enoki181
2023-06-23 20:12:02
49319文字
Public リプレイ
 

【モノトーンミュージアム】とあるありふれた異形の話~秘めた心と水の国~【リプレイ】

シナリオクラフトのログ。紡ぎ手の中からボスが決まるテンプレート。
PL:成海さん、守部さん、柳さん、エノキ


■オープニングフェイズ

▼シーンプレイヤー:カマル

カマル:ぼくが住んでいるのは村の端の方。隣ともかなり離れた家で、農業をしながらのんびりと暮らしている。
どうも遠巻きにされていて、家へ訪ねてくる人は滅多にいないのだけど。そんな中で、一人だけよく顔を見せてくれる人物がいる。

「あれ、白狐。見回りかな、精がでるね」

実った稲穂の黄金に紛れてしまいそうな白い髪をたなびかせ、近付いてくる相手に笑いかける。

「うちで休憩していかない?さっき取ったじゃがいもをふかしたところなんだ。食べていきなよ」

そう言って縁側に腰掛けているよう誘導した。

朽ノ葉 白狐:「カマルか、元気そうで何よりだ。まあ見回りの途中だが……大体見て回ったし、お言葉に甘えさせてもらおうか」

素直に縁側にお邪魔するよ。

カマル:臆さず家に上がってくれる姿に安心しながら、台所へ引っ込んだ。
彼女だけは、他の人から遠巻きにされているぼくのことも変わらず接してくれる。

……やっぱり、殺されるなら彼女がいい。

心の内で思いながら足を擦る。
ここは黒く爛れてしまっていた。ぼくの体は異形化が進んでいる。あれだけ異形を憎む彼女ならきっと、一思いに楽にしてくれるんじゃないか。

……おまたせ」

考えを感じさせないように笑顔で戻る。いもののった皿をふたつ手にして。

「しばらく異形の騒ぎもなくて平和だね。きみの見回りのおかげかなぁ」

朽ノ葉 白狐:「ありがとう。土産もないのにいつも悪いね、今度また何か持ってくるよ。うちの庭の柿がいい具合なんだ」

言いながら持ってきてくれた芋をいただこう。
うん、うまい。

「いや、最近はそう見かけないよ。平和なのはいいことだけれどね。……また異形が出るようなら、その時は切り伏せるだけだ」

いつも腰に差している刀を握りしめながらそう返す。

カマル:「きみしかご馳走する相手もいないんだ。またいつでもおいで」

いもを頬張る姿を愛しそうに眺めよう。

「そういえば、聞いたことはなかったね。きみは何故、異形を恨んでいるんだい?」

朽ノ葉 白狐:「カマルは私より年下だって言うのに、まるで年上みたいな言い方だなぁ。じゃあ今度は柿をもって遊びに行くよ」

そう言って笑う。

……ああ、そうか。カマルは最近来たばかりだし知らなくても無理はないか。あまり聞いてて気分のいい話でもないんだが」

……昔、この村が異形に襲われてね。もともとはもう少し大きな村だったんだが、今となってはその事件もあって、だいぶ小さくなってしまったんだ。ここに広がっている稲穂の波だって、昔はもっと広かったんだよ?」

……たくさんの人が犠牲になったよ。老若男女問わず、逃げきれなかった人はみんな虚無に呑まれていった。あんな恐ろしいものがあるとが思いもしなかった。……今でも時々夢に出るくらいにはね」

