MN*B
2024-06-21 01:38:54
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Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

E.12 乱入者

シリーズ中第26話になります。
注意書きは1ページ目、もしくはシリーズ概要の方にあります。

このシリーズの閲覧、ブックマーク、いいねを、いつもありがとうございます。
お待たせしました~!!

今回、メカ丸戦。それと獣鉤手の補足話みたいな…。
想定より長くなったので、ちょっとキリが悪いような感じになりました。

次回、タイトルからして不穏なのが透けてます。
内容は、たぶん交流会1日目が終了するかな~?くらいです。
上げるなら、やっぱり二週間後くらいになるかと。

 


#オリ主 #夢術廻戦 #パンダ(呪術廻戦) #究極メカ丸 #花御 #狗巻棘
2021年7月18日 23:53



「腕から出る鋼だとォ!?」

真人と戯れに会話を交わしていた漏瑚が、ポンっと煙をあげる。
彼らから少し離れた位置にいた私は、その大声と音に反応し、そのまま二人の様子を窺う。

「まさか獣鉤手じゃあるまいな!?あれもまた、忌み物の呪物使えば死ぬぞ!」

何それ」

怒鳴り声をあげた漏瑚に対して、まるでピンとこない顔をしている真人。
確かに忌み物の呪物はともかく、使えば死ぬ私たち呪いにとっては、あまり理解し難い表現だ。

 気を取り直した漏瑚は、怒鳴り声から一転静かに語り始める。

「肉体にとり憑き、精神を侵し崩壊させる代物尤もそれは、獣鉤手が籠手となっていない場合の話

まさにその見た目の状態なんかがそうだなと、漏瑚は嫌そうに目を細めて真人のことを見た。正しくは、その腕なのだろう。
真人の片腕は、まるで幾筋もの鋼に覆われた見た目に変質しており、指先も刃らしきものになっていた。が、すぐにいつも通りの肌へ戻る。

それを見届けた漏瑚は鼻を鳴らし、話を続けた。

「元は呪いそれの消し損ないだ。人間が扱えるように、それを武具の形に整えたのが呪具 獣鉤手」

儂の知っている限りではなと、漏瑚は呟く。

「アレはとり憑いた人間の身も心も食いつぶす。そうなると、それが人間なのか、元から呪いなのか区別もつかん」

それを聞いて真人も、嫌そうに顔を歪めた。

「なんで人間はそんなの使うワケ?使えばロクな目に合わないじゃん」

「使いようによっては有益ということだ。だから人間共はそれを手懐ける己を餌にな」

それに籠手という形のうちであれば、人間共には問題ないのであろう。漏瑚はそう付け加えて、深く息を吐いた。

「しかし籠手の部分がないとなるともしそれが獣鉤手なら、早く肉体を捨てさせなければなるまい」

「なんならもう手遅れではないか?寄生された状態で戦えば、遅からず獣に堕ちているはずだろう」

だから籠手という形に留めておくのだからなと、漏瑚は怪訝げに話す。
そんな漏瑚の隣で、真人は不可解そうにしている。

「獣に堕ちるってどういうこと?」

端的に言えば、理性がなくなるということだ」

言葉をまとめるように漏瑚は喋りを止め、口を噤む。
考える顔つきをした真人は、黙ったまま話の続きを促した。

「アレは本能のままに強い存在に挑み、そして新たな寄生先を探す。もはや獣鉤手の意思で動くようになる」

「完全に浸蝕されておらずとも、人間なら正気だとは到底思えん有様になるぞ」

そもそも寄生されて助かった人間を儂は知らんと、漏瑚は吐き捨てるように話した。

「一度とり憑かれ浸蝕されれば、その刃を無くすことはできん。手遅れだ」

その言葉に、真人が短く驚きの声を漏らす。

「えっ、じゃあ違うよ漏瑚。彼のはそれじゃない」

「何?なぜそう言い切れる?」

「だって彼は、最初は視た感じ普通の腕でそこから出たり、気絶するとなくなったりするんだもん」

漏瑚は啞然として、なんだそれはと呟く。

「呪具の仕組みとして、刃は籠手内部から飛び出す細工にもなっておるが腕で、か?」

「うん、そう。ってか、その籠手ってどうなってんの。元は呪い?なんでしょ」

封印されてるみたいな?と、真人は首を傾げた。
尋ねられた漏瑚は、唸りながら腕を組んだ。

「封印というより、休眠や不活性と言ったほうが近い。つまり籠手の状態でもヤバイ、のだ」

漏瑚はそう言うと、腕組みを止め、深く息を吐いた。

「浸食を食い止めるために、封じる策を何か講じておるのかもしれんがそれもいずれ、意味を為さなくなるぞ」

アレは封じられるのを好まんからなと、さも忌々しげに漏瑚は呟く。
真人はといえば、そんな漏瑚の考えを真向から否定する。

「うーんやっぱり違うものじゃないかな。だって彼は自分の意志で動いてたと思うし」

ソレが呪いとして俺の眼に映ったんならすぐわかるよ。と、真人は重ねて話す。
それを聞いた漏瑚が、それはそうだろうがと頷くものの。彼は全くもって納得いかない様子だ。

「だがその見た目はどう見てもいや待て、まず其奴が人間ではないとすればしかし

今度は顎に手を当て首を捻り、また唸りながら考えを巡らす漏瑚。
それを隣で見ていた真人は、そんな漏瑚とは対照的に、あっけらかんとした態度で尋ねる。

「じゅうこて?だっけ。なんで漏瑚はそんなに詳しいの?」

漏瑚は唸るのをやめ、横目でチラリと真人のことを見た。

「強者に挑む性質だぞ、儂が狙われんわけなかろう。それに、蒐集に加えようと探し求めた頃があってな」

そこで漏瑚は、そのときのことでも思い出したのか、深いため息をつく。

「アレのせいで酷い目にあったぞ。儂ももう二度とは見たくない」

心底面倒だったといった風に、重苦しい雰囲気になる漏瑚。
漏瑚ほどの呪いが酷い目にあったとは。それに、もしそれが"件の彼"の手にあるのだとすれば漏瑚はそれを得られなかった、ということだろうか。
似たようなことを思ったのだろう真人が、ずばりそのことを尋ねる。

「漏瑚は入手できなかったってこと?」

「いや、手に入れたとも。アレは片腕一つの代物ではなく

そこでまた、漏瑚はブツブツと考え事を呟き始めたようだ。

「せっかく手に入れたのに使わないんだね」

真人はつまらなさそうに、漏瑚や俺らレベルになると要らないかぁと、呟いた。
そこで漏瑚が、ギロリと鋭い視線を真人へ送る。

「真人絶・対・に!アレを使おうなどと思うなよ。第一に儂の蒐集品に触ったら、お前でも許さんからな!」

そんな怒号と、トドメにその頭からひと際大きな煙が上がった。こちらまでその熱気が伝わってくる。
そのすぐそばにいる真人はといえば、まだ触りもしてないのに怒んないでよ~。と、からからと笑った。