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hiro_kitaumi
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FF14二次創作
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旅と夢の狭間にて
FF14の二次創作です。
暁月のフィナーレ(6.0)までのネタバレを含みます。
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開拓と冒険者の街、レヴナンツトール。
中央の広場では、陽光を浴びたエーテライトが鮮明な色彩を辺りに放っている。
石の家から出てきたばかりの目には、照り返しが少々痛いほど。アゼルは右手を額に翳し、光を遮るようにして、目が明るさに慣れるのを待った。
もう大丈夫。細めていた瞼をゆっくりと開いて、空を見上げた。
どこまでも広がる青。彩るように雲が薄くたなびいている。それは古の時代から変わらない、悠久の空の色。
とても綺麗だ。その色を掴み取りたくなって、気付けば右手を上に伸ばしていた。
このまま空に吸い込まれてしまいそうだ。浮遊感すら生まれてくる。青と自己との境界線が滲んでいき、やがて空の一部と化していく
――
。
「アゼル?」
少女の声が、アゼルの意識を石の家の前へ連れ戻した。
「どうしたの、ボーっとして」
エーテライトの横で、アリゼーが訝しそうに彼のことを見つめていた。周囲では仲間達が輪になって話に花を咲かせている。彼女の声に気付いたアルフィノ達が、何かあったのかと次々に視線を向けた。
「アゼルさん、どうしましたか? もしかして具合でも悪くなったでっすか
……
?」
石の家から見送りに出てきたタタルも、心配そうに声をかけてきた。
「あ、いや。大丈夫さ、何でもない」
さすがに「空に見とれていて」と言うのは気恥ずかしい。行き場を失った右手が誤魔化すように頭の後ろをかいた。
「それならシャキシャキ歩くでっす! 今日は皆さんの門出なんでっすから」
歩みを促すようにタタルは親指を高く掲げた。アリゼー達も、並びの空いているところにアゼルが収まるのを待ち侘びている。
息を吸って軽く吐き出す。気を取り直して足を一歩踏み出した。
アゼルがヤ・シュトラとエスティニアンの間に収まったことで輪が完成した。これでようやく全員揃った。満足そうに皆が互いの顔を見回した。
今日この日をもって暁の血盟は解散する。
それは、各地の情勢や組織としての立場を考慮した上での「表向き」のものではあるが、だからこそ仲間達とはしばし距離を置かねばならないだろう。解散した組織がいつまでも一つところに留まっていては、いらぬ憶測を呼びかねない。
石の家に集まり、互いの近況報告と、今後の行動方針を話すだけのささやかな解散式を開いた。先ほど終えたばかりだが、ホーリー・ボルダーやクルトゥネ達の姿は既にない。彼らは一足先に旅立って行ったようだ。付近に残っているのは馴染みの顔ぶれだけ。
アリゼーが、今後のことを皆に尋ねている。
ラザハンへ、低地ドラヴァニアへ、オールド・シャーレアンへ。それぞれが、これから目指す場所を口にしていく。
行く先を未だ明らかにしていないのはアゼルだけだ。
「きみは」「あなたは」「あんたは」
「今日は何をするんだい?」
好奇の色を携えて、八人の瞳が一斉に彼を見る。
その時、翼のはためく音が聞こえた。
音のした方へ視線を向けると、一羽の鳥が石造りの庇から青空へと飛び立った。見る間に鳥は縫うように街を翔け、茶灰色の翼を東の方へ向けていく。
小さくなっていく影に、青い鳥の姿が重なった。翼は金色の軌道を描いて、高く、宙へと舞い上がる
――
。
その行先には、煌めく水晶の尖塔。空の青を背にしたクリスタルタワーが、見守るように静かに佇んでいた。
いつしか翼は彼方へと消えていく。その直前に、燦燦と光を浴びた塔が一際強い輝きを放った。まるでアゼルを誘うように。
それを見て、彼は決めた。
たった今思いついたことを、さっそく仲間達に語る。
「そうね、とってもあなたらしい答えだわ!知ってたけど!」
微笑みながらアリゼーが「ね!」と周りに目配せをした。それに頷く者、わざとらしく肩を竦める者、目を細めて微笑む者、その道行きへ思いを託す者。それぞれ反応は違えど、アゼルに向けられた視線と言葉は温かい。
他愛もないやり取りを交わしている内に、やがて誰ともなしに出立の気配を見せ始めた。名残は惜しいが、これが終の別れというわけではない。
「じゃあな」
「またね」
再会の約束を残し、それぞれが目指す道へと足を踏み出していく。
石の家の前では、見送り役のタタルが彼らに向けて腕を振り続けていた。
いつまでもいつまでも、彼らの姿が見えなくなるまで。
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