カマル:「……ありがとう。そんな話をさせてしまって申し訳ないね」

彼女の手を取り、そっと撫でた。
思い出して怖がっている彼女を慰めたい。ルーナが怖い話を聞いて眠れなくなった時はどうしていたか、思い出しながら穏やかに話しかける。

「きみは、恐ろしさを知りながら立ち向かうことができる。強い人なんだね」

「だから大丈夫だ。きみたちは乗り越えてゆけるよ。次はないさ」

……きみのためになるのなら、ぼくも力になるからね。きみがいなくなっては、話し相手もいなくて寂しくなってしまうから」

朽ノ葉 白狐:不意に慰められて、驚いたように瞬きをする。
……昔、母親や年上の人たちに慰めてもらった時と同じような物言いなもので笑ってしまった。

「はは。君に慰められるようじゃ、私もまだまだだな。でも、ありがとう」

……さて、そろそろ行かないとな。ごちそうさま、美味しかったよ。まあそんな物騒なことは起きないと思うけど、戸締りには気を付けてね」

そう言って見回りに戻るよ。

カマル:「そちらこそ気を付けて。また遊びにおいで」

玄関先で背中が見えなくなるまで見送ってから家に入る。

「戸締りには気を付けて……か」

日が暮れてきた中、カラリと縁側の網戸を閉める。
ぴったりと閉じられた家の中、どこか濃密な気配が満ちる。

……ルーナ、あれでよかったのかなぁ」

背後を振り返ると、ぼくと瓜二つの姿が立っていた。
細部の色味だけが違う。肌は浅黒く髪は桃色で瞳は青空の色。そして、口元のホクロは右側にある。
ぼくが姿を真似た少女、ルーナは肩を竦める。

『悪くないんじゃない?殺してね、って急に言い出さなかったからね』
『でも、話し相手がいないは余計。わたしを無視しないでよ、もう』

そっくりな顔でぼくよりもころころと表情を変えながら、ルーナが喋る。ぼくより足を引きずって歩きながら。

「ごめんね、きみを忘れたことはないよ」
……でも、まわりに姿を見せないのも悪いと思うな」

灯りをつけて回りながら、触れた彼女の手を思い出した。

あの手にいつか、ぼくは……殺して貰えるのだろうか。

それを“人間らしく”頼むにはどうすればいいのだろう。

▼シーンプレイヤー:ウィリアム・シャムロック

ウィル:荷物を部屋の端に置く。
それにしても……靴は脱げと言われるし、ベッドは床の上だし、随分と不思議な文化の村だなあ。
「宿の人は特に君に気がつかなかったみたいだ」
そう同行人に話しかける。

ジュリエット:「でしょうね」
慣れた様子で靴を脱ぎ、備え付けのお茶を淹れる。
逆にどこか慣れない彼の様子を察し、小さく笑った。湯呑をひとつ相手に差し出す。

ウィル:「これは?」
不思議な香りがする。紅茶よりも渋みがあるというか……

ジュリエット:「お茶」
両手で持ち、ずずと啜った。
「久しぶりこれだけは悪くないわね」

ウィル:「へえ、不思議なお茶もあるものだ」
そう言って一口。
……うん、確かに悪くない。

「今のところ平和で長閑な村みたいだけど……本当に異形がいるのかな」
いないに越したことはない。
だけど反面いてほしいという自分がいることも抑えられない。
因縁ある故郷に、異形討伐のためやってきた紡ぎ手……うん、これ以上ない題材だ。

