってるみたいだが、それでよく勧誘なんて真似ができるな」

こっちは死にかけてんだぞと、吐き捨てるように彼は話す。
真人は彼を殺す気まではなかったようだしそれを言えば、真人もそれなりに消耗していたのだがむやみに話を波立たせる気はない。

「あれは事故だったと言っても、あなたは納得できないでしょうね」

「あ?あぁ、そうだな。アンタも"事故"で死にたくなかったら、さっさと立ち去ったほうがいい」

彼はムッとした表情で、不審げにこちらのことを眺める。

「大体、なんの用でここにいるんだ。東京観光ならもっといい場所あるだろ」

これは皮肉、だろうか。
本当にそう思ってそうな気配もするので、少しだけ戸惑う。

「わざわざ俺なんかを勧誘しに来たってワケでもないだろ。何が目的だ」

学生を襲撃します」

彼が真人と同じなら、下手なことを言えば見抜かれる。だから私は、余計なことを省いて話した。
しかし、そんな私の返答に彼は釈然としないようでその不機嫌さを思いっきり顔に出す。そして苦々しげに口を開いた。

「やけに正直だなでもそれが本当なら、やっぱり帰ってもらう」

「帰らない、としたら?」

「目的を果たせると思うなッ!」

その声に同調したように、彼の拳から伸びた刃が、その刃渡りを長くする。
真人が再現していたものとは見た目が違う。握りこまれた指の代わりかのように、五枚の刃がその拳から伸びているのだ。
それに。寄生した状態所謂、活性化した状態の獣鉤手は、呪いとしての本性を現すと聞いた。しかしそれは呪具の気配をしている。

相違点が多くそれに目の前の彼は、冷静に戦いを見据えている。やはり別の代物だろうか。

 私はそう考えつつ、僅かに身動ぎをする。

「っ!!」

それに反応し、瞬時にこちらへ詰め寄り、腕を振りかぶった彼。
その刃が私の肌の上を滑って、甲高い音が鳴る。この身には傷一つ入っていない。

それを見た彼が次に蹴りを放ち、それもまた私の胴体に入る。だが、やはり軽い。
素早さや籠められた呪力に対して、その結果はあまりにも弱い。この程度なら、どれだけ受けようとも何も問題はない。
真人から聞いていた通りだ。

 己の攻撃が効いていないことを悟った彼は、私から距離をとった。そこから厳しい眼差しをこちらに向けている。

「邪魔をするというのなら、こちらも相応の対処を行います」

勝手にしろと言わんばかりに、彼は睨んでくる。折れる気はないらしい。
そういうことならば、私もある程度やらなければならないでしょう

 私が片腕を横薙ぎに振れば辺りの地面が、色とりどりの花で埋め尽くされる。
その只中に立つ彼から力が抜けるのが見えた。無防備になった胴体へ、私は拳を叩きこむ。
彼の身体が木々にぶつかりながら、遠くまで飛ばされていく。

 そもそも彼は、こちらへ敵意を向けるのに難儀している。
彼だってわかっているはずなのだ己が私のことを敵として見ていないことに。
彼がこちらを攻撃するのは、人間への仲間意識によって、無理に成り立たせているにすぎないのだろう。

それにしても。

「少し小突いただけのつもりでしたが

小柄なのもあってか、よく飛んでいってしまった