ジュリエット:「隠してるかもしれない。表面上は友好的だけど、余所者は歓迎されないから」

……私から見ると、ここは昔から変わらないわ。良くも悪くもね」

外を眺めて瞳を細めた。変わりのない私の故郷。なんとも複雑だ。

「いくら隠しても炙りだすけれどね。今回も協力よろしくね、ウィル」

ウィル:「ふうん。……あ、これ美味しい」
これも甘くて美味しいことは分かるけど、慣れない味の菓子だな……

「協力は大歓迎だ。今回も君の活躍を楽しみにしているよ」

ウィル:「じゃあ俺は村を回ってみようと思うけど、……ジュリアはどうする?」
なんか行かないって言うかもだから一応。

ジュリエット:「……別行動にしましょう。戦いがあれば呼んで頂戴」

ここを出てからつちかったもの。戦いの経験。異形化する体は皮肉なことに丁度良かった。

「またあとでね」

ウィル:「分かった。それならまたあとで」

それならまずは情報収集がてら村人と仲良くなるところから。
……まあ、本当の意味で仲良くなれるなんて期待してないけど。

「はあ、今度はどんな話でっちあげようかな」

なんて思っていたら、意外と話を聞いてくれる人がいた。
久しぶりに伝えたいものが伝わって、想定より長い時間外にいてしまった。
仕方ないよね。嬉しかったんだもの。

▼シーンプレイヤー:みづち

みづち:●月×日 はれ
きょうはしゅぎょーのひです。でもいいおてんきなのでサボりました。
さっきまで村にやってきたばっかりって言うぎんゆーしじん? のおにーさんからお話を聞かせてもらってました。
しゅぎょーのせっぽーよりもずーっとずっと面白かった! がみがみ言ってこないし、わくわくするお話ばかり!

「さっきのお話おもしろかったねーひぃちゃん!」

腕に抱えてるおおきなぬいぐるみ……の中にいるアタシのお友達に話しかける。

(そうだねぇ……

人がいないから、ひぃちゃんはこくんと頷いて返事してくれた。
普段もこのくらい喋ってくれたらいいのにー。けちー。

「よーし、じゃあアタシたちも冒険の旅へいざ出発!」

(え、修行にもどるっていってなかった……?)

そんなことより冒険の方がもっともっと楽しいし大事だって!
腕の中でもごもご動いてしゅぎょーに戻ろうとするひぃちゃんを無視していざ山道へ!

と思ったら大きな影。
見上げた先には……

「げぇ! おっちゃん!!!」

白楽:「こら!みづち!」
むんずと首根っこを掴んで持ち上げる。
「お前はすぐサボる……こんなところで……まったく……
眉間に皺を寄せながらブツブツ言う。そのまま修行場の方へ引っ張っていこうとするか。

みづち:「やだーーー! 今からアタシはひぃちゃんと冒険の旅にでるんだーーーーー!!!」

じたばた暴れるが、そんなのでおっちゃんに適うはずもない!

白楽:「何を言っとるんだ!いいから戻るぞ!」
ずーりずーり。軽いけど暴れるから苦労してる。
「素晴らしい才能があるのだから、磨かねば宝の持ち腐れだろうが」
ブツブツも止まらない。

みづち:「やだ~磨くなら伝説のピカピカの石の方が良い~~~! ばくろのおっちゃんとのぶつぶつしゅぎょーより選ばれしもののアタシとひぃちゃんで旅に出るの~~~~~~」

(あきらめなよ、みぃちゃん……

アタシにだけ聞こえる声でひぃちゃんがなだめてくる。 ひぃちゃんひどい!

白楽:「伝説の?なんだそれは?うちにある石でも磨いてればいいだろう」
石なんて探せばうちにも何かあるだろう。
「ついでに掃除もしてもらおうか。……朝、サボったな?」
ジロリと厳しい視線を向けよう。修行の一環として社の掃除をさせているが、みづちは度々サボるからなぁ……

みづち:ぎくり。
さっきまで暴れてたのが一瞬大人しくなる。

…………。サボッテナイモーン………………

(さぼってたよね、みぃちゃん……

白楽:「すぐバレる嘘をつきおって!」
大人しくなったのは引きずりやすくなっていい。
社に戻って、掃除と修行とをしっかりさせるぞ。この後は絶対に目を離さないからな。

みづち:「やだーーーーー!!!!!」

村中に響くくらい大きな声をあげるが、まあこの村では日常茶飯事なので、おじーちゃんおばーちゃんが「あらまたやってるわぁ」って眺めてくるだけだ。
アタシはもっと遊びたいのに、ばくろのおっちゃんのいじわる!

このあとめちゃくちゃ掃除と修業を詰め込まれました。きつかったです。次からはうまく脱走しようと思いました。

……そういえば、こんな村に知らない人がやってくるのも珍しいなぁ。何か起こったりするのかな?

▼シーンプレイヤー:オディッシオ

オディッシオ:わっしょい!わっしょい!
まばゆい日差しの下で、オディッシオは村人たちに胴上げをされていました。
どうしてこうなったのか、時は数時間前に遡り……

「ふんふん、秘められし水の国……オデたち海守りと関係がありそうだな」
オディッシオが村の入口に立つと、門番のひとりがぱっと顔色を変えて近寄ってきます。
"まさかあなたは、我らが信仰せし第五の古族フィーネの末裔では?”
"その姿、かの血を色濃く受け継いでいるとお見受けいたしました”
"このような地においでになられるとは、御使いの方に違いありませぬ!ささ、どうぞお入りください!"
「み、御使い?オデはそんな大層なもんじゃねって……あ゛ーー!」

そこから先は拝まれたり、色々なところに連れていかれたりと大変な騒ぎでした。
そんな中でオディッシオはひとりの美しいひとを見つけます。

朽ノ葉 白狐:「ああもう、なんだこの騒ぎは……

あんまりに村中が騒がしいのでやってきました。異常事態に備えて帯刀してますが。

オディッシオ:その時、彼の心に電流が走りました。
この祭りに混ざらず冷静に物事を見ているなんて、なんてかっこいいんだ!
よじよじと村人たちから離れて、オディッシオは会いに行きます。
「ア、アンタ……オデのこと、変な目で見たりしないのか?」

朽ノ葉 白狐:「いや、特には……。ああ、その見た目だからか」

オディッシオの容姿を見て、納得したような顔をする。
集まってるのも年配の層ばかりだし。

「いきなり村の皆が騒がしくして済まないな。私は朽ノ葉 白狐という。君の名前は? ここへは何の目的で?」

小さな客人に向かってしゃがみ込んで話そう。話すついでに目的も聞いてますが。

オディッシオ:(あばばば……!美人さんだ……!)
「くちのは、びゃっこ……アンタ、いい名前だな」
「オデはオディッシオってんだ」
「ここには旅の途中で寄らせてもらったど」
ぴょこと頭を下げて挨拶します。

「それで、あ、あの、あの……!」

朽ノ葉 白狐:「オディッシオか、よろしくな。まあ何もない村だがゆっくりしていってくれ」

オディッシオからの挨拶にそう返す。

「どうかしたか、何か困ったことでもあったか?」

オディッシオの言葉を促す。
困ったことと聞いたがいいが、うちの村人からの態度が一番困っているだろうな……

オディッシオ:「オ、オデと結婚してください!」

朽ノ葉 白狐:「え」

結婚と言ったか?
いや、何かの聞き間違いかもしれない。

……すまない、聞き間違えたかもしれない。もう一度頼めるか?」

オディッシオ:(……!もう一回言ってもいいのか!)
(さっき噛みかけてたからどうしようって思ってて……
(なんて優しいひとなんだ!オデ、やっぱりこの人と一緒にいたいど!)

「オデと結婚してください……!」
90度に折れ曲がります。

朽ノ葉 白狐:「………………

間違いなく結婚と言った。困ったな。
いきなり求婚されたことも困るが、そもそも私はそういう予定もないんだが……

「オディッシオ。すまないが、私は誰かと結婚するつもりはないんだ」

「だがいきなり求婚されたからと言って、君を邪険にするつもりはない。その点は安心してくれ」

オディッシオ:「うう……アンタ優しいな……
しょぼ、とオディッシオは項垂れました。
それも当然で、いくら一目惚れと言ったって初対面の相手に求婚なんてのはマナー違反。
オディッシオは群れの中でも人一倍、陸の知識に疎かったのです。

「オデ、もうちょっとかっこよくなったらまた会いに来るから……
「それまで待っててほしいど!」
早く真の姿を取り戻さなければと決意をしました。
ぐっと四本指の手で握りこぶしを作り、その場を飛び出していきます。

ウィル:みづちに好意で取りますね感情